2008年09月09日

次の政権はマスコミの論調で決まる⇒日経・読売の場合

2008年09月03日の記事「崩壊過程に入った自民党を、米闇は見捨てた?」では、以下のように書いた。

アメリカとその背後にいる支配勢力は、崩壊過程に入った自民党を見切りをつけ(崩壊させたのも米闇勢力であるが)、次なる安定従米政権の確立準備に入っているのではないだろうか。

次の政権がどうなるか?⇒近く行われるであろう解散総選挙がどうなるか?は、マスコミがどこに加担するかにかかっている。自民党か、民主党か、どちらもダメで従米改革新党期待か?
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『世に倦む日日』「星浩(朝日新聞)の争点設定 – 選挙の争点は政権交代の是非」によると、

今度の総選挙においては、朝日新聞は「政権交代の是非」を争点として報道するということを星浩が宣言したのだ。言わずもがな、民主党を勝たせるという意味である。この発言は大きい。(中略)ブログの関心は、この選挙で自民党と民主党のどちらが勝つかという問題以上に、この選挙を通じて日本の改革勢力(新自由主義勢力)がどうなるのか、改革政策がどう変わるのかに注目している。朝日新聞のメッセージは、改革政策の新しい担い手を民主党に託すということだろう。

では、各紙は民主党に対して、どのような論調で取り上げているか?
日経社説「小沢氏も政策論争に参戦を(9/9)」

民主党の小沢一郎代表の無投票3選が決まった。21日の臨時党大会で正式に選出される。小沢氏は記者会見で「新しい政権づくりに向けて一丸となり、全力で突き進む」と決意表明した。次期衆院選のマニフェスト(政権公約)の骨格となる基本政策案も発表した。
一方、自民党総裁選は10日に告示され、麻生太郎幹事長ら5人以上の候補者が政策論争をする見通しだ。小沢氏は民主党の政権公約づくりを急ぐ一方で、自民党にも積極的に論争を挑み、衆院選の争点を明確にする責任を負っている。
小沢氏は臨時党大会で、基本政策案を肉付けする形で所信と政権構想を明らかにする。すべての年金制度の一元化や月額2万6000円の子ども手当の支給などを盛り込んだ基本政策案は、昨年7月の参院選の政権公約を基本的に踏襲したものだ。ガソリンと軽油にかかる暫定税率の廃止や、漁業者向けの所得補償制度の検討などの新たな施策も打ち出した。
小沢氏は記者会見で「不要、無用の予算はいっぱいある」と述べ、財源の確保に自信をのぞかせたが、政策論争を深めるためにも、具体的な数字の裏づけのある財源を早急に示してもらいたい。昨年の参院選では子ども手当などの新規施策の実現に必要な財源を15兆3000億円と見積もっていたが、この額がさらに膨らむのは確実である。次期臨時国会での衆院解散の可能性が高まり、衆院選後に民主党を中心とする政権が誕生すれば、直ちに来年度の予算編成に臨まねばならない。説得力のある財源を示せるかどうかは、民主党の政権担当能力を占う試金石である。
外交政策では「強固で対等な日米関係を築く」との表現を盛り込んだ。民主党はインド洋上での給油活動を延長する法案に反対する方針だが、日米関係への影響をどう考えているのだろうか。給油活動に代わる国際貢献策などについても小沢氏の対案を聞きたい。
自民党総裁選では経済政策が大きな争点になる見通しだが、小沢氏の基本政策案では税制改革のビジョンなどが欠けている。今後の政権公約づくりの大きな課題である。

