【日本の活力を再生する】“就活”をつくりなおす企業1~人間関係に固執するZ世代たち~
こんにちは!
以前紹介した面白法人カヤックさんの全員人事部の記事を覚えていますでしょうか?
(【日本の活力を再生する】“働く”をつくりなおす企業4~まずは、なんでもやってみる~ – 日本を守るのに右も左もない (nihon-syakai.net))
この記事をきっかけに、“就活”について改めて考える機会があったので、今回ブログ記事として書いていきます。
【Z世代を取り巻く企業選びの傾向~多様性を許容してくれる企業選び~】
就職活動をする学生の意識について、まず就活における傾向から押さえていきます。
≪ビジョンやパーパスを意識し、一緒に働く社員との相性や社風やカルチャーを重視した企業選びをするなど、就職活動でも他者との良好な関係を重視する、Z世代の特徴的な価値観が表れた。≫(企業選びで学生が重視することhttps://www.itmedia.co.jp/business/articles/2112/24/news091.html)
わたし自身、新卒採用の課題を担うこともあり、いわゆるZ世代の学生さんと接する機会も多いですが、彼ら彼女らの価値感というものは以前の就活学生たちのそれとは変化しつつあると感じます。
・大企業ブランドへは惹かれない→バリバリ働く、稼いでやる意識ではない。(セールス/売り付けのような買う買わせる→ノルマといった仕事もしたくはない)
・一方、公務員≒安定思考というわけでもなくベンチャー企業/スタートアップへ新卒時から就職する学生も多い。
上記した就活傾向から見えるのは「生活感覚と仕事感覚が混ざり合い始めている」ことかと思います。公私をパッキリと区別するのではなく、生活(や遊び)の延長に仕事があり、仕事の先に生活がある。公私が相互に作用しあう“多様性”を受け入れるし、逆にそれを受け入れなさそうな企業へは惹かれにくい(大企業のように規則/ルールが多い企業)。
多様性を許容してくれる企業選び。
こういった傾向に至る背景には、どのような価値観/意識が眠っているのでしょうか。
【Z世代の価値感~良好な人間関係への固執~】
就活や企業選びへの価値感がどのようなものかを仮設立てるにあたり、Z世代の多くの学生に共通する“壁(=成長や変化を引き留めさせている思考の癖)”を固定していきます。
≪人から何かをもらうことに苦痛を感じるのは、生活保護に限った話ではありません。私の研究室の学生たちと話していて驚いたのですが、彼らは自分の好きな人に「好き」と言われたり、贈り物をもらうことが苦しいと言っていました。相手から何かをしてもらうと、それを「借り」だと感じ、「すぐに返さなければ」と思うのだそうです。≫
≪若い世代ほど…「自分はそのようなことをしてもらう価値がない」など自己肯定感の低さが目立ち、…「相手がくれたのと同じだけの好意を返せない」など人間関係を貸し借りで捉えている傾向が見えてきました。≫
(「利他」に潜む危うさ。『「利他」とは何か』著者、伊藤亜紗に聞くhttps://hbol.jp/241397/)
学生さんと面談をするなかでも、上記の思考の子たちはかなり多く居ると感じます。
・自己肯定感の低さ→自身をアピールすることも苦手だが、企業側の「採用したい!」というスカウトに対して「なぜ私なのか…?」と不安に陥る子も…。
・異様なまでに“良好な人間関係”に固執する→主張することは苦手なのに、ありのままの自分を認めて欲しい気持ちは常に持っている。
特に、いま就活を迎えている彼らは、コロナという危機を乗り越えてきた世代でもありますが、同時に、人との繋がりを一気に失った世代(失ったままでもある程度は生きていけると知った世代)でもあります。
そんな環境は、関係能力への自信が低い/何をするにも不安が付き纏う/そんな自分を受け入れてほしい、という学生の“壁”をつくりあげてきました。会社という環境において「人間関係の良好性(もしくはそれが見込める)」を重視するといった価値観は、このような“壁”がつかりあげた結果だと思います。
【企業は、良好な人間関係をつくるだけの場ではない】
当たり前ですが、仕事というのは、お客さんも含めて相手のためにすること。
仕事は1人ではできない。チームで連携してやっていく必要がある。だから、仕事はどこを切っても徹頭徹尾相手発。
果たして、良好なだけの人間関係で、しかも自分を認めて欲しい受け入れて欲しいという意識からきている人間関係で“仕事”が成り立つでしょうか?
自分のための人間関係から、相手(仲間やお客さん)のための人間関係へ転換していく。
いまの学生たちには、ここが求められる。そう思います。
今回は就活学生の価値感を固定しました。
次回は、企業、もっと言えば、経営層はこのような学生の価値感を受け、“就活(採用)”に対してどのようなことを考えているのか?を見ていきます。
by Hitomi
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