2010年02月03日

2010年、特権階級支配に亀裂が入り、空中分解が始まる

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東京地検が「週刊朝日」に抗議を始めたらしい。
’00年以降結託して暴走し続けてきた特権階級、検察(官僚)とマスコミが分裂し始めたのではないか。今回の検察の「週刊朝日」への抗議はその前兆ではないだろうか。
『J-CASTニュース』2010年2月3日「東京地検、週刊朝日に抗議 記事に『虚偽の点がある』」

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毎週のように検察批判の記事を大きく掲載している「週刊朝日」(朝日新聞出版)の記事をめぐり、東京地検が編集部側に抗議するという異例の事態に発展している。掲載された記事を執筆したジャーナリストの上杉隆さんが、ツイッターで「東京地検特捜部から編集部に出頭要請がきた」と書き、出頭方法を募集するなどしたため、ツイッター上では騒ぎが広がっている。
週刊朝日では、ここ1か月ほどで検察批判のトーンを強めており、その記事の多くを執筆しているのが上杉さんだ。記事の見出しを見ただけでも、
「検察の狂気 これは犯罪捜査ではなく権力闘争である」(1月29日号)
「子育て女性をも脅かす検察の卑劣」(2月5日号)
と、検察との対決姿勢を強めているように見える。
■「記事は、丁寧な取材を重ねたものであり、自信を持っております」
地検が異例の抗議を行ったのは、2月12日号掲載の「子ども『人質』に女性秘書『恫喝』10時間」という記事。衆院議員で小沢一郎民主党幹事長の元秘書、石川知裕容疑者(36)の秘書が、地検に約10時間にわたって事情聴取を受けたとされる様子を報じたもので、 「『ウソ』をついて呼び出し、10時間近くにわたり『監禁』した。そして虚偽の証言を強要し、『恫喝』し続けた」などと地検を批判した。
この記事に対して、地検は2010年2月3日、異例の抗議に踏み切った。週刊朝日編集部によると、地検側から抗議をしたい旨、電話でコンタクトがあったが、山口一臣編集長が出張中であることを伝えたところ、「記事内容の何点かについて虚偽の点があり遺憾。厳重に抗議する」といった趣旨のファクスが送られてきたという。
編集部では特に検察に出向く必要はないと判断している様子で、山口一臣編集長は「2月12日号『子ども「人質」に女性秘書「恫喝」10時間』の記事に対し、3日、谷川恒太次席名の『抗議書』を受け取りました。記事は、丁寧な取材を重ねたものであり、自信を持っております」とのコメントを発表した。

今の所、「週刊朝日」は検察の抗議に対して譲らない姿勢のようだ。
’00年以降、検察・官僚とマスコミは結託して暴走してきた。中立公正も何もない露骨な偏向・煽動報道によって小泉フィーバー、郵政選挙を演出し、更には検察とマスコミが一体となって、鈴木宗男、佐藤優、植草一秀、小沢秘書etcの政敵を失脚させてきた。
『るいネット』「潮流7:暴走する社会(特権階級の暴走と下層階級の暴走)」
官僚とマスコミの結託の事例は他にもある。
『るいネット』「『日本国の正体』より ①霞ヶ関の補完勢力になった新聞」から引用。

『日本国の正体』政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か(講談社刊 長谷川幸洋)を読んだ。
●霞ヶ関の補完勢力になった新聞
私が観察してきた官僚の生態はこうだ。官僚は新聞に大きく扱ってもらいたい情報があると「どの新聞に書いてもらうか」をまず考える。できれば発行部数が多くて、読者層もその情報に敏感な人が読んでいそうな新聞を選ぶ。もちろん記者も慎重に選別する。「○○新聞の××記者なら、こっちが言うとおり書いてくれますよ」などと課内で検討する。
この程度は課長でも係長でも、まったく普通の作業だ。むしろ、こういうときに知り合いの記者の一人や二人、名前を挙げられないようでは役立たずと言われかねない。「あいつは記者の人脈が広い」というのは「使える記者をたくさん知っている」ということであり、「できる官僚」の重要な要素になる。そのうえで、どう接触するか考える。そのものずばり、その記者を携帯電話で呼び出すケースの方が多い感じがする。なぜなら、かつて私自身が何度も呼び出された経験があるからだ。
(中略)
そんなやりとりが何度か続いて「こいつは信用できる。言ったとおりに書く」と分かると、以後、その記者が御用達になる。これが役所の特ダネの典型的パターンだ。官僚は初めから、しっかり計算して情報を流している。そんなオペレーションができないようであれば、官僚は務まらない。これが霞ヶ関の普通の感覚である。
記者は特ダネに飢えている。だから、官僚から与えられれば、飛びつかないわけにはいかない。自分が書かなくても、他社が書くと分かれば書かざるをえなくなる。官僚側に立って考えてみる。官僚は最終的に情報を書いてほしいと思っている。もしも記者がだれも食いついてこなかったら、どうするか。記者を集めて会見を開き、発表するしかない。
一方、官僚の側は記者たちが「囚人のジレンマ」に陥っている状態を知っている。だから、相手には黙って、実はともに情報を流している場合が少なくない。官僚にとっては、みんなに公開して記者発表するよりも、一人ずつに情報を流したほうが、相手はみな「自分だけの特ダネ」と思い込んでいるので、結果的に扱いが大きくなる。それを、ちゃんと心得ているのだ。一番特をするのは、実は官僚なのである。

