2010年03月07日

私権原理から共認原理への大転換~潮流1:共認原理と私権原理

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日本猿と温泉より画像を借りました
「共認原理は霊長類3000万年を貫く統合原理」
現在は、女・セックスよりも大事な(必要な)ものが他にある時代と言われています。
みんなが感じている社会秩序が崩壊してゆく感覚、しかも新しい秩序が見えない(分からない)不安と焦りが、性欲さえ「それどころではない」と脇に押しやるほどの強い力を持った得体の知れない不安と焦りの正体であるなのだと思います。(私権原理の中核圧力はあった性は、いまや衰弱していく一方だということができそうです。
2/28のなんでや劇場では「私権時代に求められた能力と、共認時代に求められる能力」が扱われました。
なんでや劇場レポート(1)私権時代に求められた能力と、共認時代に求められる能力
要約:私権時代の武力・資本力は共に既成ヒエラルキーの上位層を抱き込むための共認圧力形成力であり、それは私権誘導(アメとムチ)のための騙し、ハッタリ、誇張、脅かしを常套手段とする自分発の能力。
なんでや劇場レポート(2)隠蔽・言い訳・誤魔化しの横行によって崩壊する私権体制
要約:共認時代に求められる能力も共認形成だが、周りみんなを充足させるための力であり事実が基盤。
なんでや劇場レポート(3)下からの共認圧力を形成するには?
要約:「自分からみんな」への転換が不可欠であり、残存する自我原理を封鎖するために「下からの共認圧力」形成が有効であり、カギを握るのはいかにして充足・肯定視の空気を作り出すか?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・を受けて、
小お題として「私権原理から共認原理への大転換(自分発からみんな発へ)」よりいくつか秀作を紹介していきたいと思います。まずは、「潮流1:共認原理と私権原理」を入り口として始めたいと思います。
5000年前に生まれた国家群の統合軸は、身分制度に基づく序列原理という力の原理であり、まず其の強固な力がどうして生まれたのか。人類史をたどりそれを明らかにしていきたい。
続く

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潮流1:共認原理と私権原理
人類500万年を貫く統合原理は、共認原理である。事実、人類は500万年に亘って課題を共認し、役割を共認し、あるいは規範や評価を共認して存続してきた。そして、個体(の意識)や集団や社会は、人々が、それらの共認内容に強く収束することによって、統合されてきた。又、そこでは、集団を破壊する自我や性闘争は、永い間、封印されてきた。
(注:この共認収束→共認統合を可能にした共認機能は、サル時代に形成された機能である。従って、正確にはこの共認原理は霊長類3000万年を貫く統合原理である。詳しくは、実現論・前史実現論を参照。)

しかし、1万数千年前頃から人口が増大し始め、それにつれて集団間の軋轢も増大してゆく。やがて、その緊張状況に対応して、人々は自集団を正当化する守護神信仰に強く収束してゆく。こうして集団的自我が発現し、永い封印が解かれてゆく。そして遂に6000年前頃、乾燥と飢餓を契機として略奪闘争が開始され、玉突き的に世界中に伝播していった。こうして、5000年前頃には、人類最初の武力支配国家が成立する。(注:日本は1800年前頃で、はるかに遅い=権力支配の期間が短い。)

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ルーベンス「ルーベンス/レウキッポスの娘たちの掠奪」より画像を借りました

力の原理に貫かれたこの社会は、序列原理によって統合される。それが身分制度である。この力の序列原理は、性闘争を止揚する統合原理で、哺乳類やサルに一般に見られる統合様式である。しかし、人類社会は、力の原理だけで統合される訳ではない。力の序列は極めて不安定であり、すぐに崩壊する。人類社会は、人々が力の序列を共認し、それを言葉化した「身分」を共認することによって、はじめて安定的に統合される。つまり、この社会は、力の原理を追共認することによって秩序化されている。

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始皇帝陵より借りました

この序列社会では、当然、力に応じた私権(私有権)が共認される。そして、私有権が共認されると、社会の全ての物財は(女も含めて)悉く私有の対象となり、人々は私権を確保しなければ生きてゆけなくなる。つまり、私権の共認は、否も応もない私権の強制圧力を生み出し、万人を私権追求の主体に改造してゆく。
実際、この序列社会の活力源は、女や財や身分を追い求める私権欠乏であり、誰もが私権を求めて争う私権闘争である。
従って、序列統合の社会は、誰もが私権(の獲得)に収束することによって統合された、私権統合の社会であると云い換えることもできる。

もちろん、日本も例外ではない。日本人は、2000年前まではもちろん、それ以降も、あまり激しい略奪闘争を経験しておらず、本源的な縄文体質を色濃く残しているとは云え、奈良時代以降は立派な序列統合社会=私権統合社会に改造されている。


<共認原理と私権原理>人類の観念が創り出したこれらの集団の統合軸が社会の基底部にあるのだと思います。実は人類史のほとんどが共認原理であり、私権原理が支配していた時代はごく一部である。その意味では転換は容易であり、すでに其の萌しがある。

共認原理:
みんなが課題役割規範評価を共認し、共認収束することで統合される(共認統合)統合原理で「みんな発」

私権原理:
誰もが私権を共認し、私権(獲得)に収束することで統合される(私権統合)統合原理で「自分発」

今後は私権原理から共認原理への大転換してゆく意識潮流をこれから時代を追って見ていきたいと思います。
参考
序列原理(じょれつげんり)(新概念定義集)http://www.rui.jp/ruinet.html?i=400&t=3
力の論理と共認機能 http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=2240
参考投稿
自己正当化観念が、他部族を皆殺しに出来た。
戦争の正当化観念と暴力メディアの影響~暴力化するアメリカ
超国家・超市場論7 私権闘争を統合した 力の序列共認
トラブルの根底に指揮系統あり。全てをネットへ
「どの企業でも社長-部長-課長・・・など、肩書きや名前は違えど、ある課題を取り組んでいく集団には、その集団固有の指揮系統がある。この指揮系統は、本能原理である序列統合を下敷きにした私権時代の産物である・・・私権圧力の働かない指揮系統の中では悉く隠蔽されていく構造ができあがる。上長と部下の指揮系統では、上司が問題を握りつぶし、部下は指揮系統を意識するほどに問題を発信できなくなり自ら隠蔽する。」
日本をダメにする官僚機構
私権秩序の根幹は身分序列にあったのでは?
統合様式のパラダイム転換
武力支配の統合限界
(tennsi21)

List    投稿者 tennsi21 | 2010-03-07 | Posted in 12.現代意識潮流1 Comment » 

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コメント1件

 hermes polska | 2014.02.03 3:39

hermes xl paket national 日本を守るのに右も左もない | 10/17なんでや劇場(3) 武力時代の東洋の共同体質⇒秩序収束⇒規範収束

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