2011年01月07日

世界が注目する日本人の可能性8 ~共認統合された集団の創造力~

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日本の伝統芸能である能や歌舞伎、茶会。伝統的な生産集団である宮大工や焼き物などは今日の日本の基盤を形成する共認統合体=共同体そのものである。
夫々の道具を夫々の職人が作り使って場を成り立っており、そこには序列が存在しなために全体の陣頭指揮をとるようなリーダーはおらず、夫々が共認の地平で主体的にモノを作り、共認によって統合された強固な集団である
   
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『凡才の集団は孤高の天才に勝る--「グループ・ジーニアス」が生み出すものすごいアイデア』
キース・ソーヤー著
金子 宣子(翻訳)
リンク
     
田中優子氏の書評
毎日新聞 2009年3月22日 東京朝刊
 より転載。
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◇日本の伝統とも共通する創造力の秘密
     
 ビジネス書の書棚には近づかない方なのだが、この本の題名を見て思わず手にとった。それは私が、江戸時代の都市部で展開していた「連(れん)」というものに関心を持ち続けてきたからである。連は少人数の創造グループだ。江戸時代では浮世絵も解剖学書も落語も、このような組織から生まれた。個人の名前に帰されている様々なものも、「連」「会」「社」「座」「組」「講」「寄合」の中で練られたのである。
     
中略
     
 江戸の連には強力なリーダーがいない。町長や村長など「長」のつく組織は明治以降のものであって、町や村もピラミッド型組織にはなっていなかった。それは短所だと言われてきた。戦争をするには、なるほど短所であろう。しかし新しいアイデアや革新を起こすには、社員全員で即興的に対応する組織の方が、はるかに大きな業績を上げている。本書はブラジルのセムコ社やアメリカのゴア社の事例を挙げ、現場のことは現場で即時対応することや、規模を小さくとどめるために分割することに注目している。それが伝統的な日本の創造過程とあまりにも似ていることに驚く。
     
中略
     
 江戸時代までの日本人は、集団的なのではなく連的であった。本書もピラミッド型集団とコラボレーションとの違いを明確に区別している。こういう本を読んで、日本のコラボレーションの伝統と力量に、今こそ注目すべきだ。
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(引用以上)
     
後略

     
共認統合された生産集団では、その共認すらも継承し次代に繋いでいく。そして、より洗練された高度化を図るべく専門分化し、更には長寿集団となる。
     

■日本の集団性の高さや技術力の高さ、そして工夫志向や自然の摂理に学ぶ姿勢を紹介している記事があったので、紹介します。
     
● ■■国際派日本人養成講座Japan On the Globe(558)
 国柄探訪: 老舗企業の技術革新
 情報技術やバイオテクノロジー分野で活躍する日本の元気な老舗企業。
 H20.07.27 リンク
          
~以下引用~ 
■1.「老舗企業大国」日本■
 我が国は、世界で群を抜く「老舗企業大国」である。創業百年を超える老舗企業が、個人商店や小企業を含めると、10万社以上あると推定されている。その中には飛鳥時代、西暦578年に設立された創業1400年の建築会社「金剛組」だとか、創業1300年になろうかという北陸の旅館、1200年以上の京都の和菓子屋など、千年以上の老舗企業も少なくない。
 ヨーロッパには200年以上の会社のみ入会を許される「エノキアン協会」があるが、最古のメンバーは1369年に設立されたイタリアの金細工メーカーである。しかし、これよりも古い会社や店が、我が国には百社近くもある。
 お隣の韓国には俗に「三代続く店はない」と言われており、せいぜい創業80年ほどの会社がいくつかあるに過ぎない。中国でも「世界最大の漢方薬メーカー」北京同仁堂が創業340年ほど、あとは中国茶、書道用具など百年以上の老舗が何軒かある程度である。
 さらに興味深いのは、百年以上の老舗企業10万社のうち、4万5千社ほどが製造業であり、その中には伝統的な工芸品分野ばかりでなく、携帯電話やコンピュータなどの情報技術分野や、バイオテクノロジーなど先端技術分野で活躍している企業も少なくないことだ。
     
中略
     
■3.金箔は人の心を読む■
 携帯電話の中で、折り曲げ可能なフレキシブル・プリント基板配線用の銅箔では、日本国内のライバル1社と合わせて世界シェアの9割を占めるのが、京都の「福田金属箔粉工業」である。
 設立は元禄13(1700)年、赤穂浪士の討ち入りの2年前に、京都・室町で金銀箔粉の商いを始めた時に遡る。創業300年以上となる老舗である。以来、錫箔、アルミ箔、銅粉、アルミ粉など、箔粉技術一筋にやってきた。
 金箔の技術は仏教とともに渡来した。寺院や仏像、仏具の装飾に、金箔が広く使われていた。当時の製法は金の粒を狸の毛皮に挟んで、槌(つち)で叩いて伸ばしていく。極細線と同様、髪の毛の1/8ほどの薄さに引き延ばす。比率で言えば、10円玉の大きさの金を畳2畳ほどに広げる勘定になる。伝統的な職人の間では、次のように言われている。
 金箔は人の心を読む。機嫌の悪いときには言うことを聞かない。時には嘲笑(あざわら)ったりする。金箔は生きているから。
 福田金属も、こういう職人気質を受け継いで、世界最高品質の銅箔を作り続けているのだろう。
     
後略

     
長寿集団(老舗)となることが出来るのも、他の集団との繋がりが、序列ではなく横の共認によって成り立っているからこそなのだ。そして、長寿集団となるからこそ、専門分化した領域で、洗練さを兼ねた高度化を図っていける。これは、共認統合された生産集団を形成させる事が出来る日本人の可能性である
     
<引用記事>
『凡才の集団は孤高の天才に勝る』~素人の創造力
老舗企業の技術革新・・・「老舗企業大国」日本(1/3)
<過去の記事>
世界が注目する日本人の可能性1~歴史に見る日本人の可能性1~
世界が注目する日本人の可能性2~歴史に見る東洋(日本)と西洋を分つもの
世界が注目する日本人の可能性3~西洋と東洋の民主性のちがい
世界が注目する日本人の可能性4~日本人の受け入れ体質の奥にある当事者意識
世界が注目する日本人の可能性5~縄文文明こそ日本文明
世界が注目する日本人の可能性6~他には無い特性を持つ日本人の観念体系・言語~
世界が注目する日本人の可能性7 ~漢字が同化能力を伸ばす~

List    投稿者 takesyo | 2011-01-07 | Posted in 07.新政治勢力の結集に向けて3 Comments » 

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コメント3件

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