2011年06月20日

『今こそパラダイム転換が求められる時』シリーズ-9-①~現実、その下部意識と上部意識~

『今こそパラダイム転換が求められる時』シリーズ-6の問題提起を受けて、シリーズ-8 では観念支配の構造を具体的に見てきました。
そこで抽出した二つの支配構造は以下です。
第1の支配構造
支配者自身は、下部意識の内、特に自我・私権への収束を正当化し、他方で庶民には、現実(:下部意識)否定の倒錯観念→禁欲意識を植え付け、従順な(その矛盾に)迷える羊として支配してきました。
第2の支配構造
市場拡大の可能性が開かれたことにより、支配者は、庶民への生産拡大期待と、彼らからの収奪、それによる利益拡大を目的に、支配システムを一部組み換えます。
支配者(持つ者)が庶民(持たざる者)を、彼らの私権の一部(アメ)を分け与える代わりに、労働者として強制労働(ムチ)させ、それによって膨大な利益を生み出すシステムを作り出したのです。そのために近代思想が利用されてきました。

%E3%82%A2%E3%83%A1.jpg%E3%83%A0%E3%83%81.jpg
%E6%9C%AD%E6%9D%9F.jpg%E5%BC%B7%E5%88%B6%E5%8A%B4%E5%83%8D.jpg
以下観念パラダイムの逆転5 現実、その下部意識と上部意識 からの引用です。

我々は、あくまでも現実に立脚し、現実を対象化して生きてゆく。それは、決して現実を否定しない(むしろ、とことん現実の可能性を追求してゆく)ということである。それに対しては、当然、次の様な疑問or反論が出てくるだろう。
1.現実に残存する自我・私権も否定はしないのか?
2.支配観念も現実の重要な構成要素であり、それを否定するのは矛盾では?

「現実に立脚し、現実を対象化」することで、上記の支配構造が見えてきたのです。その中で、自我・私権も、支配観念もその構造を対象化・構造化することで、「現実の可能性を追究していく」上での正邪判断を行い、場合によってそれに対する対策を講じることができるのです。
いつも応援 ありがとうございます

にほんブログ村 政治ブログへ

確かに現実は、本能回路・共認回路が形成する下部意識(=潜在思念)と、観念回路によって形成された上部意識(=既成観念)によって構成されている。
しかし、現実否定→倒錯観念は、本源価値にとって都合の悪い現実を捨象するだけで、決して現実を対象化することができない(古代思想)。
あるいは、現実に可能性が開かれても、現実を否定対象としてしか対象化できず、決して現実の可能性を対象化し構造化することが出来ない(近代思想)。
従って、現実否定の倒錯思考は、現実を構成する最も重要な下部意識を全うに対象化することが出来ない(従って、例えばサル・人類の命綱である共認回路の存在さえ、彼らは知らない)。

