集団の力を結集するために必要なもの ―人類のスーパーパワーとは―
企業間の生き残り競争が激しさを増す中、より多くの人の力を結集しより良いプロジェクトにしていきたい!という想いは高まり、社を超えての繋がりも生まれています。
しかしなぜ、社を超えても繋がり力を合わせることができるのでしょうか?
また、プロジェクトを前進させるためにも、仲間の力を集結させることが求められますが、どうしたらチームをまとめることができるのでしょうか?
そのヒントを人類史に遡って追求します。それは、一人一人では弱い人類も、人類だけが持つスーパーパワーで、こんなにも世界中に拡がったと考えるからです。
人類だけが持つスーパーパワーを明らかにし、この激動の時代を生き抜く力にしたいと思います。
(約9千年前の南米の【手の洞窟】 写真はコチラから)
(石器時代、何か特別な祭りのときに、集まって岩に仲間たちと手形のステンシルを残したのかもしれないです。)
【万物との一体化を可能にした初期人類】
足で枝をつかめなくなった初期人類は、同類を失い自然外圧・飢えの圧力故、絶望の果てにいました。その絶望の果てに、全てを全面的に受け入れて一体化するという「一体欠乏」を生起させます。
その「一体欠乏」のすごいところは、対象が同類を超えて、“万物”に至ったところです。
縄文土器や洞窟壁画を見ると、螺旋や波動の表現も多くみられますが、これらは、銀河系、太陽系、万物を貫くエネルギーの波動を感じているのではないかと思われ、一体化の対象は仲間を超えていることがうかがえます。
「万物との一体化」これができるのは、人類だけです。
このようにして、人類は、未知世界(=万物)に自らの本能・共認(身体)を一体化させようとする中で、道具を進化させ、また、言葉を生み出したと考えられます。(参考:言葉の起源:ことばは、世界と身体をシンクロさせるために生まれた)
そうやって生み出した「言葉」ですが、人類にとっての「言葉」は単なる伝達手段ではありません。
【まだ実際にはない未来を描き、共認できる人類】
ありのままの現状認識を捉え、それに適応していくことは、他の動物もできます。
しかし人類は、言葉を使って、まだ見ぬ「こうありたい」という未来展望を描き、仲間と共認したのです。
「こうありたい」その想いがあるからこそ、仲間(万物)に学び、やりとりし、どんどん技術も進化させてきたのです。この「こうありたい」という展望を描ける力は、次元が他の動物よりも数段上です。
歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリ氏も、著書【人類の物語-人はこうして地球の支配者になった-】の中で、人類だけが持つ、スーパーパワーとは、以下のようなものだと言っています。
「人類だけが持つスーパーパワー、それは実際にはないことを考え出す力、あらゆる種類の空想上の物語を語る力だ。伝説、おとぎ話、神話を作り出せる動物、そしてそれを信じられる動物は私たちしかいない。(中略)ライオンが近づいていることに気づいたチンパンジーは、「気をつけろ!ライオンがやってくる!」と(チンパンジーの言葉で)叫ぶことはできるだろう。でも、チンパンジーは、自分が見たことも味わったこともさわったこともないもの―ユニコーンやゾンビ―を考え出すことはできない。」
「約5万年前、人間の脳に生じたこの認知能力の変化が、並み居る大型動物やネアンデルタール人など強力なライバルを圧倒する力となった。神話など、団結の核となる物語を作り、みなで信じることで、人間は旧人類には不可能だった巨大社会を形成し、複雑な事業の数々を成し遂げてきた。そして会社や貨幣など、物語の利用は現代でも本質的に変わっていないのだ。」
(参考:ユヴァル・ノア・ハラリ著 「人類の物語-人はこうして地球の支配者になった-」)
まだ実際にはない未来を描き想像し、仲間と共認できるのはすごい能力です。
【観念内容を変えることで、進化スピードを上げた】
そして、さらにすごいのは、その仲間と共認した内容も、外圧の変化に応じて組み替えることができるということです。
人類史の中では、複数集団が集まり30~150人が集結した時期に「祭祀場」が存在した形跡が残っています。そこでは集団の展望を語り・祈り・追求し、力を合わせたと考えられます。また、外圧が変化すると、そこで観念内容を変え、仲間と共認し力を合わせたのではないでしょうか。
こうして人類はDNA進化に代わり、観念内容を組み替えることで集団の進化スピードを格段に上げてきたのです。
【人類だけが持つスーパーパワー】
それは、 ①まだ見ぬものを想像し共認し、皆で力を合わせることができる
②外圧に対応して、その内容を変化できること
1人1人では弱くても、仲間の力を結集させることで、こんなにも強い力をもった人類。
この力をよく理解し、より多くの人が充足するような「こうありたい」という未来展望を、実現していきたいです。
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nihon-syakai.net/blog/2023/01/14188.html/trackback