2022年08月26日

働くしあわせをつくりなおす企業~仕事の成果とは、なにか?~

前回リンク
「仕事の早さ」で勝敗が決まる時代http://blog.nihon-syakai.net/blog/2022/07/13706.html
会議体デザインから始める働きがい改革http://blog.nihon-syakai.net/blog/2022/05/13387.html

上記記事でもわかるように、社会全体が、スピード・質の高い仕事が求められる時代に変化してきました。
これからの生産の主軸となっていくZ世代やこれまでを支えてきた世代は、今の時代において働いていくためにどのような仕事の成果が求められるでしょうか。活力ある働き方のヒントになる企業をいくつか見ていき、普遍構造を探っていきましょう。

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過程に意味を、価値を、見出し評価する。(プロセス評価制度)
≪成果に至るまでの“過程”(プロセス)に着目し、そこにどのような価値が存在したかという視点から判断する≫
業務成果のみを要素として評価判断する業績評価と対する制度で、各フェーズ・各役割に対する評価=意義・価値の評価をしていくという内容。前述したZ世代の思考とマッチした評価制度になっています。
====静岡県の事例====プロセス評価の導入企業事例とは?業務を細分化しよう – 人事担当者のためのミツカリ公式ブログ (mitsucari.com)
≪静岡県では2009年より行動特性(コンピテンシー)に注目した評価制度を導入しています。コンピテンシーとは、高い業績・成果を出す人材に共通する思考・行動・判断・選択・態度のことです。コンピテンシーを利用した評価制度とは、業務遂行の過程を分析し、被評価者の行動特性を評価する方法です。≫

チームで成果を出す。(人材育成制度)
病院で看護職に就いている友人の話ですが、興味深かったので紹介したいと思います。
≪A4の紙に1年間かけて習得すべき項目が具体的に並んでおり、技術力獲得の展望を明確にしている。年2回、期初の終わりに自らがその項目の内容に対して、できるようになっているかをチェックし、それを担当する上長(主任)が他社評価を加え、上手くいっている点、または、できていない点、なぜできていないかを1対1で議論する機会が設けられている。≫
≪1年目の基礎育成を終えた2年生、3年生たちが、今度は新しい1年生の育成・指導を担う。それがまた、2.3年生の育成に繋がる。≫
個人の力量や仕事スタイルのみで成果を出し、その成果のみによって評価がなされる。といったような、いわゆる昭和的な成果主義は、今や必要とされていません。というよりも、その仕事の仕方では成果が出なくなってきている、と言ったほうが正しいでしょう。
うまくいく仕事の基本動作=型というのものは、普遍的なものがあります。それらをもとにした育成・評価、つまり、個人仕事からチームワーク型・共闘型の仕事へ。
チームのために何が出来たかといったチームビルディングの視点が、これからは重視されていくと感じます。

評価と育成を一体にした組織編成
人事評価と人材育成は常にリンクしているものです。育成方針をもとに、その人材はどのように努力したか、成果を出せたか、人材として成長したかといった評価がおこなえます。ただ、大企業や大規模な組織では、ここを両立することはなかなか難しく、部門として別々になってしまいがちです。しかし、評価と育成に一貫性を持たせることこそが、仕事の成果=課題の出来や人材力の上昇につながります。
====荒川区の事例====untitled (city.arakawa.tokyo.jp)
≪これまでの人事行政においては、採用や異動、人事評価等を行う人事管理の部門と、職員の育成を担う研修部門が組織的に分かれており、それぞれの職務に従って個別に業務を進めることが一般的であった。今後、人事行政を効果的に展開していくためには、人事行政の従来の枠を超え、人材育成と人事管理が一体となった新たな人事執行体制を構築し、機能させていく。≫

“仕事の成果”とはなにか?
プロセスに対して評価をする企業、人材育成に力を掛ける組織。
これらの事例から分かることは、もはや“仕事の成果”とは単なる「成果」だけに留まらないということかと思います。

仕事の成果とは、仕事をする目的であり・成果を出す過程であり・人材育成や導きである。私はそう思います。
これらがそのまま、働くことのしあわせや働くことの楽しさになる。そんな社会、企業でも良いのではないでしょうか。
21世紀という社会、その時代にある企業の姿は、そこにあると思います。

List    投稿者 fuji-m | 2022-08-26 | Posted in 12.現代意識潮流No Comments » 

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