2006年11月16日

安倍首相の言葉に庶民はゴマカシを感じている

安倍首相の言葉に対して庶民の評価は「わかりにくい」「あいまい」という所に収束しつつあるようだ。まず、朝日新聞と読売新聞の記事を引用します。

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11/4朝日新聞「内閣支持率下落53%、無党派と若者離反 本社世論調査

朝日新聞社が11、12日に実施した全国世論調査(電話)によると、安倍内閣の支持率は53%で、中国、韓国訪問直後の前回調査(10月)の63%から下がった。不支持率は21%(前回14%)だった。30代以下の若い年代や無党派層で支持が伸び悩んでいるのが目立つ。
 内閣支持率は女性(55%)が男性(51%)よりやや高い傾向が続く。年代的には50代以上で60%近くにのぼる半面、20代で42%、30代で48%と全体平均を下回る。前回と比べた下落幅は、50代以上より20、30代の方がやや大きい。支持政党別では無党派層の支持率が33%に落ち込んだのが際立つ。内閣発足以来、40%台半ばを維持していたが今回、大きく減らした。
 首相就任後の1カ月半で最も良いと思うことを選択肢から選んでもらったところ、「とくにない」が27%、「中国、韓国訪問」「北朝鮮核実験への対応」23%が続いた。
 安倍氏が政治的な信念や考えを「あいまいにしている」は55%と、「きちんと説明している」の31%を大きく超えた。「あいまい」は自民党総裁に選ばれた直後の調査(9月)の42%より増えており、首相としての安倍氏の発言に説明不足を感じる世論の様子が浮かぶ。とりわけ20~40代では「あいまい」が60%を超えた。 (引用ここまで)

以下は、11月3日の読売新聞からの引用。
安倍首相の政策説明「分かりにくい」63%…読売調査

読売新聞社の安倍内閣に関するネットモニター調査(10月13~17日実施、回答率89%)で、首相の外交、国内政策についての説明が全体として分かりやすいかどうかを聞いたところ、「そうは思わない」が63%で、「分かりやすい」31%を大きく上回った。
内閣支持層、自民支持層でも「そうは思わない」が「分かりやすい」を上回り、無党派層では「そうは思わない」が76%に上った。
高い支持率(10月の面接方式の世論調査で70・0%)でスタートした安倍内閣だが、首相の国会答弁や記者会見での政策説明に不満を持っている人が多かった。
安倍首相は所信表明演説の中で、自ら掲げる「美しい国」の姿について、<1>文化、伝統、自然、歴史を大切にする国<2>自由な社会を基本とし、規律を知る、凛(りん)とした国<3>未来へ向かって成長するエネルギーを持ち続ける国<4>世界に信頼され、尊敬され、愛される、リーダーシップのある国――と説明した。
こうした説明で首相の目指す「美しい国」を具体的にイメージできるかでは、「できない」が64%に上り、「できる」は31%。内閣支持層でも「できない」49%が「できる」44%を上回った。(引用ここまで)

安倍首相の言葉が、朝日の調査では「あいまい」、読売では「わかりにくい」という人が多いとのこと。庶民は、安倍首相の言葉に対してゴマカシであるという判断を下しつつあるのではないだろうか。
しかし、小泉前首相の「郵政民営化は改革の本丸」といった言葉と安倍首相の「美しい国」etc.は、本質的には何ら変わりがない。「閉塞する社会をどうする?」の答えになっていない、ゴマカシという点では全く同じである。にもかかわらず、昨年の小泉選挙では「わかりやすい」という反応、今回の安倍の言葉には「わかりにくい」「あいまい」という反応。この違いはなぜ?
庶民の意識が大きく変化しつつあるのではないだろうか。
貧困で生存圧力の強い時代は、私権(地位やお金)の獲得が人々が心の底から欲するものであり、それこそが現実であったと言える。それに対して、左翼の発する近代思想(ex.自由・平等・平和)は頭の先の表層観念にすぎず、私権の現実とは断絶した奇麗事にすぎなかった。そして、生存圧力が消滅するや否や、近代思想はあっという間に輝きを失い、人々から見捨てられた。
今や、「社会をどうする?」という答えが、人々が心の底で求めるものに変わっている。安倍首相の言葉が「わかりにくい」という反応は、庶民の間で答え探索の潮流が顕在化したこと=答え探索こそが現実に変わったことを示しているのではないだろうか。庶民は、安倍首相の言葉が答えにならないことを感じている。その表れが「あいまい」「わかりにくい」という反応なのではないだろうか。(本郷)

List    投稿者 hongou | 2006-11-16 | Posted in 12.現代意識潮流18 Comments » 

