【日本の活力を再生する】志でつながる事業ネットワークの構築
日々のニュースを見てお気づきのように、世界的なコストプッシュインフレが進んでいます。今回のインフレは我々一般の生活者や産業にまで影響を及ぼす食やエネルギー領域に及んでいるにも関わらず、国としての政策や動きのない現状は個人的には国家として危機的状況にあると感じています。
こうした、状況下において今一度当ブログの「日本を守る」という視座に立ったとき、我々生産者=企業の取り組みで日本を守ることができるのか?
特に、国民の生活と生産の基盤といってもいい、「食」「農漁業」「エネルギー」などの領域における生産や流通を海外頼りとしている現状をどうしていくのか?は、いち集団である企業の取り組みを超えて追求しなければならない大きなテーマです。
市場原理によってとことん破壊された日本の生活基盤を守る生産体や産業をどのように守り活性化するのか。
現代の具体事例の分析・追求から、実現基盤を探っていきたいと思います。
■集団再生の基盤は地に足のついた産業(生産)の再生から
- 離島振興創生協会(https://risokyo.or.jp/)
離創協は「『離島振興』と『地方創生』をめざし、日本を豊かな『食列島』にする」ことを目標に掲げ、2020年4月に設立された一般社団法人。(詳しい活動内容はHP)
離島の過疎化は本土よりも厳しい状況にあり、大小6852の島々で成り立つの島国ニッポンの現実を直視して、「食」という切り口から日本を守るという志で結成された熱い想いがこちらの記事から伝わってきます(<島国ニッポンの危機>(https://www.nippon.com/ja/japan-topics/g01201/)
中でも、“産業のない島は、こうしてどんどん若者が減っていく。(中略)そんな島々がどんどん衰退していく。“という、コメントにもあるように、重要なのは『産業のないところに集団は成立しない』という認識です。
「市場拡大絶対」という私権原理による企業間競争の結果、今や様々な環境破壊や資源問題、都心一極集中という大きな格差社会が生まれ地方の産業(生産基盤)は大きく衰退しました。言い換えれば「市場原理(私権)」では、国民生活(集団)は守れないという証左です。
こうした危機意識から、協会の取り組みは、150もの会員企業間の連携による『①バリューチェーンの構築/②生産基盤の整備/③生活基盤の整備』に取り組んでおり、まさしく「生産(産業)と生活を一体」とした集団再生事業から、「日本を守る」志を実践している事例と言えます。
■市場原理を超えた志でつながる事業ネットワークの構築
ここで大事なことは、これらの取り組みを真っ当な事業として成立させることにあります。
一方で、国民生活に不可欠となっている産業(食、農林漁業、エネルギー、子育て、介護など)は、いち企業やいち地域団体の取り組みで自給する術を見出すことは現実的に不可能です。
それら「個」の利益追求をよしとした市場原理から脱し、みんな発の共認原理に導かれた需要、すなわち「集団再生」欠乏に応える事業ネットワークの構築こそが、新たな社会を導く統合体の在り方ではないでしょうか。
実際、離創協の会員企業群を見ても、驚くことに市場の中では「競合」となる企業が多数参画していることがわかります。
従来の競争原理の社会の中では競合であっても、「日本を守る」「産業を守る」という生産集団を強くするという「大きな志」は、本能に近しいレベルでの需要に応える「事業」ネットワークになり、あらたな社会統合の可能性を見せてくれているように思います。
私権から共認へ。すなわち個から集団の再生へ。そして、集団で包摂できない課題はより広い地域自治の中で。さらに地域で包摂できない課題は事業でつながる超集団=事業NWで統合する。
こんな構造が、これからの時代の在り方として像を結ぶことができないか。
引き続き、具体的な社会の取り組みの事例などを分析しつつ、この仮説の実現基盤を探っていきたいと思います。
読者の皆さんも、「こんな事例は?」というものがあれば、是非ご紹介ください。
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