2022年12月21日

10歳違うだけで思考や考え方が合わない。その違いと大本にあるものに迫る。

世代間での文化や価値観の違いをジェネレーションギャップという言葉でよく一括りにしているが、違いはどういうものか、どうして違いが生まれるのか考えたことはあるだろうか。

新入社員(Z世代)の筆者は初めて幅広い年齢層と接する社会に入って、ジェネレーションギャップの言葉で終わらせることのできないほど価値観や思想の違いを感じている。

特に30代~40代の世代は上司としてよく接することが多い世代だが、アドバイスや体験談に共感することが出来ないことが多々ある。

 

先日Z世代の筆者が30代~40代の人と実際にお互いが思っていることを本音でディスカッションする機会を社内で設けてもらった。本記事ではディスカッションで見えてきた考え方の違いを改めて整理して、生まれ育った社会背景から追求することで思考の特徴や違いを紐解いていく。

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【1】20代と30代~40代の考えの違いは?

実際にやり取りしてみることで30~40代と仕事の姿勢や人間関係について以下のような違いが見えてきた。

 

ⅰ)新しい仕事を振られた時は?

Z世代:新しい仕事に取り組めることに対するワクワク感、期待してもらっていることに対する嬉しさ、そして未知の課題に対する不安感が入り交じる。

プレッシャー世代:嬉しい気持ちはあるが、不安感はあまりない。その分新しい仕事を任されたからにはやりきろうとする責任感が大きい。

 

ⅱ)仕事に対する準備の姿勢

Z世代:モヤモヤが解消される(=実際に準備の成果が発揮されるかどうかの不安)まで準備を続けるが、準備が終わるまで動けない。モヤモヤが解消されればドンドン動けるが、されるまではなかなか動けない。

プレッシャー世代:そもそも不安やモヤモヤがあまりない。準備は勿論するが丹念にはせずに、とりあえずやってみる!逆にハマるハマらないがなく調子の波の差が少ない。

 

ⅲ)人間関係・仲間関係の構築の違い

Z世代:SNSを使って趣味等によって広く交友関係を築きつつ、なんでも話せる親友のグループがありそれを軸に交友関係を築く。

プレッシャー世代:自分の趣味や思考に軸があって、それと相手に合う部分と合わない部分を擦り合わせて交友関係を築く。

 

実際に話してみると生まれた時代が10年違うだけで考え方が全然違うことが分かってくる。その中でネットで検索してみると30代後半~40代前半はプレッシャー世代と名づけられていることがわかった。

 

20代(Z世代) 30代~40代(プレッシャー世代)
新しい仕事に対して うれしい、不安、ワクワク

成果よりも過程

うれしい、ワクワク

任せられたからにはやりきる
過程も大切だがまず成果

仕事の準備姿勢 ビジョンが立つまでやる

調子の波が大きい

不安はない。とりあえずやってみる

調子の波が小さい

人間関係の構築 なんでも話せる親友が軸 合う部分合わない部分を擦り合わせる

【2】現在の親世代(30代後半~40代前半)の生まれた時代背景は?

Z世代,ゆとり世代,団塊世代等世代ごとに名前を付けられているが,いまの30代後半~40代前半の世代(1980~88年生まれ)は社会への関心を抱く頃にはすでにバブル崩壊が起きていて、成長過程で「失われた10年」を目のあたりにしている。

物心ついた時から経済が低迷していたため、将来が見えない中で出来ない人は次々と淘汰されていく実力主義の社会の中で、その世代は生まれ育ち、様々な場面状況に耐えてきて、比較的プレッシャーに強いということから『プレッシャー世代』と名付けられた。

 

Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%AC%E3%82%8B17%E6%AD%B3)には以下のような解説が書かれている。

バブル崩壊や阪神淡路大震災、就職活動時には高卒就職者を中心に氷河期を経験している受難の世代。お金の使い方に関しては、子供の頃から「きちんと貯金しなさい」と親に言われて育っているため、消費に消極的である。「生活にかかるお金と時間の量を節約しよう」という現実的な意識が強く、堅実に貯蓄をして「必要最低限の生活=ミニマムライフ」を好む。2017年の平均年収は455万円。社会人になるタイミングで終身雇用制度が崩壊し、非正規雇用も増加したことから、一定の生活水準を保つことに対するこだわりが強い。

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画像は(https://nikkan-spa.jp/1809253) (https://twitter.com/gourmetcatjp/status/1311316708053757954?lang=zh-Hant)より引用

 

【3】意識の差をどうやって埋めるのか?

就活時にバブルが崩壊した氷河期世代と違い幼少期から経済の低迷を実感し、実力主義の社会で育ち,将来に期待感を抱いていない.成果や結果に重きを置いて,損するのが嫌いでとにかく目の前の正解と思ったことに向かって行くき、実力主義の社会だからこそ、自分で能力を身につけていかなくてはいけないという意識が根幹にあると考えられる。

その上で、未来に期待を持てないために自ら動いて物事を解決しようとする。が、率先して動くわけではないからそつなくこなしてその場を切り抜ければ大丈夫という感覚があると考えられる。

今の10~20代は悩んでいることを誰かと共有し,解決しようとする過程に価値を見出しているが,それに対してプレッシャー世代は「悩んでいる時間が無駄」と割り切って仮でも答えを出して行動する。損する方に行きたくないがた

めに、悩み事に対しても「無駄なのでは?」と感じ踏み込まないと、今後の展望を持ちたいがために悩みに悩む世代。

 

Z世代に入る筆者が実際プレッシャー世代と話していて感じたのが、全然考え方が違うし、その違いを認識しないまま接していたらお互いに理解できないということ。

その世代は「あまり悩んでいなさそうに見える人が多い」と感じていたが、しかし上記の通り、悩むがその時間が無駄と感じすぐに仮答えを出して行動に移していることが現実。

逆にz世代が悩むときは誰かと一緒に悩んで答えを出していく過程に重きを置いている。

 

逆にプレッシャー世代から「なんでそう考えたの?」と質問された時に、「あっ、自分の考えは間違っているんだな」と詰問みたいに感じたが、その意図を聞いてみたらただただ純粋に疑問に思い深堀りしたいだけだった。

 

10年歳が違えば意識も変わってくる。

一番話をしていて驚いたのが、Z世代はお互いのことを理解しあってから仕事をしていく思考が強いが、プレッシャー世代は仕事をしていく中でお互いのことを理解していこうと考えていること。お互いに考え方に違いがあることを受入れた上で対話の仕方、機会を見直してみると、今まで見えてこなかった違いが見えてきて受入れて一緒に仕事をしていくことができるのかもしれない。

List    投稿者 tanigaki | 2022-12-21 | Posted in 12.現代意識潮流No Comments » 

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