2023年03月22日

活力のある働き方とは何か。〜働くことの根本から探る〜

「働き方改革」が注目される昨今、職場で働くことを議題に議論する機会がありました.働き方改革というと、「長時間労働を減らそう!」や「有給取得しよう!」等,労働時間を極力減らすことを目標とした政策。厚労省によると「多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにする」と掲げています。ただ、働きやすくなったとして、働いた先に何があるのか、プライベートがただ多くなれば良いことなのか、疑問が出てきます。

働くという活動は生涯の中で大半を占めるものです。働く=単なる生産活動と捉えていました。ただ、働くことで何を生産しているのでしょうか。

本記事では、そもそも私たちは何のために働いているのか?というところから見つめなおすことで,活力のある働き方、生き方とは何かを考えていきたいと思います.

 

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・働き方改革で何が変わった? 参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000063.000039106.html

働き方改革で働き方を良くすると言いますが、何が良くなったのでしょうか??

 

・残業時間が削減された。一方で、定時までにすべての業務を終わらせることに集中するあまり、業務プロセスや結果、報連相などが粗雑になってしまった(40代・男性・営業)

・勤務時間の管理などが徹底されるようになったが、サービス残業が当たり前だった時と業務内容が変わらないため、業務品質が低下した(30代・男性・その他)

 

政策からもわかるように、仕事の負荷や,働く時間そのものを減らすことで,働きやすい環境を作ろうとしていることがわかります。その反面、仕事が部分的になり、業務プロセス全体と切り離されてしまったり、品質が落ちてしまったり仕事の質が落ちていることが見えてきます。

そして全体が見えないからこそ、仕事が「上から与えられてやらされているもの」となり、苦役になっているのではないかと感じます。

 

心理学者のチクセントミハイ氏が「仕事は苦役という感じる理由は他者からのやらされ感と、仕事に対する3つの不満(変化と挑戦の欠如、職場での他者との摩擦、高すぎる負荷)による」

(https://project.nikkeibp.co.jp/ESG/atcl/column/00014/010500015/ 参照)

と述べています。私たちは生まれた時から働くことは苦役だという前提の元に、どうすれば仕事が楽になるのかを追求してます。お金のためなら苦役でもしょうがないというジレンマが仕事を苦役で忍耐するものと感じるから活力も湧かなくなるのではないでしょうか。

 

そしてこの仕事が部分的なものになると、働いた先にいる人たちが見えなくなり、誰かからの期待が見えなくなり仕事の範囲が自分の中に収束してしまうのではないでしょうか。

 

 

 

・何のために働くのか?

そもそも働くとは何か?「働く」の語源は「傍(はた)を楽(らく)にする」すなわち誰かのために何かをすること。家族を楽にするのも「働く」、山で獲物を取ってくるのも、地域のために何か活動するのもお金が発生するしないに関らず「働く」と言われていました。

 

働いて人の役に立ち、喜んでもらう。対価としてお金を貰う。この順番が逆になり、お金を稼ぐために労働してそのオマケとして人に喜んでもらうとなると「これはお金にならないから、時間の無駄だから」と働くことに境界線を置いてしまうと辛くなってしまい、上記の例のように長く仕事が続かない事例を多く聞きます。

 

最近活発になっている副業も、仕事の合間時間に稼げることがメリットに挙げられます。ただ、稼ぐ事に主眼がいってしまうと、モチベーションがなかなか上がらないという話を聞きます。副業の本質も、本業では活かしきれない自分の持っているスキルを誰かの役に立たせたいという気持ちがあるからこそ、自分が出来る独自の方法で誰かのためになって対価としてお金が生まれます。結局誰かの役に立ちたい、楽にしたいという欠乏が、本業と別の時間でもいいから働きたいという行動に繋がっていくのでしょう。

 

 

 

・大切なのは誰のために働きたいか

いざ実際、上記のことを理解しても中々仕事が苦役ではないという、固定観念からは抜け出せません。

自分は少しでも苦役ではない体感をしたいと思い、仕事に楽しみや喜びを感じながら働くにはどうすればいいのか?を職場で議論しました。塾講師をしている方が活力溢れた様子で「子どもたちの役に立ちたい」という気持ちが強く、自分が働くことで子供の役に立っている(=成績が上がる、元気である)ことを感じて、それがエネルギーになり、次の仕事に活かしていく。と話していました。

 

この話を聞いて一番の気づきがありました。お金や働く時間など自分の事に目を向けるのではなく、誰かの役に立ちたい、期待に応えたいという気持ちが重要であること。その気持ちが高まると、応えるには現状よりも1段2段上の課題をこなすことができる能力が必要になります。壁を乗り越え、必要な能力を取得すると、「もっと期待に応えたい」と、更なる能力欠乏が高まり、仕事に対して向上心や主体性を持って取り組めるようになります。

 

この根本にあるものは誰しもが持っているであろう,誰かの期待に応え役に立って楽にしたいという気持ち。これを封鎖せずに、働くと共に学びや闊達な追求の場を活性化させていくこと.そして、そこで得た能力や技能で「傍(はた)を楽(らく)にする」これが真の働くことではないでしょうか。

List    投稿者 tanigaki | 2023-03-22 | Posted in 12.現代意識潮流No Comments » 

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