2022年04月14日

【日本の活力を再生する】人の幸福感とはなにか。自ら行動を起こすことこそ、活力の源泉となる。

昨今、「ウェルビーイング」、「従業員満足度(ES)」といった、社員の活力を生むことを多くの企業が前向きに、かつ最大の課題として取り組むようになってきています。

また、ワークライフバランスといった二項対立的な考え方は、今や前時代のものとなり、仕事を苦行のものとし、家族や趣味にのみ楽しみはあるような生き方を、若い世代は望まなくなってきているように感じています。

ワークライフインテグレーション(統合)、ワークライフミックス(混合)といった仕事と生活の一体化こそ、人類が歩んできた生産と生活のあり方です。

また、私が懸念しているのは、コロナ禍を経て、定着してきている”テレワーク”。

テレワークによって、家とオフィスの垣根が見る見る瓦解しています。それ自体は家族との時間や働き方の融通性など、メリットも多くあるように思います。
ただ、それによって、出社したがる、鬱病など、家にだけいる仕事で、社員の活力が落ちているという事実には目を背けてはいけないと考えてのことです。

これには、社員間のコミュニケーションが減っていること、仕事でのアクションが起こしづらいなど、理由は様々かもしれません。

この課題に向き合うときに、人の活力や幸福度とは、どんなことに規定されるのか、それを認識する必要があると思います。給料や待遇といった社会的評価や金銭的生活水準なのか、はたまた家庭環境の充実か、オフィスの社員同士の関係なのか。もしくは、個人の価値観であり、普遍的な認識は無いのではないか。
それに視座を与えてくれるのが、日立製作所未来投資本部 ハピネスプロジェクトリーダー 矢野氏の取り組みです。
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幸せは“実験と責任”から。日立製作所でハピネスを研究する博士の小さなムーブメント
アメリカでも日本でも、「ハピネス」にまつわる多くの実験をされたと思うのですが、私たちはどうすればハピネスな状態になれるのでしょうか?

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矢野氏:幸せには大きく分けて3つの要因があります。ひとつは遺伝的な要因や幼児体験などの影響で、大人になってからはなかなか変えられない、「固い」部分です。
もうひとつは環境的要因にあって、これは置かれた環境から与えられるもので、ボーナスが上がったり、宝くじがあたったり、SNSで「いいね」が沢山ついたりしたときに感じる幸せです。その瞬間は嬉しいのですが、あっという間に元のハピネスレベルに戻ってしまいます。こちらは「柔らかい」、持続的ではない幸福です。実は環境から与えられる幸せは非常に脆いものなんです。
遺伝的要因は変化がしづらく、環境要因は変化はするけれど幸せが続かないのですね。

矢野氏:そこで3つめの幸せが登場します。これが「持続的な幸せ」です。我々は、日々のちょっとした習慣や行動によって幸せになることができるんです。
それでは持続的な幸せを手に入れるにはどうすればいいのか? その答えのひとつが「周りの人を幸せにする行動習慣を身につけること」なんです。たとえば「落とし物を拾ってあげる」「ユーモアで相手を和ませる」など、ちょっとした心がけで行える「利他的な行動」が「自身の幸せ」を得る最も有効な手段であることがわかってきました。
また、とある実験で2万8千人を対象に「今、どんな気分ですか?」というシンプルな質問を行った結果が報告されています。その中で、「今の気分はいまいちです」と答えた人は、その数時間後にどのような行動をとったかと思いますか?散歩や気晴らしに時間を使っていました。一方で、「今の私はハッピーです」と答えた人は、「大変で、面倒くさくても、大事なこと、やるべきこと」に時間を使っていたのです。つまり、幸福度が高い人は自分を変革するような、チャレンジングな行動をとるようになるのです。
幸せが挑戦の源になっていると。

矢野氏:そうです。人が積極的に挑戦するには、「精神的な原資」が必要であり、その源になるのがハピネスなのです。組織運営において非常に重要な指標になると考えられます。
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矢野氏が紹介している、実験データを改めて参考にさせてもらうと、幸福感を築く要素は以下のような項目と割合であるといいます。
1つ目は、約50%の影響で遺伝的あるいは子育て環境に要因がある。これ母親からもらう肯定感が影響していると考えられる。
2つ目は、約10%の影響で人間関係やお金、健康などが要因となり、主に環境的な要因になる。環境要因は即効性があるが、長続きはしない。
遺伝・子育ては、個人の努力ではどうしようもないし、環境要因も持続性に欠ける。
実は、残りの40%の要因は「自分から積極的に行動を起こしたかどうか」が影響を与えるという。
つまり、「自ら意図をもって行動を起こすこと自体」が人の幸せになるのである。これは成功したかどうかは二の次という。
これまで、当ブログ内でも、働くということを見つめ直してきましたが、
私は、自ら考え、自ら行動を起こせる、その社内風土こそ、会社の、そして社員の活力の源泉となり、集団の成長に繋がると考えています。
List    投稿者 kikuti | 2022-04-14 | Posted in 12.現代意識潮流No Comments » 

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