『どうする 日本の社会』 ~私権闘争の終焉~
前回、『どうする 日本の社会』~社会の最基底部にある婚姻制~ では、
『父系制によって、生まれた私有意識が、蓄財意識へと変化し、終には略奪闘争によって、本源集団=母系集団を解体し、私有権を共認した私権統合社会=国家を築いた。』構造を明らかにしました。
今回は、豊かさの実現によって、この私権統合が終焉を迎えていることを示します。
画像はこちらからお借りしました。
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実現論 序文 より
’70年、貧困が消滅してゆく(もちろん先進国の話である)につれて、私権の強制圧力が衰弱してゆく。それにつれて、私権は第一義的な価値ではなくなり、人々はこれ以上、私権を獲得するためにあくせく働こうとはしなくなる。こうして労働活力が急速に衰弱してゆき、企業は私権(地位やお金)によって、人々を統合することが出来なくなってきた。
貧困が消滅し私権が衰弱しつつあると言うと、「いや、自分はお金は欲しい」という人がいますが、「お金を手に入れるために、どれだけ頑張れるか。我慢できるか。」という点が、昔とは、全く違います。
昔は、就職すると決まって身近な年長者から、「石の上にも3年。一旦就職したら、嫌なことがあっても、まずは3年間懸命に働いてみること」と言われたものでずが、今や、3年以内に退職する人の割合は、中卒で7割、高卒で5割、大卒で3割に達するということで、「七五三現象」という言葉が生まれているそうです。
グーグルで、「石の上にも3年」で検索すると、『石の上にも3年。って良い意味なのですか?悪い意味なのですか?』と大真面目に質問している人がいて、私などは驚いてしまいます。
一人前の(稼ぎのある)社会人になるためには、最低三年は辛抱して、頑張らなければならないという常識が通用しなくなったことが、企業がもはや私権(地位やお金)では、人々を統合することができなくなったことを如実に示しています。
結婚も私権の獲得課題と言われると違和感を感じる人も多いと思います。 |
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若い人の間で、「やりたいことが見つからない」「自分探し」などと言われるようになって随分たちますが、今や、個人だけでなく、企業も、国家も目標を見失い、どこに向かえばよいかわからない状態が続いています。
次回は、いよいよ、失われた本源性が再生されていく構造を明らかにし、具体的な実現例を紹介する予定です。 |
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コメント2件
mbt shoes women uk | 2014.02.22 11:10
mtb 日本を守るのに右も左もない | 10/17なんでや劇場(1) 今回のテーマ「社会共認の歴史」の目的
共同体の原基構造8~これからは共同体の時代~
こんにちは。シリーズ『共同体の原基構造』の最終回です。 このシリーズでは、人類が極限時代500万年にわたって、自我を封鎖した共同体で生き延びてきた…