社会のためにお金を使う、それを実現するのが国家紙幣
11月2日の記事「円高と円安の裏で起こっているカラクリも日本収奪システムの一つ」に次のような下りがある。
こうして日本国民から絞り取った税金は、日本政府が購入する米国国債の費用となり、米国国債という紙切れと引き替えに米国に「みつぎ物」にされる。
確かに日本国民から徴税された税金はアメリカ国債の購入に使われているが、アメリカの個人所得税はアメリカ政府から連邦準備制度に対する利払いに充てられているのである。
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『報道されないアメリカ』によれば、
アメリカの個人所得税徴収制度は1913年からスタートしたが、それは同じ年のアメリカ連邦準備制度の設立と一体である。アメリカの個人所得税は、連邦準備制度へのアメリカ政府の利払い財源として創設されたのである。実際に1980年代にレーガン大統領が行った税金の使途調査で アメリカの個人所得税の全額が 連邦準備制度へ利払いに充てられたことが判明しているらしい。ちなみに、1913年よりも以前には、南北戦争中とその戦費返済期間中の数年を除いて、所得税は課税されていなかった。アメリカ政府は関税と取引税だけで運営されていたのである。
なぜ、こんなことになるのか?
一私企業に過ぎない連邦準備制度が紙幣発行権を独占し、発行した紙幣を国家に貸し付けるというスキームのせいである。だから、税制さえも国家統合のためではなく、一私企業の利益のために定められることになる。
アメリカ大統領選挙に共和党から立候補しているロン・ポールという下院議員がいる。この議員は、個人所得税と国税庁の廃止、さらには連邦準備制度の廃止と政府紙幣の発行を公約にしているらしい。ロン・ポール議員によると、個人所得税総額はアメリカ連邦政府の収入の1/3に相当する。つまりアメリカの国家予算の1/3は連邦準備制度への利払いに消えていることになる。
ロン・ポール議員が主張する政府紙幣の発行はアメリカでも実行されたことがある。政府紙幣を発行したのはリンカーンだ。
アメリカの南北戦争の原因は色々挙げられるでしょうが、内紛の耐えなかったドイツを統一し、現在のドイツの基礎を作ったとされる鉄血宰相ビスマルクの言葉を紹介します。
”同じような国力を持つ均等の2つの連合政府に合衆国を分割することは、南北戦争のずっと前にヨーロッパの金融界のトップによって決められていました。 もし合衆国が一つの地域で、一つの国家として存続したら 経済的にも金融的にも 独立性を勝ち取ってしまうので、それでは彼らの目指している世界中の金融の支配がめちゃくちゃにされてしまうということを これらの銀行家達は危惧していました。”
欧州の内情に通じていたビスマルクの言葉は重みがありますが、南部の人達をたきつけて合衆国から脱退させたのは ヨーロッパの銀行家達とみるのが筋が通りそうです。
リンカーンはこの時 戦争を維持するための資金を銀行に借りに行きますが アメリカを2分したい銀行家達は高利貸し並みの27%の利子を要求します。 そんな高利では国家が破綻するのは目に見えていますので リンカーンは借りずに引き下がります。
そして友達にどうしたら戦費を工面すればいいんだろう、と泣きをいれたところ その友達は、”リンカーン なぜ悩むの。そんなことは簡単だよ。 財務省が印刷する紙幣を 法的に有効な通貨と認める法案を議会で可決させればいいんだよ。 そしてその印刷した紙幣で兵隊達の給料を払って そのお金を使って軍需物資を調達すれば 今度の戦争だって勝つことができるよ。”
リンカーンは友達に 国民はそんな紙幣を信用するんだろうか?と聞きます。友達は”もし君が その通貨を法的に認めさえすれば 国民はこの事に関しては選択できない。 (通貨決定の権利は)憲法によって明確に議会に与えられているんだから 国民は政府の決定を全面的に承認し、(新通貨は)今まで流通していたいかなる通貨とも同じように価値があるのだよ。”
彼は1862年と63年の2年間で450ミリオンドルの新紙幣を発行します。他の紙幣と区別する為に 紙幣の裏側に緑のインクを使ったので グリーンバックと呼ばれています。彼はこの利息なしのお金を使って 南北戦争に勝利したのです。
その彼の戦争後の言葉を紹介します。
”政府は 政府の費用をまかない、一般国民の消費に必要なすべての通貨、銀行の預金を自分で発行し流通させるべきである。 通貨を作製し、発行する特典は政府のたった一つの特権であるばかりでなく 政府の最大の建設的な機会なのである。この原理を取り入れることによって、納税者は計り知れない程の金額の利子を節約できます。それでこそお金が主人でなくなり、人間らしい生活を送るための人間の召使になってくれるのです。”
『るいネット』「社会収束⇒認識形成にお金を使う」には次のような下りがある。
みんな社会のために一切お金を出していないかというとそうでもなく、税金という形でかなりのお金を使っているといえば使っている。でもそれは強制的に徴収されているだけでそれが社会の役に立っているという実感は0に近いのが現状です。市場にはいろんな商品やサービスがでてきていますが、どれもこれも私的な充足のためが中心。社会収束⇒認識形成にお金を使うという、社会統合の為のお金の使い方がまだそんなに開発されていないのではないかと思います。
鋭い視点だと思うが、市場社会の最高価値であるお金(紙幣)の発行権限を金融資本が握っている以上、国家も金融資本に支配され、税金さえも金融資本のために使われる。そうである以上、税金が社会の役に立っているという実感を国民が持てるわけがない。実際に税金は金融資本の懐に入っていくのだから。
「社会統合のためにお金を使う」、それを実現するためには、紙幣発行権を市場(金融資本)から剥奪し、国家が管理しなければならない。それではじめて国家、さらには国民の意思によって市場をコントロールできる。
「社会統合のためにお金を使う」、そのために不可欠なスキームが国家紙幣の発行なのである。
そして、それが実現可能であることはリンカーンの事例が証明しているではないか。
(本郷猛)
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コメント3件
こん | 2008.01.27 4:21
>陰謀説は、一種のプロパガンダと考えたほうがいいのでは?
同感。金貸しのロスチャイルド、ロックフェラー、ユダヤ金融資本など、存在することは事実であり、その存在することは、誰も疑いの余地がない。また、その存在構造も必然の論理があり、善悪の価値観念で判断すると事実を見誤る。
現実そのものを対象化しなければ、多分、そこで思考停止、それ以上のことは生み出されず、旧構造に取り込まれていくだけ。
閉塞状況に陥った社会に答えを出せるのは、上記のように人々が見識したときだと思う。
fake hermes | 2014.02.02 16:03
hermes uk failed delivery 日本を守るのに右も左もない | 「国際陰謀説」は、思考停止の免罪符になってはいないか?
陰謀説は、一種のプロパガンダと考えたほうがいいのでは?マスコミとが流す情報と同じ。
それぞれの勢力の手が入っているのだろう。だから、ロスチャイルドのことを悪く言う奴とロックフェラーのことを悪く言う奴に分かれる。事実を見ようとはしない。
それに騙される奴も多い。