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コメント18件

 ★ニュース・全般★ | 2006.11.22 15:30

★NHK男性記者・酔って放置自転車乗り回す★

       ★NHK男性記者を書類送検、酔って放置自転車乗り回しただけ!★
警視庁中野署は22日、NHK報道局の男性記者(31)を占有離脱物横領の…

 らんきーブログ | 2006.11.22 21:48

野党共闘は温度差も大事 ブログ共闘もネ^^

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リンク先のブログでほとんどのことはわかると思います。ゆっくりご覧ください。
今日のオススメ藤田社長関連ブログ

 匿名 | 2006.11.22 22:26

脱アメリカは結構だが、角栄の対中売国路線は現在まで未だに自民党内に中国利権・売国勢力を温存させ、大きな禍根を残しているのは問題である。

 日本がアブナイ! | 2006.11.23 2:25

小沢代表が野党共闘宣言?!+ MD構想で安倍官邸と防衛庁に 食い違い +復党問題など 

 今回は「小沢代表が野党共闘宣言?!」の話と、「MD構想で安倍官邸と防衛庁の発言に
食い違い」、そして国会審議、復党問題の続報を。
 …

 ぬぬぬ? | 2006.11.23 2:49

そうだ「南米だ!」って、そりゃオマエだろっ @大ガマ中川、調子に乗ってギャグでツッコンだつもりがネット社会のツッコミ返礼

面白いのでTB戴いた記事をご紹介がてら転載
大ガマ中川、調子に乗り過ぎ

 きまぐれな日々 | 2006.11.23 10:55

防衛庁「省」昇格法案についての池田香代子さんのメッセージ

さるルートから、防衛庁の「省」昇格法案についての池田香代子さんのメッセージが、「転送・転載歓迎」との但し書きつきで流れてきたので、以下に転載する。

 y.suzuki | 2006.11.23 14:34

コメントありがとうございます。
たしかに、現在の対中政策は目に余るものもあります。
かつて、清帝国末期、欧米列強に蹂躙され、何とかしたいと思う中国の有志たちは、日本に留学し、日本の指導者たちと近代国家への脱皮を図るべく模索した時代がありました。当時の日本は、貧困、西洋列強の強烈な圧力があり、富国強兵という国民の意識と国家方針が合致していたといえます。
 現在の問題は、日本も、中国も国民の意識と国家方針がともにずれまくっているところです。国民の意識が国家方針を規定するように大転換が求められると思います。

 TAB | 2006.11.25 23:09

>つまり、脱アメリカを標榜し、民族自立派というべき方向を打ち出し始めた勢力をアメリカがけん制したとしか考えられません。その後、中曽根、小泉そして安部と続くひたすら従米路線をとらざるを得なかったのです。<
わたしもそのように思います。が、それ以上に従米路線を取ります!とアメリカに擦り寄った者しか首相になれない、と言うことになっているのではないでしょうか。中曽根しかり、小泉しかり、そして安部しかり。アメリカに対する追従度がより高くなっているのが事実だと思います。
戦後、日本は戦勝国であるアメリカに従属されてきた訳ですが、‘60年代までは主に反共の防波堤としての役割が日本⇒自民党に与えられてきました。それに経済国家としての成長を基盤として民族自立=全方位外交路線を打出した初めての首相が田中角栄ではなかったのではないかと私は考えて思います。その田中角栄を失脚させる為にアメリカがしかけたのが、ロッキード事件だったという訳ですね。
それから、与党でもアメリカに少しでも叛旗を翻す政治家(田中角栄~鈴木善行~橋本龍太郎)
は潰されるというのがずっと続いるように思います。

 匿名希望 | 2006.11.25 23:45

11月25日マスコミ関係者をアメリカ色に洗脳するシステム
http://www.trend-review.net/blog/2006/11/post_71.html#more
では安部以外にも売国する政治家がいると記載されています。そして、そのような政治家へのご意見番であるマスコミも同様にアメリカに洗脳されている。
その上、田中角栄みたいな自らの貧困の体験をもとに日本を何とかしようとする人そのものが、1970年代の貧困の消滅をから居なくなっています。その意味で本能を直撃する外圧は消滅しました。これからの外圧は正にこのようなNETでの事実の発信と塗り重ねから問題の核心は何か?を追求することになりそうです。
私も目凝らして行き、且つ構造化に繋がる事実があれば発信して行きたいと思います。

 y.suzuki | 2006.11.26 1:13

TABさん、匿名希望さん、コメントありがとうございます。
お二方の感じられるように、従米路線もますます露骨になっているようです。関岡英之さんが「拒否できない日本」で書かれているように、日本の資本を根こそぎ掠奪する最終局面にきているのではないでしょうか?
 次の段階は軍事力への負担を強いているかのような昨今の流れに危機感を感じます。パックスアメリカーナの手先として日本を侵略戦争の手先にしようとする企みなのかもしれません。そうなる前に、日本の社会構造を根底から変えなければ、自滅してしまいます。

