2010年02月09日

厚生労働省現役官僚の告発~専門能力もなく、保身のためにゴマカシを続ける官僚

現役の厚生労働省キャリア技官が、厚生労働省の無能・無策ぶりを追及している。
木村盛世オフィシャルWEB

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「新型インフルエンザ、水際封じ込めはナンセンス」厚生労働省検疫官 木村盛世氏インタビュー(川口恭)

きむら・もりよ●医師/厚生労働医系技官。筑波大学医学群卒業。米国ジョンズ・ホプキンス大学公衆衛生大学院疫学部修士課程修了(MPH=公衆衛生学修士号)。優れた研究者に贈られる、ジョンズ・ホプキンス大学デルタオメガスカラーシップを受賞する。内科医として勤務後、米国CDC(疾病予防管理センター)多施設研究プロジェクトコーディネーターを経て財団法人結核予防会に勤務。その後、厚生労働省大臣官房統計情報部を経て、厚労省検疫官。専門は感染症疫学。

――『厚生労働省崩壊』(講談社)というショッキングな題名の本を、現役厚生官僚・医系技官の実名で出版されましたね。なぜですか。
厚生労働省が危機的な状況だからです。広く議論していただくために、自分の専門的立場から提言したかったのであって、暴露本を書いたつもりはありません。実名でないと意味がないし、辞めてから言っても意味がないと思いました。何が危機的かといえば、今回の新型インフルエンザへの対応ひとつとっても実にお粗末です。インフルエンザの疑いだけでギャンギャンやっているけど、もっと危険な感染症やバイオテロに襲われたらどうするのかという思いもありますし、『JAPAIN』と書かれてしまう位に日本の国際的な存在感が低下しているのに日本人があまり危機意識を持っていないようにも見えました。

――お粗末ですか。
厚生労働省が言っているのは、検疫による水際での封じ込め、ワクチン、タミフルの3点セットですよね。でも、こんなの新型インフルエンザに対してはナンセンスです。
特に問題が大きいのは検疫です。症状だけでは、普通の風邪や既存のインフルエンザと見分けがつきませんし、10日間の潜伏期間もあります。それから、簡易キットによるスクリーニングが100%の精度であるはずありません。過去のインフルエンザの例を見ても、学校の閉鎖や空港の閉鎖なども成功した試しがないんです。日本に入っちゃうと思った方がいいし、入っちゃったら間違いなく広がります。幸いに今回のウイルスは弱毒性のようですから、やるべきことは既存のインフルエンザとそんなに変わらないですよ。
インフルエンザワクチンは効果がそもそも不明です。昔、日本で小さなスタディがあって、ワクチンを打った群と打たない群とを比較したら打った群の方が発症率は低かったというのですけれど、よくよく調べてみたら、そもそもワクチンを打たない群というのは、元々体調が悪かったとか体力がなかったとかで打てなかっただけだったんですね。要するにワクチンが有効という大きなエビデンスはありません。それよりは、感染される側の体力の方が大切です。
タミフルについては今回のウイルスに効くかどうか分かりませんし、既に日本は使いすぎて耐性を獲得したウイルスもある位なので、濫用せず本当に使う必要がある時に留めるべきでしょう。あまり頼りすぎない方がよい。

――なぜそんなものを前面に押し出しているんでしょう。
専門家がいないからでしょうね。WHOもフェーズ3から4に上げる時、封じ込めに努力せよなんて言ってません。それなのに封じ込めできると言っているのは、国民を欺く行為です。もし彼ら自身が本気で可能だと思っているのだとしたらあまりに宗教的だし、頭に何か新種のウイルス感染でも起こしているのでないかと心配になりますよ。
現実的な解釈はこうです。そもそも日本の病院は感染症に対応するようにできていません。今回の疑い患者が収容された横浜市民病院も360万都市なのに陰圧室が2床しかないですよね。アメリカの試算では、新型インフルエンザに対応する能力を病院に持たせようと思ったら1病院あたり1億円かかります。病院経営がどこでも悪化している中、それだけのお金が出てくるはずもありません。それから、重症患者にあたるには、一般内科医や皮膚科医、精神科医などでは無理で、呼吸器科の医師、挿管できる救急医、感染制御の知識を持った医師が必要ですけど、ただでさえ医師不足なのに、どこにそれだけのドクターがいますか。ナースの人手も全然足りません。ハコもヒトもカネもない、どうやったら対応できるんだという議論をしないといけないはずなんですけれど、その議論を避けたいから100%水際で止めるんだと言っているんでないかと感じます。
もう一つは法律の問題もあります。海外から国内へ入ってくるものを止める検疫法は厚労省の直接管轄ですけれど、国内で発生してしまった後の感染症法は主体が地方自治体になります。厚労省は「やれ」とだけ言えばいい。今回の疑い患者の例に関しても、厚労省は横浜市からきちんと連絡が来ないという言い方をしてますでしょう。いちど入ってきてしまったら、後は厚労省が責任を負わないで済むんです。だから検疫、ワクチン、タミフルという効果のないものでごまかしているんではないでしょうか。

