2012年05月18日

共同体社会の実現に向けて-28(最終回) ~実現論序8.新理論の構築をどう進めてゆくか~

デフォルトが起きるまでに準備しておくべき課題は、共同体企業のネットワーク作りと、それを導く新理論の構築の、二つある。とりわけ、近代思想に代わる新理論の構築は、不可能に近い超難課題であるが、はたして経済破局までに間に合うのだろうか?










みなさん、こんにちは。
約9ヶ月の長きにわたって連載してきた「共同体社会の実現に向けて」シリーズも今回で最終回です。
これまで私たちは、シリーズ第1回(リンク)の問題提起『いま求められるのは、運動論の提示』に始まり、社会状況を事実に基づいて分析→構造化し、新しい社会の実現可能性やそのための道筋、運動論等を探索してきました。
今回は、運動を成功させるために必要な『理論』に焦点を当てつつ、先週開催された第135回なんでや劇場(リンク)で提示された新しい認識を重ね合わせて、万人が望む社会=『共同体社会』の実現見通しやその展望を、「実現論」(リンク)を紹介しながらお伝えします。

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 序8.新理論の構築をどう進めてゆくか

バブルが崩壊した’90年以降、見通し不良と先行き不安から、「この先、どうなる?」という方向へ意識が向かい、滅亡論や陰謀論が登場したが、’11年原発災害以降は、「どうなる?」という情報探索が加速し、予知・予言に対する関心が急上昇してきた。
しかし、予知や予言が一点に収束することはないので、結局は、「現状(=事実)は、どうなっている?」という状況認識に収束してゆく。
おそらく、この先行き不安発の情報探索は、1~2年後には「放射能はなくならない」「日本経済の没落も避けられない」etc、『もう元には戻れない』という状況判断に収束してゆくだろう。
この『もう元には戻れない』という判断は、状況認識の大きな転換であり、それは脱市場社会への価値観の転換を引き起こす。
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従って、おそらく数年後には、脱市場≒ゼロ成長の自然循環型社会への変革気運 が高まってゆくだろう。
社会はガタガタで、政府が機能を失いつつある現在の状況は、人々の統合期待に応えて諸子百家が次々と登場した春秋時代に近いとも言える。今回も、社会的な統合気運の高まりを受けて、脱市場社会に向けての理論追求が始まるはずである。
あるいは、あと10年あれば、新理論家が次々と登場してきたかもしれない。
しかし、経済破局までに残された時間は1~2年(運が良ければ3~4年)しかない。
いったんデフォルト→リセットに突入すれば、一気に現実が緊迫し、状況は日々刻々と動いてゆく。そうなれば、人々の意識は目先の「どうなる?」「どうする?」に収束し、理論追求どころではなくなってしまう。
しかし同時に、米・中・欧が次々と秩序崩壊してゆくのを見て、根本的な転換の必要が共認されてゆき、それを実現してくれそうな新勢力に対する期待が高まってゆく。

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経済破局から暴動へ

  はたして、その期待に応えられるか?
既にこれまでに、新理論がある程度構築されていれば良いが、現在までのところ、そのような新理論は『実現論』以外には見つかっていない。従って、残された時間の中で、可能な限り、実現論の改稿を進めるしかない。
しかし、私自身は、実現論を改稿するためのまとまった時間が、取れそうにない。私に出来るのは、せいぜい、実現論の序と章立て(全体構成)を考えることくらいだろう。
従って、これまでるいネットに蓄積された秀作群を、その章立てに応じて再編成し、実現論の塗り重ね板を作るしか、手はない。
この塗り重ね板があれば、デフォルト後の大混乱期でも、最低限の認識の組み替えは可能になる。 そして、それはそのまま、共認社会を統合する理論統合サイトの原型となる。

いかがですか?
新理論を少しでも早く構築する、その必要性はおわかりになりましたか?
★ここで少し踏みとどまって、新理論どころか、現実社会を変革しうる「運動」は何故立ち上がってこないのか?をあらためて考えてみましょう。
(この点は、このシリーズ記事の大きなテーマでもありましたね)
・・・先のなんでや劇場でその理由が明確化されたので紹介します。

