2010年08月22日

庶民による社会統合気運の高まり その最先端の潮流を探る10 ~勉強会収束の潮流⇒勉強会のネットワーク化~

net%20salon.jpg
画像はこちらからお借りしました
 
このシリーズでは、「庶民による社会統合気運の高まり」の潮流探索として、地方自治体での新しい取り組み、路上で出会った人たちの意識、公務員(官僚)制度改革などを取り上げてきました。
 
最終回の今回は、8月のなんでや劇場で提起された「“特権階級の世界”と“大衆の世界”の断絶」という状況認識と「大衆発の社会共認を受け止める政治家=新政治勢力の台頭」という可能性を受けて、大衆発の社会共認を形成していく土台はどこにあるのかを探っていきます。

にほんブログ村 政治ブログへ


【参考】
’10年夏なんで屋劇場ノート8~「特権階級の世界」と「大衆の世界」~2つの世界の断絶と接点は? <るいネットより>
 
現時点で一つの可能性として注目すべきは、「勉強会収束」の潮流であると思います。
昨今の勉強ブームはリーマンショック後の2009年頃から、高まっているようです。
 
【参考】
勉強会ブーム到来~日経ビジネスアソシエより~ <るいネットより>
Vol.13 社外での勉強会で得られるものは?  <日本能率協会マネジメントセンター コラム・特集より>
Vol.14 社外で勉強する10のワケ!?   <日本能率協会マネジメントセンター コラム・特集より>
 
この勉強会ブームは、自己スキルアップという目的意識もありますが、大きくは社会状況の変化に対して、既存の集団の中には突破口が見えないと感じた人たちが、既存の集団を超えて可能性を求めていく一現象と言えます。
 
過去に何度かあった勉強会ブームも同じように社会状況の変化を受けて生起していたようです。

 勉強会の第一次ブームは昭和五一~五二年ごろ。そして一〇年を経た今日、第二次ブームを迎えて定着しつつあるという。
 インフォーマルな勉強会の連合組織ともいうべき「知恵の輪」は昭和六〇年二月に発足、今年までに三回目の合同パーティがおこなわれている。年を追って参加グループが増え、現在では約一八〇の勉強会が名を連ねている。ほとんどが東京周辺のグループである。全国的にはもっと裾野はひろいだろう。
 第一次は石油ショック後、日本経済が新しい機軸を模索しはじめたころである。そして現在の第二次ブームはといえば、円高、産業構造の転換、貿易摩擦などが背景としてある。いわば不安の時代の象徴というみかたもできる。
 だが……。なぜ勉強会というインフォーマルな組織に眼を向けるのだろうか。勉強というだけなら、各種団体のセミナーや研修会もある。
「日本の社会は固定社会だから、同じ企業の者同士の付き合いしかなかった。それが石油ショック後、このまま会社にいてどうなるのだろう、という不安感を抱きはじめて、ヨコのつながりをもとめた。そして、自分の会社以外の人に接触をもとめて、自分の分からない部分を勉強しようとしたのでしょう」
 勉強会の発端について、石丸精一さん(ベンチャーズ・グループ代表)は、このように語る。
 人間の体験には、貴重な情報が含まれている。人間との関わりのなかで異なる分野の勉強をしたいという底意があるようだ。
「日本はパーティ社会ではない。外人にくらべて交際下手です。誰かに紹介されるまでおたがいに詰もしない。勉強会は一グループ内で異業種交流が自然にできる格好の場であるということで増えつつあるのだろう」
 と語るのは「知恵の輪」の提唱者・下村澄さん(社団法人ニュービジネス協議会専務理事)だ。勉強会は共通の話題を肴にしてたがいに発言する交流会だというわけである。
会社人間、「勉強会」に走る! <福本 武久 ESSAY Part 3>より

一方、現在の社会は、「秩序崩壊の危機⇒新たな社会統合機構の構築が必要」というかつて一度もなかった状況にさらされています。
それゆえに一つの勉強会で、特定の分野だけを勉強することでは、本当に必要としている「これからの社会をどう創っていくのか?」という問いへの答えは見えてきません。

