2008年08月12日

改造内閣→小泉新党→大連立? 金貸しによる日本支配の最終段階?

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先日、福田改造内閣が発足した。そこでは、小泉元首相に連なる人脈が新体制から排除されている。
だからといって、自民党が小泉路線から脱却したというのは早計だ。『現役雑誌記者によるブログ日記!by オフイス・マツナガ』で「大井」さんという方が、次のようなコメントを寄せられている。

2008年8月1日(金)福田内閣改造、「小泉排除内閣」この内閣改造で、小泉革命は、動き出した。
2008年9月~2009年2月に、衆議院に福田内閣「不信任案」が提出され、圧倒的多数で可決される。「内閣不信任案」の衆議院可決で、国会は一気に解散総選挙へと追い込まれて行く。いよいよ小泉新党の誕生である。日本の夜明け、「日本を想い日本創る」小泉革命の総仕上げに入って行く。

慧眼である。「大井」さんの予測は十分ありうる話だ。参考までに2008年3月3日の記事「政界再編⇒大連立のシナリオ~郵政選挙の二匹目のドジョウ」を再掲する。
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以下、ブログ『世に倦む日日』「改革新党の謀略シナリオ – 小池百合子・竹中平蔵・前原誠司」 の要約です。
朝日新聞は、自民党に残存する旧体質=バラマキを批判し、民主党は小泉政権の構造改革を前進させよという論調を展開している。そのために、小池百合子と前原誠司と竹中平蔵を改革派として登場させている。

最近のマスコミに頻繁に顔を出しているのが、小池百合子と前原誠司と竹中平蔵の三人。1/6のフジテレビと1/7の朝日新聞に小池百合子と前原誠司が、1/6の日本テレビと1/8の朝日新聞に竹中平蔵が登場。1/8の朝日の記事は消費税増税を唱えたもので、竹中平蔵が「税で連立するな」と発言。竹中平蔵は1/6の日本テレビでも同じ発言。自民と民主の二大政党で消費税に賛成反対の立場を分けよという趣旨で、消費税を選挙の争点に据えることを意図している。
朝日新聞も竹中平蔵と基本的に同じで、消費税を選挙の争点に据え、二党で賛成と反対に分かれて戦えという主張。朝日新聞の記事の論調は、自民を消費税反対派にして、民主を消費税賛成派にして、そこで二党が「大きな政府」と「小さな政府」の対立軸ができればいいという趣旨。
朝日の論調は、現在の福田政権はバラマキを復活させて改革を後戻りさせている古い勢力であり、小泉政権が遂行した構造改革を前進させるのは民主党の役割というもの。民主党は消費税増税を選挙公約に掲げることで、改革推進の旗幟を鮮明にして自民党との違いを明らかにせよという主張。
その記事には、山口二郎の昨年末の消費税増税論の言葉も引用されている。要は朝日はワーキングプア(貧困問題)が構造改革の弊害であるという常識的な認識を捨象して、バラマキ批判という形で社会保障削減論を唱導している。記事の中身だけ読めば、朝日新聞は新自由主義の新聞だと言われてもおかしくない。

山本一太のブログの中に最近の永田町の空気と今後の動きを予感させる徴候がある。自民党の連中は衆院選を前に相当に焦っている。落選と下野の悪夢にうなされていて、早く現状の不利をリセットできる「政界再編」を仕掛けたいと躍起になっているのだ。その「政界再編」の芝居に登場する主要なキャストが、小池百合子であり、前原誠司であり、竹中平蔵なのである。恐らくこれから、この三人が田原総一朗の「サンデープロジェクト」などテレビに活発に露出して、「改革新党」のアドバルーン演出を繰り返すことだろう。背後には小泉純一郎の影があり、小泉チルドレンの「再生利用」である。

政界再編のストーリーは?

小池百合子と竹中平蔵+小泉チルドレン+前原グループで「改革新党」を立ち上げる。山本一太や世耕弘成ら参院議員も呼応し、マスコミが大宣伝。「改革かバラマキか」という「改革新党」の設定した争点をマスコミが喧伝。
朝日新聞は、民主党に「改革新党」と政策歩調を合わせるようにと、選挙後には連立を組めと指南する。日経新聞と読売新聞は、自民党に対して「改革新党」と政策協調して選挙後に連立を組めと言う。米作農家への支援や高齢者医療費負担増の猶予などはバラマキだから止めろと言う。社会保障を削減する「小さな政府」を目指せと言う。
この戦略は、2005年の小泉「刺客選挙」が下敷きになっている。当時も、自民党公認、民主党、公認を外された無所属の三者の戦いとなり、争点は完全に郵政民営化一本に絞られ、郵政民営化に反対した、あるいは曖昧だった候補者は落選した。人々はマスコミが演出したブームに誘導されるがままに小泉自民党に投票した。

そして選挙後、どうなるか?

