2022年02月28日
【世界の力を読み解く】ウクライナ侵攻は欧米諸国の衰退を世界中に知らしめた
オリンピック終了後は連日のように放送されているウクライナ情勢ですが、皆さんはどのような印象を持っているでしょうか?
おそらくなんの先入観もなくメディアの情報を見ていると、ロシアが悪でそれを欧米勢力(主に米国)が正義となってウクライナを助けてあげようとしているように見えるのではないでしょうか?実際のところはどうなのでしょうか?
今回の記事では客観的事実から見えてくるものは何かを考察していきます。
人の知能は、身体性と同類認識に根ざしている
※皮膚感覚と知能進化 http://blog.nihon-syakai.net/blog/2021/10/12890.html#more
・先の記事で、皮膚触覚と身体のメカニズム解明につながるノーベル賞研究(温度受容体と触覚受容体の発見)。
・腸は第二の脳、皮膚は第三の脳。生物進化の視点では、哺乳類の段階で「皮膚と脳が共進化」していること。
・「与えられた観念」に頭を支配されている現代人は、頭で考えるより「身体で考える」(感じる)のが大事であると述べました。その続きです。
人類の知能進化。生物史をひもとくと、重要なのは次の5段階ではないかと思われます。
【世界の力を読み解く】~なぜ中央アジアが世界覇権獲得の要となるのか?~
最近では、ウクライナ東部をめぐるロシアと西洋諸国との対立が日々ニュースとなっています。
実力主義社会・民族自決の社会を目指す大国ロシアと、従来の資本主義社会・市場主義社会を貫かんとする西洋諸国との争いがいよいよ激化してきました。
西洋諸国と相対するのは、ロシアに加えて中国。そんな大国が今、自国の勢力図に加えようとしているのが、中央アジアです。
【世界の力を読み解く】シリーズでは、アジア中央部を土俵に繰り広げられる世界の覇権争いに着目をして記事を書いてきました。(過去記事1、過去記事2)
中央アジアを構成するのは、ウズベキスタン,カザフスタン,キルギス,タジキスタン,トルクメニスタン、そしてアフガニスタン。(アフガニスタンは、米軍撤退のニュースも記憶に新しいですね。
※ちなみに、「スタン」というのはペルシア語で「土地」の意味で、カザフスタンは「カザフ人の土地」という意味。アフガニスタンは、アフガン人の土地。といった感じです。
一方で、それ以外の国のことはなかなかニュースには出て来ません。
そんな国々が集う地域になぜ大国が注目しているのか。この地域にはどんなポテンシャルがあるのか。
なぜ世界覇権獲得の要となるのか?その真意に迫ります。 (さらに…)
ウクライナ情勢。中露の急接近で「欧米解体」が現実化してきている
前回、この間のウクライナ情勢の概論(リンク)以降、中露が急接近と、中国の世界情勢に対する出方が顕わになってきている。
・2/4 中露首脳が会談、ウクライナと台湾で相互支持
・2/10 露軍とベラルーシ軍との大規模合同軍事演習「同盟の決意2022」を開始
中国は露に協力姿勢で、NATO拡大に反対を共同表明。これは欧米解体路線で共闘を表明したといえます。
そうなってくると、ウクライナ問題とは、マスコミで報道されているNATO対ロシアといった単純な話ではなく、
中露による世界勢力刷新の目論見であり、中国の動き方からこの問題を捉えることが、将来予測としての注目の仕方なのです。
これまで欧米勢力からの牽制とロシアとの協力関係の板挟みと思っていた中国が、ここに来て露との歩み寄りを始めていることが示すこととはなにか。
【世界の力を読み解く】民主主義ではリーダーは育たない!~導くリーダー?窺うリーダー?信頼できるのはどっち!?~
昨年の10月末に衆議院議員総選挙が行われました。そこで日本の首相は菅首相⇒岸田首相に交代されました。岸田首相になってから3か月が経ちましたが皆さんはどのような印象を持っているでしょうか?
支持率という視点で見てみると「支持する」が58%と上々の評価にも見えます。
しかし、テレビ画面から伝わってくる印象で言えば多くの人が、一国のリーダーにしては存在感や覇気といったものが伝わってこないと思っているのではないでしょうか?
