2023年04月14日

グローバルサウス(GS:新興国・発展途上国)動向と日本の課題

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2月インドでG20サミットがインドで行われ、グローバルサウス(GS)の存在が大きくクローズアップ。ウクライナ侵攻で欧米諸国のウクライナへの対応とアフリカ諸国に対する対応の違いで溝が深まる。今後の世界の情勢を観る上で、GSの動向が、今後世界に大きな影響を与えると考えられる。現状のGSの問題や課題と将来の可能性を観てみる。

グローバルサウスの称号は、経済格差を称して南北問題(North–South divide)と言われるように先進国の多くは(Global North)北半球に位置し、新興国・発展途上国(Global South)は南半球に多く位置していることから称号され、139カ国存在する。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E5%8C%97%E5%95%8F%E9%A1%8C

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経済力の躍進

先進国のGDP経済シアーは1980年61%、2022年43%となり、GSは40年間でDGPが3.2倍も拡大。2030年にはGSのGDPは先進国を越えると予測されている。アジアを中心とする中国、インド、ブラジル、インドネシアで、中でも中国・インドの成長力は大きく、更に今後インドは中国を超えると見込まれる。
https://toyokeizai.net/articles/-/658451

南北問題としてのGSの動向

コロナ禍でワクチンの争奪戦が発生したが、経済力によりワクチンを買占める先進国に対して、GSの不信感(食料問題、エネルギー問題、温暖化問題等)が増幅する。それに対して中国、ロシアの影響大きい国が多い(経済支援、軍事支援)。アフリカ諸国は先進国の身勝手な言動による反感が増幅している。民主主義、市場経済迄否定していないが、専制主義も肯定していない。
http://www.world-economic-review.jp/impact/article2843.html
http://www.world-economic-review.jp/impact/article2873.html

G20サミットでのインドネシア、インドの台頭

G20のGDPは世界の90%を占めるため、新興国の影響力を増している。G20サミットで2022年インドネシア、2023年インドの議長国としてのGSも両国の統率力を評価する。G7諸国もGSとの関係強化をすることが必要となる。

インドの力の台頭

インドは歴史的な背景から、大国や片寄った外交を回避する全方位外交を基本とし、大国の身勝手な意向に介入しない姿勢を貫徹。インドは今後人口拡大、何れ経済大国にデカプリングとして世界の生産拠点を目指す。また、多くのIT技術者の育成等にて開発・生産に大きく方向転換を図っている。2050年には中国を抜いて世界1位のGDP経済力を持つと予測される。
https://www.spf.org/iina/articles/toru_ito_12.html

アフリカでの先進国の動向

アフリカのマリからフランス軍の撤退に対して、「フランスはアフリカを搾取する泥棒だ」としてアフリカ諸国は歓迎する。実態はロシアからの支援にマリ政府が切り替えて治安維持に当たる。その関係でマリ政府とフランスが対立。この動向は欧米諸国にも向けられる。1960年台まで続いた植民地政策時代の怨念や、人種差別意識の対応などに対する不信感。
https://www.moj.go.jp/psia/ITH/topics/column_05.html

ロシアとGSの関係

ウクライナ侵攻は西側陣営とロシア・中国分断を深め、GSとしての評価の違いが露呈している。ロシアはアフリカ諸国(スーダン、アンゴラ、南アフリカ、マリ、モーリシア)へ軍事協力で良好な関係形成。また、穀物支援で西側よりロシアの方が信頼度高い。実利的な支援協力を評価しイデオロギーは否定。その引き金は米国のイラク戦争やアフガン撤退対する厳しい評価。
https://www.jiji.com/jc/v8?id=202302globalsouth

中国への評価。

中国の途上国への支援や国家の主権、安全(統治管理)、産業発展等を指導して信頼獲得。GSに対しては「ウインウインパートナー」として支援を強化している。債務の罠としての批判もあるが、今後の動向に注目する。
http://ssdpaki.la.coocan.jp/proposals/120.html

温暖化問題と食糧問題の被害者意識、食料の安全保障

GSでの食料生産物や資源採掘を先進国が買占、結果として経済格差加速。温暖化等負の遺産は深刻な状況である。また多国籍企業によるGSを食い物にした、安価な労働力を求める生産、資源開発と称して莫大な搾取と環境破壊を被る。今後、GSへの対等な関係形成や発展にどこまで寄与できるかが先進国の果たすべき課題である。

日本がGSからの信頼を得るために
https://toyokeizai.net/articles/-/658451

日本は歴史的には欧米の様な悪影響は少ない点からどの様な支援を行い、良好な関係を築くかである。西側陣営にベッタリな言動ではなく、また中露対立を煽るのではなく、公平で柔軟な経済・文化・技術援助をどこまで出来るかである。GSへのODA援助も中国を越える事は難しいので、日本独自のGSに有益なODA援助分野の経済やインフラ支援と民間企業の進出とそこでの技術支援等による発展がポイントとなる。先日日本のODAへの思考が従来の「要望援助」から「オファー援助」に転換する提起されている。

日本の政府開発援助(ODA)の内容が重要になるし、今後のODAへの課題もどの様に解決できるかによる。

各国のODA投資は、2017年の国際比較では援助額は米国335億ドル(無償100%)、ドイツ278億ドル(無償79%)、日本185億ドル(無償37%)、英国182億ドル(100%)、フランス137億ドル(50%)。日本の無償援助が特に少ない。また、日本のODA予算は1997年をピークに大幅に減少している。今後どこまでODA予算を回復させ、更に無償援助拡大がどこまで出来るかが課題となる。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/files/100053274.pdf

 

List    投稿者 imai | 2023-04-14 | Posted in 01.どうする?マスコミ支配No Comments » 

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