「日本人は何を学ぶべきか~近代社会の騙しの構造」~第10話:役に立たない学者達
(想定外:画像はコチラからお借りしました。)
東京電力の福島第一原発の報道では、歯切れの悪い会見が続き、皆が一番知りたい“事実”が全く見えてこない。これにより原発を推進してきた電力業界と経産省をはじめとする政府の信用は失墜した。
今回の事件を通して学者もマスコミも口々に「想定外」を繰り返すが、これはまさに彼らの無能ぶりを如実に表している。
しかし、いくら超巨大とはいえ世界で4番目で経験があるのだ。
また、下記のデーターを見ると、本当に“想定外”が言い訳として通用するのだろうか。
テレビに出て「想定外だった」をオウム返しのように述べる学者は、これまで何も追求してこなく“無能”であることを曝け出している。
「想定外だった」としか言うことができない“無能”学者」より
学者たちはこの惨事を目の前にしても尚、彼らはなぜゴマカシ・言い訳を続けている。なぜゴマカシ・言い訳しか出来ないだろうか。
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次に、学校で教えられる観念が近代思想、つまり現実には存在しない架空観念であること。
人文科学は100%架空観念である。古代宗教においては神であり、神が個人(→自由・人権)に置き換えたのが近代思想である。古代宗教~近代思想に至る思想全体が、このような極めて幼稚な中身しか持っておらず、そのような架空観念が現実の役に立つはずがないのである。
それに対して、自然科学は全く役に立っていないわけではない。目先の効率→生産力の発展には寄与してきた。その違いは、人文科学が架空観念であるのに対して、自然科学は現実を直視して法則化した事実認識であることにある。
但し、近代の自然科学も個人主義のパラダイムに嵌っており、対象を分解し分析する要素還元主義に捉われており、自然世界全体を統合できない。その結果、効率化によって生産力は発展したが、一方で大量の歪みを生み出してきた(ex.原水爆~環境破壊)。この歪みの責任の少なくとも半分は近代自然科学にある。分解主義・要素還元主義ではダメであり、全体を統合した統合原理が求められている。
体内の様々な物質の複雑な相互関係がどうなっているかは未だ解明されていないにもかかわらず、ある一つの食品成分だけを取り出して、これは身体に良いor悪いと(いかにも科学的に装って)喧伝する現代の科学者の姿勢はペテンそのものである。今や自然科学も人文科学に負けず劣らず幼稚なレベルに成り下がったと言わざるをえない。
「なんでや劇場レポート 「日本人はいつ物を考え出すのか?」(2)学習観念が役に立たないのはなぜか?」より
(画像はコチラからお借りしました。)
今回の原発事故で明らかになったように学者や大企業は現実の問題が起きたときに全く役に立たない。
何か問題がおきた場合は、状況認識⇒構造化⇒実現方針という段階を踏んで、共認を形成していくのが仕事である。例えば、専門家は専門用語を使わずに素人にも分かりやすく伝えることが必要だが、彼らはそれを認識していない。常に自分の領域で解決しようとする。
全体という視点を捨象して、特定の領域のみに思考を限定してしまう。これが分解主義・要素還元主義の弊害である。
■なぜ、この様な思考になるのだろうか?
教育制度そのものがこの考え方に基いて作られているからである。
例えば、小学校の段階で「国語・算数・理科・社会」と教科に分かれており、進学するほど一部の専門領域だけを特化させる制度となっている。このように教科毎の対象を限定した思考方法は、まさに分解主義・要素還元主義の思考である。
このような観念体系と思考方法を小学校から大学卒業まで学び続ければ、現実という複雑に物事が絡み合う対象に直面したときに、熱心に勉強してきた試験エリートほど、全体を捉えられず突破口を見出すことができない。だから、彼ら学者たちは答えを出せない現実に直面したとき、言い訳・ゴマカシなど出来ない理由の正当化するしかないのである。
■どうする?
この問題を解決するには、現在の教育制度は当然のこと、近代思想に基いた法体系や国家など全てを創り直すことが必要であるが、その前にやるべき事が2つある。
1.統合理論の構築
2.共認形成の場の構築
1は言うまでもない。細分化しかしてこなかった各分野の法則を、さらに全体的視点でまとめた統合理論を構築することが必要となる。しかし、これには膨大な時間と労力が必要で、到底個人では実現できない。そこで素人が皆で集まり、知恵を出し合い統合理論を構築或いは、勉強会などの開催など共認形成の場を広げていくことが同時に必要となる。
東北での災害を受けて、ネット界でも事実収集の流れが加速しているが、共認形成の場の必要性が高まっていることを示している。
次回は、分解主義・要素還元主義を生み出した個人主義思想について詳しく見て行きたい。
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