運動を立ち上げるには、余力と拠点が要る。
更に、運動を成功させるには、理論が必要になるし、広宣活動も必要になるし、情報収集も必要になるが、理論を追求するにも、広宣活動を展開するにも、情報を収集するにも、膨大な余力(時間)が必要になる。そして、もちろん、それらの活動は、何れも専任した方が集中できて高度化してゆくので、専任化した方が有利になる。
しかし、日々、仕事に追われて暮らしている庶民には、そのような余力も場も与えられていない。まして経営に全力投入している経営者なら、なおさら運動を立ち上げるような余力(時間)は、どこにも無い。
大衆には余力も場も与えられていないということ、それこそが、大衆発の真の運動が立ち上がってこない直接的な最大の原因である。
『大衆には、運動を立ち上げる余力が無い→余力を与えられた悪徳エリートが支配する社会』(リンク)より

★つまり『余力と場』がないから。というのがその究極的な理由。確かに身の周りには余力がある人など、居ないですよね~
★一方、その『余力と場』があるのは誰か? 
それは金貸し(金融勢力)であり、その金貸しの手先=悪徳エリートに余力と場を与え、現実社会を支配しているのが実態なのです。
しかし、彼らの支配力も ′08年リーマンショック以降、翳りを見せています。そして、この記事で明らかにしてきたように「経済破局」が彼らの息の根を止める引き金を引く事でしょう!
その準備として、余力のない状況でも、るいネットの秀作群を再構成した実現論『塗り重ね版』が形になりはじめていますので、 是非ぜひご覧ください

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↑ ↑ ↑クリックすると「塗り重ね版」のページに移動します

続けます。

どうやら、人々が本格的に認識収束し始めるのはリセット以降となり、本格的な理論追求が始まるのは、新政権が樹立され共認社会に転換した後となりそうである。
デフォルト後の大混乱期には、人々の意識は「どうする?」に強く収束し、社会統合期待は最高潮に達する。
そして、新政権が樹立され、共認社会が建設されてゆく頃には、認識収束が高まり、本格的な理論追求の時代が始まるだろう。
その追求と発信の場として、理論統合サイトが形成されるはずである。
そこでの統合軸は、当然、『事実の共認』となる。
皆の手で構築され、無限に進化してゆく事実の体系は、やがて、人類を導く人類の『鑑』となってゆくだろう。  

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上記では、大衆が認識収束するのは経済破局→リセット後だろうと予測されていますが、この記事を読んでいただいている読者のみなさんには、早々に意識転換していただきたいと期待します。
『理論統合サイト』はより多くの人の手で紡ぐべき、みんなの課題だからです。そして、それを可能とする土台はすでに出来ており、時代の流れもそれを後押しするはずですから!
★現在は、実現期待の時代です。
貧困を脱した1970年以降、それまで力(序列原理)によって封鎖されてきた大衆の願いが、本能回帰の潮流と共認収束の大潮流によって、いよいよその本源的な期待を実現出来る基盤が出来てきました。
    〇本能回帰の潮流とは?
        ’70年代以降のヒッピーや環境運動を含む自然志向
       →’90年代の健康志向
       →’02年以降の節約志向(もったいない)
       →’11年、原発災害を契機とした「食抑」意識などの潮流
        『市場の縮小と根源回帰の大潮流』(リンク)より
    〇共認収束の大潮流とは?
        ’70年代の仲間収束
       →’80年代には(私権追求に代わる)やりがい志向を顕在化
       →’90年代半ばには自我発の性欲を衰弱→セックスレスが蔓延
       →’02年には遊び第一の価値観を終焉させ課題収束を顕現させた潮流
        共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流(リンク)より
★現在残る足枷せは
 『金貸し支配』という構造と、
 『余力と場がない』ために新しい運動にもその為の理論作りにも時間がさけない。という2点に集約されそうです。
★①に関しては、前述したように、金貸しの支配力は衰弱しつつあります。
金貸し連中はこの間、統制が効かなくなった特権階級の暴走を許し、これまで決して表に出てこなかったその背中を、遂に大衆に見せはじめ、今では官僚・マスコミ・学者連中はそれぞれ好き勝手に動いている様相を呈しています。
(ex.先の小沢起訴の件などは、金貸しの指示というより、官僚の勝手な判断と見たほうが良さそうです)
そのような状況にある現在、最大の実現期待は、金貸しの支配構造を凌駕することです。
具体的には、金貸しにトドメを刺すにはどうするか?どの段階か?を明確に目標として掲げ、実現すべき段階に入ったのです。
先のなんで屋劇場では、
 『経済破局は暴動を招くのか?』
 『金融破局のツケは全て国民に押し付けるだろう』といった考察から始まり
 『アメリカ軍の反金貸しクーデターは実現するのか?』
 従来の『デモや市民運動で変えられるのか?』
 『共同体企業ネットワークの戦略どうする?』
 あるいは『金貸しの支配下にあるマスコミを凌駕出来るのか?』
        ・・・などなど、多方面から議論されました。(継続課題)
この様な議論が行われた事は、いよいよ闘争対象(敵)を打倒する手順を組み立てる段階に突入したことを示しています。その意味でも既に、実現過程に入ったと云えます。
★②もう一方の「余力と場」がない中、類グループでは、先んじて理論構築を進めてきました。現業を行いながら、同時に社会勉強→理論構築の時間を確保しながら、共同体の組織づくりを進めてきました。
しかし、経済破局前夜という現在の状況は「余力と場がない」状態を克服し、新理論→運動推進に向けた組織化、体制増強等が必要な局面といえます。
このあたりは、闘争目標を明確にして、類グループ内・外の集団・人材を結集して具体化していくのが当面の課題です。