『るいネット』「『日本国の正体』より ④記者はなぜ官僚のポチになるのか?」 から引用。

記者クラブの真の問題は、単に部外者や同僚に対する閉鎖性にとどまらない。官僚にとって、記者を飼い慣らすための重要な装置になっているのだ。クラブがあれば、官僚は情報を一斉にメディアに流すのに便利である。それ以上に重要なのは、特ダネの操作だ。ときどき一社だけに情報を流して、意図的に特ダネを与える形にすれば、記者はみんな互いに競争しているから「次はおれが外さないように」と官僚になびいていく。官僚がむやみに批判されるような事態にはなりにくい。
クラブの閉鎖性は仲間内の談合と同時に、官僚による意図的な情報操作もしやすくなるのである。特定のメンバーしかいないので、そのメンバー同士のの競争を陰からあおることによって、官僚への依存度、忠誠心を高めるといってもいい。これは、ボスの政治家が子分の政治家を「情報分配の操作」によって支配する構図に似ている。まさに「ご主人さま」と「ポチ」の関係である。

検察の「週刊朝日」に対する抗議は、これまで結託して暴走してきた検察(官僚)とマスコミの二大特権階級支配に、亀裂が入り始めたことの表れではないか。これまで、マスコミが国家権力を批判することはあっても、国家権力の側がそれに抗議をするという事態は、ほとんどなかったことである。
その原因は何か?
①まず第一に考えられるのは、戦後、日本の自民党・官僚・マスコミを支配してきたデビッド・ロックフェラー勢力の支配力が急低下していること。それは間違いないが、それだけではない。
②’09年衆院選における民主党の勝利は、官僚・マスコミ一体となった世論操作に大衆が騙されなかった(撥ね返した)ということであり、共認支配に対する大衆の共認闘争の勝利である。その後も、特権階級支配に対する大衆の反発は強まる一方である。「特権階級支配を撥ね返した大衆の共認闘争の勝利」
ところで、大衆意識の変化に対する対応(利害)が、検察(官僚)とマスコミとでは異なる。手厚く身分保障されている検察(官僚)は、大衆意識から離反してもすぐさまその地位を失うことにはならないが、マスコミの場合、もはや世論操作が効かない以上、大衆意識から離反すれば視聴率や購読数が低下し、経営危機に直結する。現に、検察批判によって「週刊朝日」は売れ行きを伸ばしている。購読部数低下に悩む他のマスコミの中から、これに追随する新聞・雑誌も出てくるだろう。大衆意識に乗っかった方が売れるのだから。
となると、今後、検察(官僚)とマスコミという二大特権階級同士の結託が崩壊し、分裂・対立を深めてゆくことになる。こうして2010年以降、特権階級支配は崩壊してゆくのではないだろうか。その直接の契機は検察(官僚)とマスコミの対立だが、それをもたらしたのは大衆の意識潮流の変化である。
そういう意味でも、「大衆的共認闘争の勝利」と呼ぶのがふさわしい。
いつも応援ありがとうございます。
(本郷猛)
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List    投稿者 hongou | 2010-02-03 | Posted in 12.現代意識潮流2 Comments » 

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コメント2件

 のだおじさん | 2010.09.18 21:56

ロスチャイルドとか、ロックフェラーとか言われても、日本人にはその影響力のすごさが実感できませんが、この記事にかかれた、国家に金を貸すことで影響力を高めていったロスチャイルド家の黎明期を見ると、実感がわいてきます。

 austria hermes handbags | 2014.02.02 0:52

hermes uk norwich 日本を守るのに右も左もない | 学生でもわかる『闇の支配勢力の抗争史』~第4話~ 近代、ロスチャイルドの台頭

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