大事なのは民主党の過半数を割らせること。選挙後即、自民党は「改革新党」と連立を組む。「改革新党」は自民党との合同を発表して党解散を宣言。これにより、自民党は再び改革路線に引き戻される。さらに民主党参議院の若手グループが民主党からの離脱を宣言し、独立会派を作る。民主党の参院過半数体制が崩れ、独立会派は自民党と歩調と揃える。こうして、日本の政治は小泉政権の時代へと帰る。自民党が衆参で安定多数を占め、政策は新自由主義の改革路線を純粋に貫徹する。

①2005年の郵政選挙の時と同様、解散総選挙に向けてマスコミ(とりわけ朝日・日経・読売)が先導し、従米派(改革派)=善玉VS非従米派=悪玉という歪曲したゴマカシの図式を作り上げる。
②それに呼応して「改革派(従米)政党」が立ち上げられる。来年のサミット後の解散総選挙では、マスコミの圧倒的な世論操作により悪玉とされた自民と民主内の非従米派は落選し、駆逐される。
③改革新党と自民党が連立し、民主党の従米派がそれに合流する。これが今回の政界再編(非従米派駆逐)⇒従米大連立のシナリオであり、それは2005年の郵政選挙のシナリオの焼き直しではないだろうか。
ブログ『世に倦む日日』の記事は2008年1月9日、つまり半年以上前のものだが、大連立のシナリオがいよいよ仕上げ段階に入ったのではないか。
つまり、内閣改造→福田内閣不信任案→小泉新党立ち上げ→解散総選挙→マスコミの扇動によって小泉新党が躍進、自民党と民主党の非従米派は落選→小泉新党と(従米派だらけになった)自民党が連立、それに民主党内従米派が合流。改造内閣から小泉一派がいなくなったのも、小泉新党立ち上げの布石ではないか。
では、この大連立のシナリオを書いているのは誰なのか?
2008年1月1日の記事「国際金融資本の目論見」では、次のように書いた。

ドル暴落・米国債暴落を仕掛ける。それを契機にドル基軸通貨体制を放棄し、多極通貨体制へ。
一方、ドル・米国債暴落による恐慌状態で最大の武器となるのは資源(現物)である。資源の買い占め・確保はそれをにらんだもの。
アメリカの軍事力、そして資源を押さえた上で、後は世界最大の生産力と金融力を持つ日本を支配すれば、世界支配は完成する。
日本の生産力・金融力を支配する一手が郵政民営化。
当然、反米世論が高まることが予想されるが、それに封じ込める手も打たれつつある。昨年の国益派政治家の排除、さらに大連立構想という名の下に、大政翼賛会ならぬ従米翼賛会を作り上げようとしている。

つまり、金貸し、おそらくはドル暴落・米国債デフォルトを契機に多極化を目論むロックフェラー等による日本支配、そのための大連立構想が仕上げ段階に入ったのではないか。今後の日本の政局は要注視である。
(本郷猛)

List    投稿者 hongou | 2008-08-12 | Posted in 02.アメリカに食い尽される日本5 Comments » 

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コメント5件

 モンブラン | 2008.11.06 22:04

多民族国家である中国では、決して真実を述べないらしい。
真実を述べてしまうと、内乱が起きてしまう。
国家は、内部統制にやっきになっている。
実態の見えない中国の真実が暴かれた時に、国内の情勢がどうなるのか?
今後の動向が非常に気になる国だ。

 通りすがり | 2008.11.06 23:00

なるほどです。中国の外貨準備高の多さも頷けます。どうやら資本主義諸国とは全く違う思想で紙幣を発行しているように見受けます。まだまだ謎が多い国です。
銀行の国有化による金貸しの抑止という手法は、確かに良いヒントだと思いました。

 sinkawa | 2008.11.15 19:40

モンブランさん コメントありがとうございます。
確かに中国は真実を伝えない国、という印象が強いですね。
政府から独立した中央銀行の形はとっていても、実態は政府の一機関として動いているようです。
この実態が中国国内でどのように理解されているのか、知りたいところです。

 sinkawa | 2008.11.15 19:50

通りすがりさん、コメントありがとうございます。
政府と独立した中央銀行制度が絶対ではなく、国家が直接紙幣を発行すること自体は可能だと思います。
国家紙幣発行が社会共認として成立するかどうかにかかっているのだと思います(中国は社会共認ではなく、国家独断)。
先進国ではそれを阻止してきたのが、金貸し勢力だったのではと思います。

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hermes homepage deutschland 日本を守るのに右も左もない | 国家紙幣発行の実現性検証~中国の実態は?

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