2010年06月02日

5/30なんでや劇場レポート「観念力を鍛えるには?」Ⅲ 詭弁を説明しようとするから難解になってゆく

5/30なんでや劇場「観念力を鍛えるには? 暗誦千回で大丈夫?」レポートの第3回(最終)です。
るいネット5/30なんでや劇場レポート「観念力を鍛えるには?」(4)求道者と解釈者では思考の自在さが全く違う、及び、(5)詭弁を説明しようとするから難解になってゆく から引用します。
 
 
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                                 タルムード
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2600年前、同時期に仏教・儒教・ユダヤ教という古代宗教が登場し、その300~400年後にそれぞれの地域で統一国家が成立した。
それまでの部族連合国家では守護神信仰や神話の共認によって統合されていたが、部族間の緊張圧力や交易や連合、さらには服属部族をどう支配するかといった課題に対しては、部族間の意思疎通が不可欠であり、その部族の中でしか通用しない守護神や神話では統合できない。部族を超えた普遍性のある観念が必要になった。こうして各部族の潜在意識のレベルで社会統合機運が上昇し、それを鋭敏にキャッチして、守護神や神話を超えた、より普遍的な観念(古代宗教)を作り出したのが、釈迦や孔子やユダヤ教の預言者たちである。
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          釈迦                 孔子                モーゼ
そこでは、(普遍性の高い)抽象的な概念が前面に出てくる。例えば、儒教であれば「仁」が最高価値とされた。弟子たちは孔子に「仁とは何か?」と何回も問うが、孔子はその定義を明確に答えるわけではなく、事例を述べるだけであった。
観念機能は、言葉回路と文字回路に分解することができるが、孔子と弟子たちの対話による問答で使われているのは言葉回路である。話し言葉は本能・共認回路に直結させやすいので、「仁」などの抽象概念もいちいち文字回路の位相に置き換えて使われるのではなく、話し言葉の地平で使われていたに違いない。
そして、孔子の弟子たちは(釈迦の弟子たちも)その問答を文字として書き留めた。なぜ、彼らは文字として書き留めたのか?
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                        孔子の弟子たち
話し言葉は瞬間瞬間で消えてゆくのに対して、文字は内容を眼前に存在させ続ける。求道者であった孔子や釈迦と同じく求道者であった弟子たちにとって、文字として固定すれば、瞬間に消えてゆく話し言葉よりも深く探求したり、体系化することが可能になる。その必要から、彼らは文字として書き留めたのであろう。
それに対して、近代~現代の学者は求道者ではなく、単なる解釈者にすぎない。とりわけ明治以降の日本の学者がやってきたことは、西洋の学問を解釈し理解することであった。しかし、西洋発の近代思想はもはや終わっている。
現在求められているのは、新たな理論体系を構築する求道者である。このような時代の位相から考えても、理解主義や解釈主義が今や無価値であることは明らかではないだろうか。
解釈主義に立つ以上、思考はそれに支配され、トコトンまで洗脳され、それを超えた発想は出てこない。それに対して、求道者は自らが生み出した新しい観念に支配されてしまうのではなく、その観念を足がかりにしてさらに新しい認識の体系を構築してゆく。このように求道者と解釈者というパラダイムが違えば、同じ文字を使っても、その思考の自在さは全く違ってくる。