読売社説「小沢代表3選 政権公約に説得力を持たせよ(9月9日付)」

小沢民主党に今、求められているのは、説得力のある次期衆院選の政権公約(マニフェスト)づくりである。そのためには、代表選では“封印”された本格的な党内論議を再び避けてはなるまい。
民主党の小沢代表が無投票で3選された。複数の候補による政策論争がなかったのは残念だ。投票できなかった26万人超の党員・サポーターだけでなく、国民も、開かれた代表選を通じて、民主党の「首相候補」の政見や基本政策を聞きたかっただろう。民主党も、代表選の論争を通じて、政権公約の質を高めるとともに、国民の関心を集めることができたはずだ。党内では、世間の注目が自民党総裁選に集中し、自らの存在が埋没しかねない、との危機感が出ている。衆院選を前に党内に亀裂が残るとして、代表選を回避したことのツケとも言えよう。
小沢代表が発表した政権構想は、税方式による最低保障年金制度、子ども手当、農家の戸別所得補償などが柱だ。昨夏の参院選公約とほとんど変わらない。小沢代表は「変わったらおかしい」と言うが、党内でも「政権をとった際、確実に実現できるよう、公約をしっかりさせることが必要だ」との意見が少なくない。参院選での民主党の大勝は、民主党の公約への積極的な支持よりも、年金記録漏れなど自民党の失策によるところが大きい、との見方が一般的だ。
公約への信頼性を高めるには、財源の裏打ちが不可欠である。小沢代表の政権構想では、15・3兆円分の参院選公約に、2・6兆円を要するガソリン税の暫定税率廃止などが加わっている。「官僚が作った予算には、特別会計、道路財源など、目的外や不要なものがいっぱいある」という小沢代表の抽象的な説明だけでは、国民は十分納得すまい。財源の具体的な内訳を示すべきだ。
政権構想は外交面で、「強固で対等な日米関係を築く」と強調した。インド洋にもイラクにも自衛隊を派遣しない党の方針と、果たしてどう両立させるのか。小沢代表は、インド洋での給油活動を「憲法違反」と決めつけるが、民主党内でも、その論理に賛成できない議員の方が多い。
そうした党内の矛盾に加え、早期の衆院解散を視野に入れ、今後も党内論議を避ける力学が働く可能性は否定できない。だが、その問題を克服してこそ、国民に政権担当能力を示すことになる。

日経・読売とも、小沢民主党の政策の基盤となる財源が不明であること、インド洋上での給油に反対して日米関係をどうするつもりなのか?と疑問を投げかけている。裏読みすれば、従米改革政策に舵を切ると宣言しなければ政権を担当する資格はない(政権は獲らせない)と脅しをかけているとも読める。少なくとも現段階では、民主党を勝たせるという路線とは言い難い。「小沢民主党に期待したけどダメだった」と第三勢力(つまり、従米改革新党)に期待する論調に、解散総選挙の前後に急転換する可能性も十分ある。
一方、民主党の出方が注目される。「従米改革路線に転向すれば政権獲らせてあげるよ」とマスコミに言われているのだとしたら、民主党も政権欲しさに従米改革路線に党を挙げて転向する可能性もあると見るべきだろう。

(本郷猛)

List    投稿者 hongou | 2008-09-09 | Posted in 01.どうする?マスコミ支配5 Comments » 

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コメント5件

 daruma | 2008.11.25 23:32

 ニクソンショック以降、不換紙幣のうまみを知った金融資本勢力が、また現物の裏づけとしての金本位にもどるのでしょうか?
 
 彼らは、完全に金資源を掌握しているが、有限です。
冨の膨張には限りがあると思われますが。
 むしろ、環境問題を世界共通の課題として推進しつつある今、Co2本位制に持ってくるほうが、彼らにとって都合がいいと思われますがいかがでしょうか?

 yooten | 2008.11.27 21:25

次のG20は、ロンドンで行うことに決まりまし。英・ブラウン(ロスチャ系)がどう出てくるのか?また多極化への主導権だけでも取ろうとするのか?
一方では、英・ブレア前首相と仏サルコジ(デビット系)が1月8、9日にパリで会議を行う。スティグリッツも呼ばれているらしい。
今後、国際金融資本がどう動くか?注意が必要ですね。

 yooten | 2008.11.27 21:26

次のG20は、ロンドンで行うことに決まりました。英・ブラウン(ロスチャ系)がどう出てくるのか?また多極化への主導権だけでも取ろうとするのか?
一方では、英・ブレア前首相と仏サルコジ(デビット系)が1月8、9日にパリで会議を行う。スティグリッツも呼ばれているらしい。
今後、国際金融資本がどう動くか?注意が必要ですね。

 米流時評 | 2008.12.02 23:02

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