2009年09月11日

共同体社会の実現政策

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『ヤスの備忘録 歴史と予言のあいだ』9月7日の記事「日本に関して3」は、非常に興味深い予測(予言)である。しかし、重要なのは、共同体社会を実現するための具体的な方策である。それがあってはじめて本源的な潮流が共同体社会として結実する。それを検証してみたい。
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1.経済成長不可能という視点は正しい。しかし、それは今始まったことではなく、先進国においては40年前に遡る。’70年頃先進国では、貧困の消滅によって私権への収束力(私利私欲)が衰弱し始めた。人々はこれ以上の物的充足を得る為に、あくせく働こうとはしなくなり、物的欠乏が飽和限界に達したことによって、市場は拡大を停止し縮小過程に入った。にも拘らず、この社会を差配する全世界の統合者(政・官・財および学者・マスコミ)たちは、なりふり構わず市場の拡大を続行し、不足する物的需要を補うべく大量の国債を発行して、日本では800兆円を超える財政赤字を累積させてきた。その結果、増刷された紙幣がダブつき、経済は必然的にバブル化する。そして全世界がバブル化した。そしてバブルは必ず崩壊する。それが’08年リーマンショックを契機に始まった世界経済危機である。
そして、これまで国家は借金によって調達したお金を、物的な需要者にバラ撒くことによって、あるいは国家自身が公共事業の需要者となることによって物的需要を刺激し、市場を無理矢理拡大させてきた。つまり、物的需要の刺激が経済政策の狙いであったわけだが、その成果たるや惨憺たるものである。国家は莫大な額の借金を積上げてきたにもかかわらず、市場はかろうじてゼロ成長を維持してきたにすぎない。
しかし、実は、物的生産の縮小⇒類的生産の拡大こそ、次代のシステムの実現基盤である。
物的需要を無理矢理刺激することさえ止めれば、物的生産への労働投入量は半減させることができる。物的生産が半減すれば、それ以外に社会的に有意な活動をどのようにして創出するかが、次の社会的課題になる。ところが、社会に本当に必要とされる活動は市場原理の下では採算に乗らないものが多い。農業しかり、介護しかり、子育てしかり。さらに言えば認識生産(答えの供給)という課題の多くがそうである。これらの活動では市場原理下では飯が食えないがゆえに、多くの人々が従事すること(供給者になること)を断念し広がらなかったのである(誰もがその必要性は感じているにもかかわらず)。
しかし、類的生産では答えの供給者が登場して初めて需要が生まれるという構造に着目すれば、供給者の育成さえできれば需要は自ずと生まれ、市場の軟着陸が可能になる。つまり、国家紙幣を発行し、社会的に必要な類的活動の供給者の育成・支援にお金を投入すれば、市場原理の下では誰も手を出せなかった新しい仕事が次々と生まれ、市場の軟着陸も社会活力の再生も可能になる。つまり類的供給の喚起による類的需要を生み出すという逆転の発想だ。尚、物的需要を超えた供給力の過剰分までは、国家紙幣を発行して類的供給を支援しても、インフレにはならない。
この物的需要の刺激から類的供給の喚起へと経済政策を転換できれば、世界経済危機下での有効な失業対策になるだけでなく、日本は次代をリードする国家市場を実現し、世界にその範を示することができるだろう。
2.自給自足的共同体を実現するためには、現在の生産体である企業を共同体化することが先決である。その第一歩は法律を改正することだ。現在の商法・会社法では、企業は株主(=金貸し)の所有物であり、その決定権(議決権)は株主にある。企業をそこで働く従業員のものにすることが共同体化の第一歩であり、そのためには企業の決定権(議決権)を従業員に発行することである。
3.食糧自給の必要性からも言えることだが、企業の一部に農村への移転を促し、そこで農業共同体をつくる。あるいは、農村に全寮制の学校をつくり子供に農業をさせることも考えられる。現在の教育では完全に欠落している生産圧力の下で共同性を養うことができ、教育問題を抜本的に解決できる。同時に高齢者を教育担当とすれば、高齢者に大量の仕事を作り出すことも可能である。
4.現状の公務員制度の問題点は明らかである。国家(行政組織)も単一の集団でしかない。ところが、集団は自己収束(自己閉鎖)性が強く、彼ら官僚(公務員)は自集団の利益が第一になってしまう。各集団を超えた次元にある社会を統合する組織が、実は単一の集団でしかないというのでは、社会を統合することはできない。官僚集団の利益第一となる方向に、社会は歪められてゆく。しかも彼らは国民に選ばれたわけでもなく試験制度に合格することで官僚という専任特権を獲得したにすぎない。今や、検察をはじめとする専任官僚による権力の行使は暴走というべきレベルに達している。
万人が属している社会を統合する仕事は、万人によって担われなければならない。そのためには、公務員も専任ではなく、半専任化すべきである。つまり、誰もが専業を営んでいるわけだが、一定の期間は公務(社会統合の課題)を担い、一定期間が過ぎれば専業に戻るという参勤交代制が考えられる。当然、公務期間中の収入は保証されなければならない。ヤス氏の言われる「公共圏を維持するこれまでとは根源的に異なるスタイル」とは、この公務の半専任制(参勤交代制)によってはじめて実現できるものだろう。
(本郷猛)
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List    投稿者 hongou | 2009-09-11 | Posted in 12.現代意識潮流6 Comments » 

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コメント6件

 ふぇりちゃん | 2010.03.03 18:55

画像が多く、イメージしながら楽しく読むことができました♪
ありがとうございます☆
「”自由派”が最も大量にいる」ということは、この”自由派”がどのような動向を見せるかで、社会はまた大きく変わるということでしょうか?(そんなこともない??)
>これからの10年間で、私権派は変われる可能性が十分あるが、自由派は10年間では変われない。その後、成果圧力が上昇して、狭い職能成果主義と効率主義ではやっていけないことが明白になってはじめて自由派も変わる可能性が出てくる。
10年って、結構(いえ、かなり)長いような気がするんですが・・・
どうなるんだろう??
すっごく気になります!!

 ohmori | 2010.03.04 22:43

ふぇりちゃんさん、コメントありがとうございます。
>「”自由派”が最も大量にいる」ということは、この”自由派”がどのような動向を見せるかで、社会はまた大きく変わるということでしょうか?
そうですね~。
たぶんそうだと思います。 
が、
100%純粋な自由派って実はあんまりいなくて、
一人一人の中に自由派的要素が含まれていて、そこをどれだけ転換してゆけるかっていう感じでしょうか?
なので、期待⇔応合を繰り返してみんな=社会のために活動してゆく環境をつくっていくことが大事なんだと捉えてます。
それが10年ぐらいかかる、ってことですかね。

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