2022年11月21日

一般家庭の消費動向からみる市場の変化

コロナ禍とウクライナ戦争を経て、社会の底流に大きな変化が起きていることは、誰もが感じるところでしょう。
その変化を一般家庭の消費動向から探ってみます。

’00年以降の各月の家計の品目別消費支出から、2000年と2020年を比較すると次のような変化が起きています。

・教育に関する消費が約30%ダウン
・衣類・娯楽・交際に関する消費が約50%ダウン
・保険医療と交通通信に関する消費は約1.3~1.4倍に増加

一方で食料や水道光熱費など、生活に欠かせないものについては、同水準を維持しています。

総務省「家計調査(二人以上の世帯)」の統計より

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上記の変化は、一見コロナ禍やウクライナ戦争の影響に見えますが、それ以前から2000年以降、増減の傾向は変わらず、コロナ禍が更に拍車をかけたと考えるのが妥当でしょう。

では、コロナ前後の状況をみてみるとどうでしょうか?

コロナ前の2019年8月と2022年8月を比較すると、
塾代122%>光熱119%>住居111%>教育106%>食材105%>食費100%>学校授業料97%>家具等97%>他93%>教養娯楽(習い事含む)91%>交通通信89%>外食80%>被服79%
(%は、各費目支出2022年8月値が、2019年8月値の何倍になっているかを示す。)

2000年以降、厳しい市場の縮小が続く中、コロナを経て起きているのは、ただの節約志向というだけではないようです。

例えば生活の中でも、徹底した安売りの食料品店は、他店より1円でも安くセール品を打出ししたりしていますが、それでは消費者を呼び込む決定打にならず、既存店舗の閉鎖や高級ブランドの新規展開など、厳しい局面を迎え、変化を生み出そうとしています。

また、教育についても公立の学校よりも私立へという傾向が加速したり、高額なインターナショナルに通わせつつ日本語をフォローアップするために別途、それ専門の学習塾へ行ったりと確かな教育の質を求める意識も強まっています。

このように、生活の中でも、自分たちの健康や命に関わるものや、未来を支える確かな教育・学びに対しては、積極的にお金を使う流れにあるようです。

本当に必要なもの、質の高いもの、心地よいと感じるもの、そういった「本質への感度」が高まっていると考えられます。

これは消費動向にも顕著に表れていますが、その他にも、仕事の仕方や人間関係の在り方などいろんなことに影響していることは、生活の中でも実感するところです。

その変化も今後追求していきたいと思います。

List    投稿者 misima | 2022-11-21 | Posted in 10.日本の時事問題No Comments » 

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