上述したような追究の結果、本源価値を実現するには、「自我・私権の意識は普く封じ込める必要がある。」ことが分かりました。
また、上記の倒錯観念は、巧みに本源価値を対象化することから目を背けるばかりか、我々庶民を収奪の対象として利用している「悪」であると断定でき、なんとしてもその支配構造を打ち破らなければならないという怒りにも似た強い課題意識が登場してきます。
但し、怒り→否定では彼らの思う壺(という認識も現実直視からの賜物)で、もう少し、支配構造に目を向けていく必要があります。
「支配」という考え方は日本人にはなじみが薄く、しかも、「なんでとことん収奪し尽くすのか?」「なんで世界支配などを考えるのか?」等は到底理解し難い意識です。そこで、今回はもう少し絞り込んで、この金貸し達の意識や、かれらの支配構造をより詳細に解明していきます。
%E4%B8%A1%E6%9B%BF%E5%95%86.jpg%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E9%8A%80%E8%A1%8C.jpg
■「世界支配」に照準を絞った支配意識の構造
1.シリーズ-6でも解明したように、遊牧部族⇒交易部族を経ることによって、自部族正当化観念を育み、さらには、騙し観念に長けていったことで、自部族絶対→他部族支配の意識を醸成させていったことが基盤にある。
2.その中でも、厳しい迫害を受け、各地域に離散せざるを得なかったユダヤ人は、最も卑しい職とされていた高利貸しや両替商に可能性収束する。元々ユダヤ教でも金貸し→利子の徴収は禁止していたが、異教徒(外国人)から利子を徴収することを正当化するという観念転換を行い、各地に移住しているユダヤ教徒とのネットワークを形成することで、金貸しとしての地位を磐石にしていった。
3.ユダヤ人だと分かると資産没収されるというリスクがあることから、それまでの記名式の証券に変わって、無記名の証券(銀行券)を発行することで、彼ら自身の存在を隠蔽し、裏の世界に廻って利権を獲得するという手法を編み出した。これらの過程で、「選ばれた民」という選民思想をより正当化して、迫害に対する恨み→報復という意識も相俟って、支配観念を強化していったと思われる。これ以降、一貫して裏の世界から表の世界を支配していくことになる。
4.銀行券を流通させ、そこから最大限の利益を得る手法として、国家に金を貸す中央銀行システムを構築した。この銀行券発行は、信用創造というと聞こえはいいが、実態のない(or実態とかけ離れた)観念世界の方便に過ぎず、故に、彼らが巧みに観念を駆使し、人々を操っていくという騙し能力にさらに磨きを掛けていくことになった。
5.騙し観念への収束力が強く、選民思想による他者否定の意識が高いが故に、迫害をうけた異教であるはずのキリスト教や(キリスト教から派生した)近代思想を何の抵抗もなく利用して支配観念を確立していった。或いは、異教であるが故に、簡単に利用できたと言ってもいいかもしれない。
6.このように、流浪の民で祖国の無い彼らが、迫害を受けた異教徒に対する恨み、それはつまりは、廻りのあらゆる国々に対する恨みであり、それを元に、将来の安定基盤の確保→建国の願望も合せ、「世界」に照準を絞った支配を正当化し、それに収束することになったと思われる。
参考:
弾圧され続けたユダヤ人による金融市場構築までの流れ
なんで屋劇場『金貸し支配とその弱点』2 ~金貸しの存在構造、不換紙幣の成立
%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%89%E4%BA%8B%E4%BB%B6.jpg%E5%AE%97%E7%94%B7.jpg%E5%B0%8F%E6%B3%89.jpg
■人類の弱点構造を利用した磐石な支配システム:第3の支配構造
1.第2の支配構造は、自我・私権を庶民にも分け与え、庶民を「自我・私権の主体」として下部意識を巧みに利用したことにあった。これは、庶民にとって、共認機能からすると否定の対象となる自我・私権意識に自らが収束せざるを得ないという矛盾を孕んでいる点においても、それゆえに私権強者には従わざるを得ないという点においても弱点構造を孕んでいる。故に、ムチも受け入れるしかないという「去勢の意識状況」にさせられることになる。
2.また、この弱点構造は、政治家や学者等、表の世界の中間支配者:特権階級にとっても、致命的な弱点となる。彼らは、『聖職者』として祭り上げられ、それは公明正大で「自我・私権の主体」となってはいけない「立場」にある。しかし、「利権の旨み」に誘われて、金貸し達の罠にまんまとはめられる存在でしかない彼らは、いくら庶民に悟られないように『聖職者』としての体裁を装っても、金貸し達は全てを把握しており、その弱みに付け込んで、彼らを意のままに操ることができる。
3.彼らが言うことを聞かない場合は、「聖職者にとってのあるまじき行為」としてすぐにその地位を剥奪することができる。しかも、それを自らは前面にでることなしに影に隠れたまま)、庶民の総意で成し遂げることができるようにしている。その主要な役割を担っているのが、マスコミである。これが、第3の支配の構造であり、共認支配の構造である。
4.金貸し達は、前述したように、迫害→離散→移住した各地とのネットワークを形成しており、そのための情報通信システムもいち早く確立してきた。彼らが、マスコミを通じた共認支配を構築したのも、こうした基盤があったからだと推測できる。
5 .さらに、下部意識の弱みに付け込んだ観念による支配は日常的に行われ、徹底的に去勢されていく。つまり、シリーズ-8でも挙げたように、「解脱埋没」による思考停止に嵌りこんでいく。
参考
CIAの助けで日本の首相になり支配政党の首領になった岸信介~『灰の遺産CIAの歴史』~
中川昭一は、なぜ殺されたのか? 亀井に対する「脅し」では?
このように、「恐るべき」と形容できる磐石な支配システムにより、着実に各国の支配を推し進め、明治期には、日本にもその触手を伸ばしてきた 日本は、いとも簡単に「自ら好んで」支配に屈していくことになった。そして、彼らのグローバル化のもくろみは達成しそうな勢いである
このような、強大な、そして根深い金貸しという支配勢力に対して、日本は、或いは良識のある庶民は、対抗できるのだろうか   その可能性については、次回②(続編)で見ていきます

List    投稿者 sashow | 2011-06-20 | Posted in 03.アメリカの支配勢力と支配構造3 Comments » 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nihon-syakai.net/blog/2011/06/2005.html/trackback


コメント3件

 unimaro | 2012.05.08 19:31

お疲れ様です。
大変勉強になりました、有難うございます。
明治以前の日本のやりかたが、人類の中では最もマシだった、ようですね。
ただ、江戸中期以降、侍(仕官していた武士たち)は、今のサラリーマンと同様に化し、私権ばかりを追い求める今の官僚と全く同じになっていたのが「大半の日本人の資質」なのでしょう。
文武両道時代までは「まとも」な者たちも少なからず居たようですが、「官僚化」したサラリーマン(侍)たちによって、追いやられたり殺害させられたりし、、、
残ったその僅かな「まともな者達」も、、、
先の大戦で全て散っていってしまいました。
残ったのは「ずるがしこく逃げ間まわった奴ら」のみ。
今の日本人のDNAは、その卑怯で屑な者達のそれを受け継いでいるものでしかないようです。
先の大戦で、日本は本土決戦し、その日本人の誇りと血を、全て燃えつくし絶滅するべきではなかったではないでしょうか。
今の日本人は、昔の日本人と全く異なるもの、であると私は知っています。

 匿名 | 2012.06.10 13:14

政府なんかシカトです。

 holland hermes | 2014.02.02 9:10

cheap knock off hermes bags 日本を守るのに右も左もない | 江戸時代の思想13 日本で私有権が制度化されてから、わずか150年しか経っていない

Comment



Comment