近年だけを見ていても知名度や存在感のある安倍首相⇒菅首相⇒岸田首相と知名度や存在感を下げる方に向かっています。昨年の総裁選のメンツの中でも存在感が薄い方だった思います。
日本の首相においては存在感が消える方向に向かっているのはなぜでしょうか?世界状況も踏まえつつ考察していきたいと思います。
【日本の活力を再生する】新たな集団関係(1) ~契約と贈与の関係~
当シリーズでは、地域自治の未来の追求を通じ、私権統合に代わる新たな社会・集団統合の可能性を探ってきました。
その中で前回記事で「贈与ネットワーク」の可能性を深堀し、「信頼」「認識」で集団を「つなぐ力=贈与」こそが本源時代の勝ち筋ではないかと提起しました。
(過去記事はこちら)
・地域自治の未来③ ~集団間の新たな関係を築く「贈与」の力~
大きく人々の意識が変容し始めた現代。集団と集団の関係、企業間闘争(同類闘争)、市場や金融のパラダイムはどのように変わっていくのか。当シリーズは地域自治に限らず、新たな集団関係の在り方を追求していきたいと思います。
今回は、次代の可能性として提示した「贈与ネットワーク」が現実社会で市場原理を止揚し統合していく可能性を持っているのかを検証・追求したいと思います。
【日本の活力を再生する】“働く”をつくりなおす企業3~市場的分業と共同体的分業~
みなさん、こんにちは!
“働く”をつくりなおす企業シリーズ1と2では、自社企業でどのように“働く意識”を再生しているかを紹介しました。今回は、1つの職に対してではなく複数の職を持って働く意識がどのようなものなのか?そこにどのような可能性があるのか?を見ていきます。
【企業からの副業推進とその裏側】
コロナ禍以前からじわじわと広がり始めた「副業」という選択。最近では、積極的に副業を推進している企業が多く存在しています。一般的な副業推進の理由とされているのは、キャリア形成やスキルアップ、所得増加などが主。
ただ、本当の理由はもっと別のところにあります。
それは「企業が雇用者の面倒を見切れない。だから自立してもらう(=企業から切り離す)」というのが裏の理由です。 (さらに…)
ウクライナ情勢。ロシア(プーチン)、中国(習近平)の狙いは「欧米解体」か?
緊迫するウクライナ情勢。
「ロシアvs欧米勢(NATO)」の構図ですが、中国、米国、ドイツ等の状況を考えると欧米勢に分が悪い。米軍も出ていかない、ドイツ(EU)もロシアと対決できないのではないかと思える。ウクライナ局地戦に止まらず、ロシア(プーチン)、中国(習近平)の狙いは、文字どおりの「欧米解体」、つまり米国をユーラシア大陸から撤退させ、欧州を(中露を中軸とする)ユーラシア連合に取り込むことではないか。(「欧米」という概念そのものの終焉、あえて言えば欧露とか?)
【世界の力を読み解く】~ひとつになれないヨーロッパ2/欧州の力の基盤~
前回の記事(リンク)ではヨーロッパについて、コロナの対応、エネルギー問題など、EU設立以降も一体になれていない、それどころか分裂の兆しがあることに触れました。
そして、西洋諸国の歴史的特徴である「取引関係」だけでは決して一つになれないことも、見えてきました。
今回は、そんなヨーロッパが世界を支配してきた力の基盤は何だったのか?に迫ります。
ヨーロッパの力の基盤
ヨーロッパ発で世界に広まっていたものとして思いつくものには何があるでしょうか?
大きいものとしてはやはり「金融商品」でしょう。中央銀行という制度、金貸しの仕組みもヨーロッパが発祥です。(中央銀行制度)
特に金融の世界で力を強めたのはイギリスです。イギリスは小国ながら、国債で大量の戦費を調達し世界に植民地を増やしていきました。
例えば、日本人が大好きな保険もその一つ。世界に広まったのは大航海時代の海上保険です。※1 リンク
要は資源を生かしてものづくりをするのではなく、『無から有を生み出し、稼ぐ』。
それが、最大の力の基盤だと言えます。 (さらに…)