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★最後に、余力が生まれるであろう次の時代は一体どんな社会なのでしょうか? 
 具体的に未来の生活を想像してみて、実現イメージを高め共有していきましょう。

なお、将来は、全ての工業製品の耐用年数を2~3倍に上昇させる(例えば、耐用年数に応じて売り上げ税率に大きな差をつける)ことによって、物の生産・運送・販売およびそれに付帯する金融その他のサービスに要する労働時間は、1/2~1/3に圧縮される。もちろん、必要資源量もゴミの量も半分以下となる。
従って、食糧も含めて物的生産に必要な国民の労働時間は5時間程度に縮小する。
ここで、仮に農共と企業との交代担当制において、企業では従来どおり8時間働くとすれば、農村共同体での労働時間はわずか2時間となる。いったい、残りの時間は何をするのか?
これは、まったく新しいスタイルの生活が始まるということであり、大胆な頭の切り替えが必要になる。
実現論では、共認圧力に基づく評価競争の社会になると予測されているが、おそらく余力時間は、「集団をどうする?社会をどうする?」という統合課題をはじめとする、さまざまな未明課題を追求する時間となるだろう。言わば、大衆による、創造の時代の始まりである。
次の共認時代は、人類の頭脳進化の時代になると期待したい。

★今回記事を中心とした「まとめ図解」を作りましたので、内容理解に役立てて下さい。


↑ ↑ ↑クリックすると拡大されます

これにて、シリーズ記事『実現論・序 共同体社会実現に向けて』を終えますが、私たちの活動はまだまだ端緒についたばかりです。ここで提起された新しい運動を拡げ、ともに戦っていく仲間を募り、一丸となって前進していきたいと考えています。
心ある方、また内容に共感された方には、ぜひ仲間の輪に加わっていただきたいと期待しています。
あなたも『自分たちが生きる社会を、自分たちの手で』一緒になって創り上げてみませんか!!
☆ご愛読、ありがとうございました☆

List    投稿者 daian | 2012-05-18 | Posted in 07.新政治勢力の結集に向けて10 Comments » 

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コメント10件

 日本を守るのに右も左もない | 2013.07.12 16:04

「こいつらとだったら勝てるかもしれない。」期待応望を母胎とした闘争集団!!

前回までの第一の統合様式である共感統合によって弱オス達は互いを注視することで不安感や恐れの気持ちに共感することが出来、それが安心感を生み、本能不全を和らげ…

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