この間勉強会の看板を露店の外周部に設置して出店を重ねて来ましたが、人が多い場所では、少しずつ反応を示す人が出てきました。その半数は、自ら何らかの勉強会に参加したり、活動をしている人でした。
夫々自然農法、食の勉強会、医療問題、経済の勉強会に参加している人達でしたが、最初は自分達に関心のあるテーマの話をされるものの、先方の勉強会に参加して欲しいといった事でもなく、自分達が扱っているようなテーマについても議論がなされているかを知りたいといった様子でした。
足を止めるきっかけになっているのは、なんで屋では特定のテーマに限定せずに「勉強会」を打ち出している事、また、説明を聞く中で、ネットも含め広い範囲で沢山の人たちと分野を跨った追求をしている事に興味を持って、話をしてみようと思うようです。
立ち寄ってくれた人の言葉や、話しぶりから感じるのは、
・夫々の勉強会のネタ切れやマンネリ化。
・自分達がやっている勉強会や活動がなかなか広がらない。
・掲げているテーマの範囲の追求では可能性が見えない。
・少人数で取組んでいるが、自分達の追求内容は正しいのかどうか?
といった想いを持っている事です。
~既存の勉強会参加者の反応~【なんで屋ウィークリー08/09】 <るいネット>より

とは言っても、一人で複数の勉強会に参加するのは、物理的な限界があります。
 
そこで考えられる一つの可能性が、勉強会のネットワーク化です。
 
勉強会群をどのように統合していくか、評価共認をどのように形成していくかという課題を詰めていく必要がありますが、今は個々に開催されている多くの勉強会群が、連携して課題に取り組んだり、ある課題に対して複数の勉強会群が、方針を提示する共認闘争を行ったりするネットワークを構築していくのです。
 
この大衆が参加する各勉強会が協働していくことで、政治・経済・教育・環境etc.の社会的課題に対して、大衆が当事者として取り組んでいくことが可能になります。
 
つまり、大衆が、(現在の娯楽話、あるいは仕事に関するマジ話という位相から昇華して)社会的課題に対する共認形成へと向かっていくようになるのです。
 
この流れが拡大していけば、「“特権階級の世界”と“大衆の世界”の断絶」を乗り越えて、新しい社会統合組織の構築を実現していくことも可能であると思います。
 
 
最後まで読んでくれてありがとうございます。
応援よろしくお願いします。
 
「庶民による社会統合気運の高まり その最先端の潮流を探る」シリーズ
1 プロローグ
2 「議員報酬を日当制にした、福島県矢祭町」の事例に学ぶ!
3 「市職員給与公開-鹿児島県阿久根市 竹原市長」の事例に学ぶ!
4 庶民の社会に対する当事者意識の萌芽
5 名古屋市・地域委員会の可能性とは?
6 路上で感じる社会統合気運の高まりの先端事例
7 万人参加の社会統合組織
8 公務員制度の問題
9 公務員制度の改革

List    投稿者 lived104 | 2010-08-22 | Posted in 12.現代意識潮流3 Comments » 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nihon-syakai.net/blog/2010/08/1732.html/trackback


コメント3件

 通りがけ | 2011.04.23 8:35

「アホ国会は9時5時週休2日のアホお役所か?」
>>http://c3plamo.slyip.com/blog/archives/2011/04/post_2047.html
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
>警戒区域だから危険、そうでない地域は安全だと単純に言い切れないほどの放射能汚染が広がっているのに、政府はいまだその全体像をあきらかにしてません。
明らかにすることもなく、公権力を行使しました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
非常事態宣言も出していない非有事の平時態勢下で政府が国会決議も無く国民の自由な移動を政令で強制的に制限すること自体が憲法違反の特別公務員職権乱用および行使執行すれば暴行凌虐となる。最高裁はただちにこの政府通達を違憲立法審査し、国会は直ちに違憲通達行政内閣を粛々と弾劾解職せよ。
また福島第一原発から事故で炉外へ漏出した放射能に被曝した被災国民は直ちに東電と保安院に対して業務上過失致死傷罪で刑事告発し同時に民事でこれまでに受けた損害全額について慰謝料上乗せして損害賠償請求訴訟を起こせ。
憲法犯罪者法匪政府を憲法にのっとってすみやかに断罪せよ。

 通りがけ | 2011.04.23 13:05

対米隷属小泉内閣以来政府を乗っ取ってのさばる憲法犯罪者法匪霞ヶ関官僚政治を日本国憲法にのっとってすみやかに断罪せよ。
こいつらの後押しを受けた戦争の犬米軍は今日もリビアで日本国憲法が世界へ向けて放棄宣言した武力を用いて軍事侵攻を続けている。
小泉型対米隷属法匪官僚による米占領軍ファッショ政治を地位協定破棄国会決議で対米独立達成して日本国内から一掃せよ。

 もえおじ | 2011.04.23 20:49

> 『社会意識は高いのに投票率は低い』というこのねじれ現象は、『選挙制度を含めた政治体制の全面的な行き詰まり』を表している
おしゃる通りだと思います。 少なくとも、東京都知事選で石原が再選した理由の一つであることは、間違いありません。

Comment



Comment