2022年07月19日

働くしあわせをつくりなおす企業(番外編)~Z世代の彼らへ。大学の募集戦略を探る~

存在意義を強く求めるZ世代が「働くしあわせ」を感じる取り組み、体制、評価制度、育成制度を実践している企業を紹介していく前に、“大学”ではどのような実践をしているのかを紹介していきたいと思います。

学生が初めての進路選択に向き合う、大学選び
Z世代の彼らが、企業よりも早く「進路選択」に向き合うのが大学選びの場面です。文系・理系にしか分かれていない全国の高校生たちに向けて発信=募集をしている点では、大学は企業よりも彼らの生態を掴み、ヒットする打出し→教育体制を見せていかなければいけない状況に立たされているのです。
【日本の活力を再生する】働くしあわせをつくりなおす企業~若手社員のやりがいとは~ – 日本を守るのに右も左もない (nihon-syakai.net)
いま、マーケティング業界で注目の的となっているジェネレーションZ、通称Z世代の若者たち。
こういった業界に限らず、彼らの生態=意識潮流を探り・掴むことは、“企業”にとっても大きな課題となっています。

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意外にも、ネットは信じないデジタルネイティブ世代
リクルートカレッジマネジメント233号より引用
大学選びの各プロセスにおける、詳細メディアの期待値
「大学について見聞きする」 1位:高校の先生、2位:進学情報サイト、3位:オープンキャンパス・学校見学会
「志望校について目にする」 1位:高校の先生、2位:進学情報サイト、3位:オープンキャンパス・学校見学会
「大学について情報取集する」 1位:進学情報サイト、4位:オープンキャンパス・学校見学会、5位:高校の先生
「進学したい大学に興味を持つ」 1位:高校の先生、3位:家族や親戚、4位:オープンキャンパス・学校見学会

デジタルネイティブと言われるZ世代ですが、高校の先生・家族や親戚といった近しい存在の人たちの生の声を重視し信頼していることが分かります。
ネット普及前の進路選択(や就活)では、周りの人の声・評価を重視せざるを得なかったというのは想像がつきますが、これほどまでにネット・スマホが普及し何時でも何処からでも情報が溢れてくる時代を生きる彼らでも、そういった声を信頼しているというのは、意外でした。

「情報との付き合い方が上手い」というよりも、あらゆるソースに対してメリハリを付けて捉えているといったほうが正しいでしょうか。すべてのソースをフラットに見たうえで、相対的に判断していると言えます(距離が近い人の声の方が信頼されやすい点はありますが…)。
※大学募集戦略、企業募集戦略において、Z世代はネットしか見ないという認識のままでいると的外れな打出しになりかねませんね。

肌感覚を信じるZ世代へ向けた、「戦略」のカタチとは?
情報を鵜呑みにせず、懐疑的に、相対的に、モノゴトを見ようとする賢い彼ら。上記したランキングにおいても、身近な声、オープンキャンパス・学校見学会といった「自分の目で見たもの、感じたもの」を信頼の対象としていることが分かります。だからこそ、「この大学へ入学したら楽しい、充実できる、輝ける」といった感覚を強く持てるような発信戦略が大学に(もっと言えば企業にも)求められています。

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武蔵野大学:在校生と教員が企画・運営する「高校生オンラインゼミ」 高校生に響く「ここにしかない学び」の体験https://souken.shingakunet.com/higher/2022/07/post-3279.html

≪複数のSNSや学部Webサイト、情報誌、新聞広告、出張授業、講演会等あらゆるチャネルを活用して学生や保護者との接点を増やし、必要とされる情報を都度判断して発信。「受験生獲得」ではなくEMCに興味や関心を持つ母集団の形成を目指し、学部の学びや教員の姿を伝えることに重きを置いた。≫
≪「自分の人生は自分で創る」というメッセージを…実践する教員や在校生が高校生と対話する。フラットな感覚を持つ高校生にとって心理的安全性が高く、ちょっと話を聞いてみようと思える場であること≫
≪学びの内容を磨くことに尽きる。満足度の高い大学生活を送る在校生の姿がキラーコンテンツ≫
※EMC=武蔵野大学アントレプレナーシップ学部
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私が所属する企業でも、インターンシップは徹底して“実務課題”に触れられることを意識したコンテンツとしています。

「自分の肌で感じたものを信じる」

内定学生たちは半数以上がインターンシップに参加した子たちという結果もでています。
コロナ禍から、オンラインは便利で多用しやすいという印象になりましたが、今の学生たちが求めているのは生身で感じ取れる価値あるものだということを、強く意識して戦略を組み立てていくことが必要でしょう。

List    投稿者 fuji-m | 2022-07-19 | Posted in 12.現代意識潮流No Comments » 

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