2010年10月19日

10/17なんでや劇場(3) 武力時代の東洋の共同体質⇒秩序収束⇒規範収束

続いて第3弾は、武力時代の東洋における共同体体質という特徴に焦点を当ててみます。
  
  (画像はコチラからお借りしました)
10/17なんでや劇場(3) 武力時代の東洋の共同体質⇒秩序収束⇒規範収束より引用します。

しかし、イスラムでは王はいないし、インドでは王がいるが形式上は神官の方が上である。(また、身分序列が確立しているからと言って、必ずしもキリスト教のような一神教になるわけではない。日本然り、インド然り。インドのバラモン教でも、シバ神などの部族連合時代の神々が生き残っている。)

イスラムとインドは何故こうなったのか? その共通項は?
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ここで東洋と西洋の違いに触れておく。
6000~5000年前、イラン高原において乾燥化を契機に、最初の掠奪闘争(戦争)が起こり、それが玉突き的に伝播して武力支配国家が出来上がったわけだが、その伝播ルートは二つある。一つはメソポタミア・エジプト・アラブへというルート、もう一つは中央アジア~モンゴル高原へというルート。イラン高原は急速に乾燥していったことにより、極めて深刻な食糧危機に陥り、そこでの掠奪闘争は皆殺しが常態となったが、モンゴル高原はイラン高原ほど乾燥が激しくない。従って、ここでは掠奪闘争というより覇権闘争の色彩が強く、皆殺しも発生したが、それより支配・服属という形が主流になる。従って、勝者はもちろん服属した氏族も、氏族集団としての共同体性を強く残すことになる。

インドを征服したアーリア人も「我々は神である」と言ってインド先住民を支配したわけで、大して殺戮していない。だからインド人にも共同体体質が残っている。

また、イスラムはアラビア砂漠に逃げ込んだ遊牧部族(アラビア人)である。アラビア半島の大部分は砂漠という極限環境であったがために掠奪闘争にさらされず、遊牧部族の共同体集団が残存した。結果、アラビア半島の遊牧集団たちは、武力支配国家という段階を経ずに、いきなり市場の拡大圧力にさらされることになった=市場経済が中心的な食い扶持となった。

    
  画像は、コチラコチラコチラからお借りしました。

市場圧力は共同体を破壊する。つまり市場原理VS共認原理は決定的に対立する。そこで共同体原理に立脚して宗教集団の強力な規範で以って、市場原理の弊害を封鎖したのが、マホメットが創始したイスラム教である。だから、イスラム教では利息の禁止や喜捨が規定されている他、日常の生活規範までがコーランによって細かく定められているのである。
つまり、インドとイスラムの共通項は、共同体性の残存度が高いということ。イスラムは国家全体が宗教集団化し、インドは未だにバラモン教時代のカースト制度が残存している。
これは、観念収束ではなく、共同体に立脚した規範収束の結果である。

  
  (画像はコチラからお借りしました)

共同体性を最も色濃く残しているのは日本。実は日本人にとっては身分序列は居心地が良い。実際、縄文人たちも朝鮮からやってきた支配部族に対して抵抗せずに受け容れている。それは共同体体質故に、秩序収束⇒規範収束(身分序列や生活規範)が強いからである。日本人と同様にインド人もイスラム人も、規範秩序に守られているという感覚であって、だからこそ居心地が良いのである。(西洋人はそのことを批判するが、それは彼らが共同体性を失った自我民族だからに他ならない。)
日本人・中国人・インド人・イスラム人の精神構造は、共同体質故の秩序収束⇒規範収束である。(イスラム教は唯一神を掲げてはいるが、その実態は生活の隅々にまで及ぶ規範体系である。これは儒教もそうであるが、宗教と呼ぶべきなのか、大いに疑問である)
日本人は戦前まで村落共同体が残存しており、そこでの本源共認と規範としての身分序列によって統合されてきた。そこでは観念性はほとんど見られない。先に検討した、現実共認と宗教共認の分裂は実は、西洋固有の特徴なのではないか。実際、日本人・中国人・インド人・イスラム人の精神構造は、共同体基盤に立脚した規範統合と言うべきであって、全く分裂していない。

  
  (画像はコチラからお借りしました)

