2012年12月05日

『次代に求められる共認形成力とは 第1回~共認とは何か?~』

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日本を代表する大企業(パナソニック、ソニー、シャープ)が、相次いで莫大な赤字を発表しました。


これらの企業の赤字額はここ数年悪化の一途を辿っており、待ったなしの事業縮小が迫られている状況にあります。これはまさに“炉心溶融”とも言うべき制御不能の事態に陥っていると言っても過言ではないでしょう。
物的豊かさを実現した1970年以降、物的な欠乏(物欲)の衰弱に伴い、市場は一気に縮小過程に入りました。
その縮小分を補うべく国家が資金を投入し延命策を講じてきたのが、この40年間の国家戦略でしたが、そのような延命策にも係らず、上述の大企業の凋落が顕在化している状況は、まさにその延命策も限界に達したことを意味しています。おそらく来る2013年も、このような事例は増え続け、日本全体の先行き不安をいっそう加速させるものとなるでしょう。


しかし、「大きな転換期」という視点から捉えなおしてみると、現状は悲観すべき状況ではなく、むしろ人類史における新しい局面に入っていく、生みの苦しみの状況に日本は突入していると考えられます。
それが「物的生産から類的生産への大転換」という状況認識です。
これは、生産力の基盤が「資本力」から「共認形成力」に転換したということであり、言い換えれば類的生産が日本経済の主軸となる時代に入ったということを意味しています。
今回のシリーズでは、この「次代が求める生産力=共認形成力」をテーマに、その能力の中身をより解明していきたいと思います。
第一回目の今回は、そもそもサル・人類に特有の「共認機能」とは何か?について焦点を当てていきたいと思います。

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一言で言えば、「共認」とは、「共に認め合うこと」。
共認機能はサル・人類に特有の機能であり、同時にサル・人類の最大の活力源です。
『お互いの気持ちがわかると、安心する・・』
このような経験は誰しもが感じたことがある感情だと思いますが、考えてみれば不思議なものです。
どうしてサル・人類には、このような機能が備わっているのでしょうか?


■サル・人類は共認機能をどのように獲得したのか?
(「実現論:前史 ニ.サル時代の同類闘争と共認機能」を参考に、これまで追究してきた仮説を以下にまとめてみます。)


人類に直線上に繋がる祖先はサルと考えられています。サルは地上に適応した草食哺乳類や肉食哺乳類と同じ原モグラを祖先としながら、“樹上”という新たな生活空間を手に入れて適応進化しました。
外敵がほとんどいない樹上には食糧も豊富にあり、一気に繁殖して森林はたちまち飽和状態になりました。


いたるところでエサをめぐる縄張り争いが勃発しますが、樹上はいくらでも逃避ができるため縄張りから追い出されても大多数が生き残るため、縄張り争いを絶えず繰り返すことになります。
かといって充分な食糧を得ることもできず、縄張りもないのに死ぬこともできないという中途半端な生存状態です。そして絶えず生存の危機に晒されて不全感覚が刺激され続けるという極限的な状況により、本能が混濁し不全状態となってしまいます。
同じような状況の原猿が縄張りの境界線上に多数生息することになります。彼らもまた敵同士であるため最初は近寄ることもできなかったはずでが、本能不全が極限まで達したことにより、ついに性闘争本能を封鎖して身を寄せ合うことに成功しました。
身を寄せ合った原猿たちは、唯一の可能性であった母子関係を元にした親和本能に全的に収束・強化し、過去(乳児期)の安心・充足の体験記憶をたよりに、敵同士だった相手との同一視(共感)を初めて可能に(共感機能を獲得)したと考えられます。
更には、その後、人類は同類だけではなく、自然対象に対しても共認機能を駆使してきました。自然対象の語りかける声を聞き取る=それが意味するところや、背後に働く力を読み取ることで、自然界の法則を見出し、人類固有の「観念機能」を発現させました。
つまり、共認機能を母体として、人類固有の観念機能を発現させていったのです。


■共認機能の真髄とは?


ここまで共認機能の獲得過程を見てきましたが、改めて「共認機能とは何か?」を理解していきたいと思います。
サルが形成した共認機能は、本能を進化させるDNAの組み替えより遥かに容易に、かつ多様に、(本能の代替物でもある)共認内容を組み替えることが出来る機能であり、それまでのDNA進化という生物史を覆す、全く新たな進化機能の実現だったのです。


つまり、①共認機能とは本能(=DNA進化)を超えた進化機能であるということです。(その後この進化機能は観念機能に引き継がれていきます。)


加えて重要なことは、②共認機能とはそもそも同化機能であるということです。
それは、共認機能の成り立ちを考えてみればわかりますよね。
共認の原点は「相手」(の期待)と「自分」(の期待)を重ね合わせて充足を感じる=「同一視の回路」にあります。
つまり相手に同化することで初めて共認は形成可能になります。



あるいは相手(母親や周り)に同化する事で初めて、規範をはじめとした共認内容を獲得できます。いうまでもなく、これらの獲得がなければ、人間は集団生活や社会生活を営むことができない=適応できないでしょう。

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共認機能の真髄について、理解していただけたでしょうか?


「次代が求める生産力=共認形成力」をテーマに出発した本シリーズですが、その核となる「共認機能」は、本能機能では生きていけないがゆえに発現した「同化機能」です。


人類はあらゆる対象に対して「共認機能=同化機能」を用いており、それがなければ適応できない存在であると言えます。つまり、人類とは「同化存在」なのです。



次回は、いよいよ共認形成力の中身を、時代変遷に応じて解明していきたいと思います。これまで(私権時代)とこれから(共認時代)で共認の中身はどのように変わっていくのか?
ご期待下さい。

List    投稿者 hiromi | 2012-12-05 | Posted in 12.現代意識潮流Comments Closed 

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