 匿名 | 2006.11.26 20:23

田中角栄みたいな、利権のためなら共産主義国家に日本を売る政治家というのは、亡くなった橋本龍太郎が最後で、小泉さんに息の根を止められたので、今後はそのような政治家が出現しないことを願います。

 小澤 紀夫 | 2006.11.26 21:15

田中角栄逮捕の時の法務大臣は稲葉修です。
なぜ指揮権発動をしなかったのでしょう。
稲葉修は中曽根派です。
その当時から中曽根はアメリカに向いていたということではないでしょうか。

 匿名 | 2006.11.28 20:40

>田中角栄逮捕の時の法務大臣は稲葉修です。
>なぜ指揮権発動をしなかったのでしょう。
そんなに乱発するものじゃないからでしょう。

 tab | 2007.01.21 17:49

れんだいこ氏は御自身のサイトの「田中角栄論」でロッキード事件について詳しく分析されています。
http://www.marino.ne.jp/~rendaico/kakuei/rokiido.htm
ロッキード事件は戦後と70年代以降の日本とアメリカの関係についてのターニングポイントになった事件と思われます。
田中首相のロッキード事件に対して有罪説、無罪説、冤罪説種々あるようです。世間では当時の判決の通り、有罪が正しいというのが一般的ですが、れんだいこ氏は近年の新証言等の分析からアメリカのネオシオニスト勢力の謀略によるもので、無罪であると断言されています。
アメリカの世界支配戦略のなかで日本の隷属国化があからさまに進んでいる現状を考えたとき、れんだいこ氏の分析は、基本的に正しいと思いますし、ロッキード事件のみならず、田中角栄の再評価が必要です。
>一体、「ロッキード事件」とは何だったか。今日でははっきりしている。現代世界を牛耳る国際金融資本即ちネオ・シオニズム勢力が、戦後奇跡の復興を遂げ、なお且つ「軽武装、国際協調路線」の下で理想的に未曾有の経済的発展を遂げ国富を蓄積しつつある戦後日本に対して、これ以上の成長は御せなくなると考え、再コントロールせんが為に、邪魔者であった民族系の政府自民党内ハト派の総帥田中角栄を叩き、更に政界追放することによって一罰百戒し、代わりにいつでも言う事を聞く御用聞きのタカ派系に政権を握らせるに至った一大政治的謀略事件であった。この場合に於けるタカ派系とは、戦前の鬼畜米英式の国粋主義派とは全く違う、表見的にはそれを演出し口走ってもその実はネオ・シオニズムに身も心も掴まれた売国派エージェントのことを云う。<
>「ロッキード事件」以降の中曽根政権誕生から今日の小泉政権に至る過程は、ますますこの流れを強め、今日では単に政界のみならず「政財官学報」の国家中枢五機関の全てが連中に支配され、もはや如何ともし難い流れに有るように見える。先の郵政民営化は、日本の国庫秘金を狙うもので、日本コントロールの最後の総仕上げであった感がある。<

 y.suzuki | 2007.01.26 10:13

 tabさん、コメントありがとうございます。2ヶ月前の記事にも関わらず、この問題が、今後の日本の将来を考える上で、いまだに第1級の史実であることを再認識いたしました。ご紹介いただいたれんだいこ氏のサイトも拝見し、その内容の充実ぶりと氏の視点に共感を覚えます。
 結局、市場原理で世界を牛耳っている国際金融資本勢力のフレームからいかに脱却いていくのかこれからが正念場です。

 中国からみた中国と日本の違い | 2007.02.10 13:50

奴属関係における中日の差異

 『住所に見られる奴属関係』 中国では勤めているだけで奴属関係が生じる。日本ではあらゆる面で支配関係が見える。例えば、中国人の留学生が田中一郎さんの家に住…

 norio | 2012.12.17 21:29

田中よりも中曽根の方がピーナッツをたくさん食べたはずなのに
>田中角栄逮捕の時の法務大臣は稲葉修です。
>なぜ指揮権発動をしなかったのでしょう。
>そんなに乱発するものじゃないからでしょう。
というくらいの話で済む日本はなんとだまされやすいのかとおもってしまうのは私だけでしょうか。

 hermes constance bag price | 2014.03.12 6:23

hermes bags outlet xl surabaya Trend Review | かつて、脱アメリカ支配の流れがロッキード事件で息の根を止められた!?

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