業を興す者が活力をつくり出す~新時代を江戸時代から見る~
全国民雇われ人時代に新しい兆し
日本人は、企業に就職して雇われ人として生きている人がほとんどです。
自営業、家族経営、個人事業主など、自分たちで切り盛りする商売が減って、賃金労働者がほとんどとなりました。
(日本の活力衰退、働く展望と幸福感、共同体から切り離された賃金労働の問題 – 日本を守るのに右も左もないhttp://blog.nihon-syakai.net/blog/2021/11/12994.html)
近年、ユーチューバー、インスタグラマー、
自身で発案した物やサービスをネット販売、アプリやソフトの開発など、
趣味や特技の延長で収入が得られるようになりました。
2021年に新しく設立された法人は14万4,622社で、前年比10.1パーセント増と、2年ぶりに前年を上回り、2017年を抜いて過去最多の設立件数となりました。
(年間14万社が新たに誕生!「起業後の企業生存率」5年後、何社生き残っているのか?https://gentosha-go.com/articles/-/46635)
年齢や場所は関係なく、誰でもどこでも起業できる。
全国民雇われ人とも言えるこの時代において、これらは新しい潮流にも見えますが、
ほとんどの人が自営業という時代は過去にもありました。
業を興す精神にあふれていた江戸時代
社会起業家とも言える無数の多様な3Rs職人(自営業)が、社会における役割を果たしつつ、ビジネスを展開していた。元々、資源が少なく、リデュースを根本に、リユース・リサイクルをするしかなかった。鋳掛け、紙屑拾い、灰買い、肥汲みなど様々な3Rs職人がいた。
(歴史上最も持続可能性の高かった都市:江戸https://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=359870)
何にも属していない人がほとんどで、いわば大半が自営業でした。今のような会社に所属するという暮らし方は、人口の1割しかいない武士の生き方です。
(共同体としての『江戸市』の復活を!https://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=333619)
江戸時代はほとんどの人が自ら社会の中で求められている仕事を探し、業を興す精神にあふれていました。
誰でもどこでも起業できるというのは、江戸時代とよく似ているようにもみえます。
このまま江戸のように人々は活気付いていくのでしょうか。
集団に根付いた充足性が不可欠
ところが、人気ユーチューバーが突然閉鎖…というのも最近よく聞く話です。
自らやりたいことを楽しくやっていたはずなのに。
小中学生が面白そう、目立ちたいなどの理由で気軽に始めた結果、あおられて過激な行動に出てしまい炎上、閉鎖してもデジタルタトゥーとなってしまう問題も。
(YouTuber目指す大半の子が知らない厳しい現実https://toyokeizai.net/articles/-/281468?page=3)
現代の起業形態、特に個人やネットで完結してしまっている世界は、マイナスの評価や言葉に引っ張られがち。
個人では突破することが難しく、活力が続きにくいです。
江戸時代は町人文化に象徴されるように
とことんお客さんと対面でやりとりして、評判の良いも悪いも糧にして、更なる向上心へと繋げられましたが、現代はどうでしょうか。
ネットであれ対面であれ、商売人同士や、商売人と客との関係性があって始めて商売は成りたつ。
集団との繋がり、集団に根付いた充足性がなければ商売は続かないと言えるのではないでしょうか。
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