2019年06月06日

組織の在り方から見る、西洋と東洋の違い

大航海時代に端を発する「資本家」と「労働者」による【株式会社】という形態は、明治期に日本に入ってきました。まさに西洋的な組織論です。
しかし日本人は、その形態を受け入れつつも日本古来の精神性に合致する形に作り替えてゆきます。戦後復興も高度経済成長も、その企業の形は「集団主義」「共同体的」なものでした。
しかしバブル期以降、「個人主義・成果主義」による企業が主体となります。これは教育や娯楽の場まで浸透し、日本の社会は表面的には大きく変質します。

しかしこの西洋的な組織や企業は、現在大きな行き詰まりと転換を求められています。
これまでの組織はどんなだったのか、これからの組織はどんなものなのか。
そこに日本人の精神性はどのように関係しているのか。

以下、組織や企業の在り方について、西洋と東洋の違いから分析している記事として。
「組織のカタチ」さんの記事を紹介します( リンク )。

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 【世界の捉え方:「単純・固定的・分解」と「複雑・流動的・連続体」】
西洋は、世界は固定的で単純な法則に分解できるもの、と捉えます。なので世界を理解するには、どんどん細かいカテゴリーに分解していって、そのものが持つ変わらない属性を理解するというアプローチを取ります。
世界は固定されているので、「名詞」によって世界を体系的に記述します。

 東洋は、世界は流動的であり、複合的な要因によっていろんな物事がおきる複雑なものと捉えます。常に変わりゆくものを区切ることはできないので、全ては一続きの連続体であり、物事はその文脈と関係性によって認識されます。

言葉としては「動詞」による体系となっていきます。

 【人の特性:「個人主義・競争・目的達成」と「集団主義・協調・有機体」】

 人や組織の捉え方や個性も、上に書いた世界の捉え方に則っています。

 西洋では、「固定的な属性」で世界を理解していたのと同じく、人も環境に左右されない「その人ならではの個性」を持っているという前提に立ちます。
そのため、個人が自分自身の意思や主体性を発揮し、人よりも秀でることを目指すことが奨励されます。どんな行動をとったのかも、あくまで「その個人」の中にある特性に原因を求めがちです。

組織も、その延長線上にあり、「目的達成のためのシステム」として捉えられる傾向が強いです。

 東洋では、「流動的で複雑な世界」の中に居る人も、関係性や状況の中に存在するものとして認識されます。個人ではなく集団の目標を重視し、そのための協調的な行動が奨励されます。
行動の原因も文脈の中にあると捉えられ、組織もそれ自体が有機体として存続することが重視されます。

 【「固定的」から「流動的」への変化】
こうやって整理して眺めると、いま多く見られている企業運営のコンセプトや考え方、そして当然それに基づいている仕組みや制度など、「西洋的」な特徴を色濃く反映しているのが良く分かります。

 最近、新しい組織運営のカタチが模索されていることは、「今の組織運営の抱える問題点を解決する」ということではなく、そもそも、「世界を“固定的”なものから“流動的”なものへと捉え直す」という大きな流れの中で起きている変化と捉える方が輪郭がはっきりしそうです。

List    投稿者 nihon | 2019-06-06 | Posted in 12.現代意識潮流No Comments » 

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