――そう言われると、なるほどと思いますね。
今回はたまたま弱毒性のインフルエンザだったからいいですけれど、この体制の不備を突かれてバイオテロなんかやられたら日本は崩壊しますよ。私はずっとこの問題を言い続けています。
今は、厚労省の結核感染症対策課も不眠不休で対応に追われて疲弊していると思います。ただ、そもそもが机上の空論。現在の日本は、天然痘のように封じ込めできる疾患と、インフルエンザのように封じ込めできない疾患の区別すらついていません。それで、お金かけても仕方ないところにお金かけてます。発見率の極めて低いサーモの機械は1台300万円しますし、これを見るための検疫官を他の省庁からも借りてまで増やす、そんな無駄なことに税金を使っています。
それよりは、医療センターや国立病院の空いている敷地にプレハブを建てて、JICAの感染症専門の医師たちに専門外来をさせればいいのでないかと提案を上げました。公務員と準公務員を活用すれば、大して金額はかかりません。そういうきちんとした専門外来を設けて、国民の不安を解消する方が大事だと思います。

――先ほど専門家がいないという話でしたが、医系技官は専門家ではないのですか。
医系技官の使命は、国民の健康と安全な医療を守ることであり、そのためにはプロフェッショナルである医師の能力が必要。だから本来は専門家であるはずです。ただし、今の医系技官は、臨床も何もできない専門能力のない医師がたまたまやっている。だから彼ら自身、自分たちの知識のなさをカバーするので精一杯。世界を見渡せば、専門能力を持って活躍している日本人は大勢います。そういうトレーニングを積んだ人間を登用するシステムに直して、総入れ替えした方がいいと思います。今は、単に天下りを守るだけの集団に成り下がっています。
――600人という医系技官の数が多すぎることはありませんか。
数より質ではありますけれど、しかし担う重責を考ると、能力のある人さえ確保できるのならもっと多くてもよいと思います。技官の役割は、現場と交流して、その意見をきちんと施策の企画立案に還元することです。霞が関にいたって現場のことは絶対に分からないし、施策の企画立案を法令官僚だけするのは不可能です。現場の意見をきちんと吸い上げるような仕組みと人が必要なんです。でも今はトップダウンで、現場では無理と思っているようなことが、本省が言っているからで全部押し通されてしまっています。

――本を出して、何か本省から言ってきましたか?
本当にフランクに言ってくればいいんですが、何も正面切っては言ってきません。それをせずにイジメのようなことばかり。今回もアマゾンの書評に一般読者を装って悪口を書き込んでいる程度でしょう。彼らは一人ひとりは非常に臆病な羊。でも群れると狼になって意地悪をするんです。私は別に何も悪いことをしていないので、辞めろと言われる理由はないんだけれど、いつ辞めてもいい覚悟ではいますよ。一方で、もし責任ある仕事をしろと言われるならば、それも運命と思って懸命にやるつもりです。
(中略)だから、ダメなものはダメと言い続けて、飛ばされ飛ばされ続けています。
(このインタビューの内容は、抜粋のうえ、『ロハス・メディカル』誌7月号に掲載予定です)