このように文字にすれば、より深く考えたり構造化することも可能になるが、その反面、ますます難解になってゆく(仏典も神学も近代思想も)。その結果、専門家以外は理解できないものになり、人々は無関心になってゆく。’70年以降、近代思想も輝きを失い見捨てられた。
この難解化は観念あるいは観念力の高度化と言えるのか? 知識階級の自己満足ではないのか。
中世キリスト教会でトップレベルの頭の良い神官たちが神学論争に明け暮れていたのが、その象徴である。
論理矛盾を説明しようとすればするほど、膨大な論証が必要になる。しかし「三位一体」をはじめとして元々から矛盾しているものを矛盾していないかのように繕えば繕うほど、全体が詭弁と化してゆく。難解になるのは当たり前である。そんなものを読んで理解したと喜んでいるのが学者という存在なのである。
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                『至聖三者』アンドレイ・ルブリョフ作
例えば、ドーキンスの利己的遺伝子論は完全な詭弁である。生物史には、個体が原点という事実はどこにもない。にもかかわらず無理矢理、生物進化を個人主義に結びつけようとして「遺伝子は利己的」と結論づけようとしたのがドーキンスである。
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               リチャード・ドーキンス
こうして学者たちは捏造に捏造を重ねてきた。そして誤魔化しや捏造を重ねれば重ねるほど、難解になってゆく。しかし、詭弁を糊塗するために捏造された難解な文章や学問を理解することに、一体何の意味があるのか?
思想や経済学だけでなく、自然科学も例外ではない。
例えば、物理学は読んだだけでは「何故こんな数式になるのか?」理解できない。その理由はいくつかあるが、その一つが、物理法則にさえ詭弁の構造が孕まれていることである。
無数の要素や力が複合的に絡み合って働いているのが現実の自然世界(宇宙の運動)であるが、たかが人間の脳レベルでは全体を構造化することはできない。そこで自然科学者たちは、関係する要素や力をほんの数個に限定し、その他の要素を捨象した人工的な特殊限定空間で実験を繰り返してきた。そうしてできた科学法則は、現実には存在しない特殊空間(実験室)でのみ成立する限定的な法則にすぎない。
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そのことを昔の自然科学者たちは自覚していたが、現在の学者たちは、そのことを忘れてor忘れた振りをして、特殊空間においてのみ成立する法則を、あたかも普遍的な真理であるかのように発信する。
とりわけ、食品系の学者の主張はペテンそのものである。
体内では無数の物質が複合的に影響し合って働いている。どの物質とどの物質が複合的に結びついたら、どのように作用するのかということは未解明のままである(現在の科学はその程度の幼稚なレベルにすぎない)。にもかかわらず、ある一つの物質だけに着目して、その作用や危険性を喧伝するのはペテンと言うしかない。タバコ=ガン犯人説然り、CO2=地球温暖化犯人説然り。今や、自然科学も全く信用できない代物に成り下がってしまった。
理解する=解釈することに意味があるのか? 理解=解釈しようとすること、それ自体が騙しではないのか? 理解しようとしなければわからない対象は全て詭弁なのではないのか? この問題は、今後も継続して追求してゆく。
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それだけではない。追求途上にある「観念力とは何か?」は、その先がある。
反復千回の効用は明らかになったが、それだけで十分なのか?
とりわけ、現在は旧観念に代わる新理論が求められる時代だが、新理論の創出にはどのような能力が必要とされるのか?

ありがとうございました

List    投稿者 cosmos | 2010-06-02 | Posted in 12.現代意識潮流4 Comments » 

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コメント4件

 unimaro | 2011.01.23 14:04

お疲れ様です。
いつも興味深いエントリをありがとうございます。勉強になっております。
さて、
>今回は、力の外圧ではなく、力の空白状態、つまり力の原理の崩壊=世界の秩序崩壊という、嘗て経験したことのない状態である
とありましたが、現時点での混乱に見えるのは、「新システムへの移行期間(つまり戦争中)」だからだと愚考いたしております。
大衆のほとんどが己で考えることが不可能になった現在、”彼ら”白人ども(アメリカ側、欧州側を中核)が、ビルダーバーガーなどを中核とした”彼ら”による彼らの理想社会構築へ進める歩を早足にしたように思えます。
>そこで取る対策は日本人の体質から見て半鎖国政策(米中欧とは鎖国し、共同体的な諸国と細々と貿易して生き延びる)
ここは心から同意いたします。
というか、それ以外の道は、日本にとって破滅への道でしかありません。しかも、米崩壊しなくとも、現時点でも全く同様に言って良いことだと思います。
今後も期待させていただきます。よろしくお願いいたします。

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