東洋では、庶民にとって必要なのは現実の秩序共認であって、支配者として王や天皇は存在しているが、それは庶民にとってはどうでもいい存在なのではないか。単に、収束した秩序の上の方に天皇がいる。その方が精神安定的で居心地が良いので奉っているだけなのではないだろうか。イスラムやインドの神官も同様で、庶民が収束した秩序の上の方に神官がいた方が安定的なので共認されているのではないか。
言い換えれば、日本人やインド人が、国家や天皇や官僚に期待しているのは、秩序さえ安定していればそれで良いということなのではないだろうか。社会期待として捉え返せば、日本人・東洋人・イスラム人は共同体体質を色濃く残存⇒安定期待⇒秩序収束⇒規範共認に収束して安定を求めるという構造である。
それに対して、救い期待に応えて一神教が登場したのは西洋特有の構造である。また、仏教も救い欠乏を土台にしており、それがインドにおいて仏教が根付かなかった理由である。

List    投稿者 hiroaki | 2010-10-19 | Posted in 12.現代意識潮流5 Comments » 

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コメント5件

 通りがけ | 2011.06.19 4:06

いかりや爆氏の毒独日記ブログさまへのコメント
>>http://blog.goo.ne.jp/ikariyax/e/eefa997f448cfd1ab587659ab7960aea?fm=rss
1.IMFが口を出すのも地位協定を通じてである。 (通りがけ)
2011-06-19 00:54:57
日本が地位協定という奴隷契約を温存する限りアメリカの軍事力を後ろ盾にした国際機関が日本に対して露骨な内政干渉を仕掛けることを躊躇うことは決してない。
2.以前ここ(毒独日記)で指摘されたとおりのアメリカの本質 (通りがけ)
2011-06-19 02:55:30
明治維新は中国大陸侵略をもくろむ米国がフィリピン経由で送り込んだペリーの黒船が、欧州勢に後れを取った中国侵略の橋頭堡として日本列島を侵略する意図の下に浦賀に現れ不平等条約を強要したことから、国士たちが日本の独立を守ろうとして起こったのである。アメリカの軍事覇権主義は江戸末期から一貫して現代まで続いている。
江戸末期には吉田松陰高杉晋作師弟と勝海舟坂本竜馬師弟の献身でアメリカ含む諸外国からの侵略は防がれた。
が、勝海舟がこきおろした明治政府の維新政治は第二次世界大戦でアメリカに敗れて破綻した。
アメリカは中国大陸侵略は果たせなかったが、その喉元に位置する日本列島に軍隊を永続的に駐留させる基地を手に入れたのである。
以来ずっとアメリカは清帝国以来の標的である中国侵略の機会を窺い続けている。
地球上に国がある限り国際間には常に紛争が生じる。政治の本質は国際紛争の解決である。
そこには戦争か平和かの二者択一しかない。
アメリカは建国以来常に戦争で解決する国である。
わが日本はペリー来襲までは中国大陸朝鮮半島樺太と良好な平和通商を保っていた。和を以って貴しとなす、を国際間で実践していたといえよう。しかし幕末に欧州諸国に清帝国が侵略され植民地化されるに至って、元寇以来の防備の必要性が国士たちによって認識され、幕府がアメリカと結んだ不平等条約を非とする倒幕運動が起こったのである。このとき幕府はアメリカにはたった四杯の黒船に腰砕けて奴隷条約を結んだくせに、国士たちには安政の大獄という弾圧で臨んだために内戦となった。以下省略。
さて第二次大戦太平洋戦争で軍事覇権国アメリカに敗れた日本は、国際紛争を解決するために軍事力を使用することを放棄する憲法を定めた。日本においては聖徳太子(実は大王もしくは天皇)が定めた十七条「和を以って貴しとなす。万機公論に決すべし。」の平和憲法以来である。国際紛争を解決する二者択一(戦争か平和か)のうち平和を政治の根本に据えることを選択した。
戦争だけが政治であるアメリカにとっては、せっかく中国軍事侵略の前線基地として占領したのに、平和憲法を宣言されては植民地日本から兵士を調達できないことになってしまった。
そこで日米安保条約なるものをひねり出し「地位協定」という不平等奴隷契約条項を滑り込ませて自衛隊を組織させ、日本列島をみずからの軍事侵略外交の兵站補給基地としたのである。
そして戦後ただちに日本政界や教育界、産業界、特に官僚界へ米本土で教育した日本人スパイを送り込みはじめた。66年目の現在、特に小泉竹中自公「劇場詐欺」政権成立以後スパイ化が白昼堂々と行われるようになり、霞ヶ関はいまや全員がこのアメリカ軍事覇権政府のスパイである。
アメリカが一番恐れているのが日本国国会による地位協定破棄決議であることがこの歴史から明らかである。
戦後ただひとり田中角栄が地位協定破棄できる実力と意思を示した、アメリカにとって最強の敵性日本人であった。ゆえにスパイを使ってなりふりかまわぬ失脚陰謀を仕掛けたのである。終戦直後と違って佐藤内閣が非核三原則を世界に打ち出したため、佐藤内閣の後継者首相を暗殺すればアメリカの仕業であることが隠し切れないと見たためであろう。以下略。
こんなていたらくな日本にしたのは、「地位協定」である。
国会はただちに地位協定を破棄せよ。安保条約は破棄しないでいいから。
(昔盛んだった安保粉砕は時代遅れだしあまりにも政治を知らな過ぎた愚かな偽革命テロ暴発であった)