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昨年の新型インフルエンザ騒動は異常なことだらけだった。
大阪府をはじめとして全校閉鎖が強行されたが、これば明治に始まった学校教育史上初めての異常な方針であり、市民生活や企業活動に多大な混乱をもたらしたのは記憶に新しい。
その前提にあったのが、昨年の新型インフルエンザは致死率60%の超危険なウィルスであるという想定だった。実態は通常のインフルエンザよりも弱い毒性しかなかったにもかかわらず、厚生省・マスコミは強毒性という誤った情報に振り回され、社会を混乱させたのだ。
そもそも厚生労働省の対策は矛盾だらけだった。本当に致死率60%のウィルスならば、検疫程度の対策では無意味であることは、ちょっと考えれば誰でもわかる話である。海外からの帰国者をウィルスの潜伏期間が終わるまで全員隔離しない限り侵入は防げるはずがないのである。
「水際作戦」だけでなく、インフルエンザワクチンも無意味で、タミフルに至っては徒にウィルスの耐性を強めるだけ。それを、厚生労働省は健常者にも飲ませ、感染者の周りの人たちにも予防的に飲ませようとした。これでは、タミフル耐性インフルエンザを積極的に作り出しているようなものだ。
これだけアホなことを厚生労働省がやるのはなぜか?
木村盛世氏によれば、自らの保身のため、あるいは本来考えるべき問題を避けるためのゴマカシ・ダマシだということだ。
官僚というのは専門知識が豊富な、その道のプロと世間からは思われている。「官僚は必要」という主張の根拠には、その専門知識・専門能力が挙げられることが多い。ところが、木村盛世氏の報告によれば、官僚にはその専門能力すらないらしい。
木村盛世氏の言葉を借りれば「専門能力も何もなく、単に天下りを守るためだけにゴマカシ対策を続ける集団」、それが官僚の実態なのではないだろうか。
いつも応援ありがとうございます。
(本郷猛)
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List    投稿者 hongou | 2010-02-09 | Posted in 12.現代意識潮流6 Comments » 

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コメント6件

 怒るでしかし~ | 2010.09.15 14:24

正直、板垣英憲には少し振り回された感がある。小沢の離脱はいますぐはありえないんじゃないのかな。とにかく日本におけるデビッドの牙城は固い。というか、デビッドという司令塔を失ってかえって暴走してるんじゃなかろうか?そういう仮説も考えてみた方がいいんじゃないか?

 たま | 2010.09.16 8:27

前回はお返事ありがとうございました。
小沢さんの離党とデヴィッド・ロックフェラーについて
以下のような情報がありました。
ぜひ一読してみて下さい。
http://www.nikaidou.com/archives/5568
「 小沢メモ:このメモはそのうち消えます 」
http://ameblo.jp/fukeiki01/day-20100913.html
「裏情報!あの▲▲▲が危ない!」

 member | 2010.09.16 12:37

怒るでしかし~様、コメントありがとうございます。
確かに板垣氏の情報には、眉唾なものがありますが、読売の論調の変化や自民党の森喜朗氏の動きなど、デビッド支配からの離脱現象も多々見られるのも事実です。
>デビッドという司令塔を失ってかえって暴走してるんじゃなかろうか?
確かに、こういう見方も有り得ますね。暴走すると同時に指令塔不在でバラバラになっているという感じもします。

 member | 2010.09.16 12:48

たま様、情報提供ありがとうございます。
http://ameblo.jp/fukeiki01/day-20100913.html
「裏情報!あの▲▲▲が危ない!」の中にありました。
シティ○○○○が早ければ年内、遅くとも11年度中に危ないというのは十分ありうる話です。
デヴィッド・ロックフェラーは、まだ欧州勢の軍門に下らずに、もがいているのかもしれませんね。でなければ、欧州勢は軍門に下ったシティも潰そうとしているということになりますから。

 名無し | 2012.07.24 1:16

小沢は総理なんて目指してないと思います。
総理よりもおいしい座、責任をとらなくて権限だけが転がり込んでくる座を追いかける哀れな男です。細川氏、鳩山氏は育ちがいいので祭り上げられただけです。
小沢主導の政局が続いた20年、そういう政治家が増殖しました。そして、日本は停滞しました。

 mbt barabara | 2014.02.22 10:37

massai shoes 日本を守るのに右も左もない | 小沢派が民主離党し、日本の政界がロスチャイルド派VSロックフェラー派に割れる?

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