2010年05月04日

4/29なんでや劇場レポート「観念力とは何か?」(3) 「興味関心発の理解」は近代のダマシ

●戦後の国語教育常識の誤り
戦前以前の「門前の小僧」は意味もわからず暗唱するだけだったが、現代人よりはるかに言語能力は高かった。現代人は文章の意味を理解しようとしてきたが、何も身についていない。また、個人主義に基づく戦後教育では本人の興味関心が第一に置かれてきたが、完全に失敗したことは明らか。これらの失敗事例から見えてくるものは何か?
自分の興味関心や理解しようとして読んでも何も身につかないのは何故か?
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興味関心発というのは尤もらしいがダマシではないのか?
興味関心の中心にあるのは本能的欲求(自我も含む)である。本能のままに生きていれば快楽(楽チン)主義に向かうのは必然であって、興味関心に基づく読み方は必ず堕落する。これは堕落の勧めであり、完全なダマシである。本人の興味関心第一(個性第一)の背景は個人主義であり、その背景は市場社会である。市場社会の支配者=金貸したちにとって、大衆は堕落してくれた方が都合がよいから、興味関心第一というダマシによって大衆を染脳してきたのである。そのことをしっかりと見抜く必要がある。
また、理解しようとして読む。この「理解」の中身も極めて疑わしい。 『実現論』のように歴史事実であれば読めば自ずとわかる。それ以上に理解する必要はない。ところが、デカルトの「我思う故に我あり」とはどういう意味なのか?作者は何を言いたいのか考えないと意味が掴めない。
これは、私権時代の書物は全て詭弁だからである。デカルトの「我思う・・・」に代表されるように、正常な神経では理解できない。正常な感覚から曲解しないと意味が通じないからこそ理解が必要になる。そのような文章を理解しようとすればするほど洗脳されていく。
デカルトの「我思う故に我あり」は、あらゆるものを疑っても疑っても、疑っている自分自身の存在は疑いようがないということが根拠になっているが、デカルトのように疑い続けている人間はいない。疑っている自分自身がおかしいということになれば、その立論は崩れる。
このように都合の悪い現象事実は捨象しているのが詭弁の構造である。これは哲学や思想に限ったことではない。それよりも詭弁が許される表現様式が小説や漫画である。自然科学も同様。無数の要素が相互に絡み合って成立しているのが現実の自然世界であるが、自然科学者たちは、関係する要素を限定し、その他の要素を捨象した人工的な実験を繰り返してきた。これは実験という架空空間での証明にすぎない。しかも、現在の科学は真理であるとして我々の前に登場する。
このように、私権時代の書物はその詭弁を理解するために無駄なエネルギーを費やし、結局、何も定着しないで終わり、何も使いこなせないという結果に終わる。
以上のことから、教育論として正しいのは、理解ではなく暗唱である。
認識転換すべき点は
【1】テキストに同化した反復千回。これが言語能力上昇の最も有効な方法論である。逆に乱読では大した言語能力は身につかない。
【2】理解することよりも記憶に定着させることの方がはるかに有効。暗唱できる所まで定着させてはじめて、その観念を使いこなすことができる

問題は、昔であれば論語という反復千回するに値するテキストがあったが、現在は存在しないことである。国語の教科書に載っている随筆・小説といった駄文を暗唱しても言語能力は身につかないし、読む方も興味がわかず、同化できない。また、論語は私権時代の産物であり、現在は共認時代の新しいテキストを必要としている。それはまだ存在しないが、現在それに近いのは『実現論』である。
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【結論】
言葉そのものは記号にすぎず、それ自体に意味はなく、無秩序で統合されていない。右脳の共認機能発でその意味や解釈を掴もうとするのが観念回路である。それを鍛えるには反復千回が必要。ストーリーとして暗唱できるところまで記憶に定着させてはじめて、使いこなせるようになる。

重要なのは、理解したかどうかよりも、使いこなせるかどうかである。
小学校~大学まで勉強したが、何の役にも立っていないことが端的に証明している。それは興味関心発(個人発)の理解だからであり、使いこなせる所まで反復していないからである。

さらに言えば、興味関心発の理解とは近代西洋文明のパラダイムである。今や近代西洋文明は終わりつつある。そして、それ以前の歴史をさかのぼれば、論語反復千回によってはるかに高い能力を形成してきたという事実が浮かび上がるのである。

List    投稿者 hoop200 | 2010-05-04 | Posted in 12.現代意識潮流3 Comments » 

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コメント3件

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