 通りがけ | 2011.06.19 21:30

「アメリカは地位協定を破棄させないために各部署に配置したスパイをすべて使って日本に政局を演出している」
菅総理はひとり官邸にこもってオバマの直接指示を受けている。驚異の粘り腰?とんでもない。仮免許すなわち無免許の空き缶にそんな知恵などあるわけがない。すべて日本人を虫けら同然に見下しているアメリカ軍産複合体政府の入れ知恵指示通り忠実に、ただしへたくそきわまりない猿芝居を続けているだけである。辞任時期の無期延期も8月6日脱原発解散も、すべてアメリカの入れ知恵である。
地位協定破棄国会決議絶対阻止を至上命題とするミッションのもと、アメリカの指令は霞ヶ関スパイ組織にも下されている。また小泉竹中自公一派にも、マスゴミおよび白痴化洗脳テレビ界にもそれぞれ指令が下されている。
ただし、各スパイの間でも既得権益利権獲得競争があるのでそれを利用してアメリカは離間の計をも併用している。もっともアメリカも混乱しておりいろんなスパイがいろんな失敗をしたりそれを互いにやいやい言ってくるのをコントロールし切れていないのも確かであるが。
しかし結果的に政局だけに報道の焦点を集めることで地位協定の存在の意味を日本人に忘れさせる効果が一時的にせよ得られればアメリカとしては結果オーライなのである。そうこうして時間が過ぎて気づいたときには日本全体が回復不能にまで核汚染されて世界から国ごと棄民されてしまえば、アメリカのとった措置に対して非難するヒバクシャの数がぐっと少なくできるから、戦争の狂犬は日本以外の次の獲物にかみつけばよいのである。

 通りがけ | 2011.06.20 8:11

空き缶無免許内閣が犯す国民の財産権と投票権をアメポチ官憲暴力で奪う強盗犯行は宮崎県口蹄疫危機から始まっており、すべて時効はまだである。すぐに逮捕せよ。
次に今回の政府の震災対応強盗殺人犯罪被害の数々を示す。
「震災後の情勢の大転換 戦後支配の権威が崩壊:長周新聞: (6月15日)」
>>http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/sinsaigonojouseinodaitenkan.html
(見出し抜粋)
・活発に発言始める知識人 若い世代も変化
・力発揮する共同体 東北の漁村も 復興阻む競争原理
・津波対応ない米国技術 福島では住民追出し
・大災害で市場略奪 米国のショックドクトリン手法 元祖は原発
・軍事再編の動きも拍車 国を潰す日米同盟
・生産担う人民に力 戦争と同格の極限状況 全国的大結集を
これらはすべて空き缶と小泉竹中自公劇場型詐欺師政権霞ヶ関法匪スパイ官僚組織記者クラブが地位協定最上位アメリカの指示(内政干渉)のもとGHQ検察と共謀して共同正犯で行った強盗殺人犯行の結果被害を示している。
国会も政策を強盗内閣に丸投げして犯行を続けさせており明らかに共同正犯である。
直ちに地位協定を破棄して対米独立し、日本国憲法に従って治外法権のないまま憲法犯罪強盗殺人犯罪を重ねてきたアメポチ小泉竹中売国詐欺師集団とその手下の無免許菅内閣、霞ヶ関最高裁最高検を全員投獄解体すべし。

 通りがけ | 2011.06.20 14:50

「トモダチ」に地位の上下の差はなく両者が対等であってこそ「トモダチ」である。
上下の差別を規定する地位協定は「トモダチ」二者の間にあってはならないものである。
安保条約は「トモダチ」の証としてそのままでよいから「トモダチ」を「トモダチ」でない主従関係に変質させ友情を踏みにじる「地位協定」を直ちに破棄しよう。
しかしふつうは親しき仲にも礼儀あり、「トモダチ」ならアメリカのほうから破棄を申し出してくるのが礼儀の当然だと思うがね。

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