【中東情勢】トルコのイスラム化が中東を和平に導く
トルコのインジルリク空軍基地は、NATO軍の基地でもある。現在もNATOに所属しているトルコだが、急速に脱米に向けて動いている。
それが中東情勢にどのような影響をもたらすのか。
◆エルドアン大統領はイスラム主義者
2001年の9.11以降、アメリカのイスラム敵視のもと、アメリカ覇権主義が加速していった。中東はその煽りを直接受けるかたちとなり、トルコをはじめ中東全域で反米的な動きが高まった。トルコのエルドアン大統領は、2001年に政権をとり今に至るが、その背景には中東全体に広がったイスラム主義がある。
エルドアン大統領もイスラム主義者であり、1994年イスタンブール市長になった時から、ハギアソフィアをモスクに転換することを目標に掲げ、ついに7月10日にそれを宣言している。そして今日にいたるまで長期政権を継続しているのは、トルコ全体が反グローバリズム→イスラム主義(回帰)を強めているからだ。
◆自前の小さな覇権を築くトルコ
シリア内戦はロシアによって終息。この時、トルコはシリアに残ったISを保護するかたちで関与した。これは、中東におけるアメリカ覇権の急速な衰退に伴い、中東に散らばるISなどのスンニ派系イスラム主義勢力を取りまとめていく者が必要になったからだ。ここにロシアとの協働があった。
こうしてトルコは中東において自前の小さな覇権を築き始めた。これが中東イスラム世界の安定につながる。
◆ロシアとトルコが中東を和平に導く
中東において最も情勢不安定なのがパレスチナだが、来るべき中東の脱(非)アメリカに臨んでトルコはパレスチナを、イスラエルはロシアが後見するかたちで和平が進もうとしている。
これはシリアやリビアなどでも同様で、トルコがイスラム勢力を、ロシアがもう片方を後見する立ち位置を取り、停戦や和平を進めることになる。
つまりトルコは、イスラム国家として自立することでロシアと協働しつつ各地の対立を解消し、中東のイスラムによる民族自決を実現していく。
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