2009年10月05日

「知識人の商売道具と化した構造認識」シリーズ2「構造認識の現況」

前回は思想史の概略(近代史まで)を扱った。
□前回のまとめ□
①古代中世は序列原理=集団原理で社会は統合されており、古代中世までは構造認識は必ずしも必要ではなく、価値観念だけで社会が統合されていたこと。
②市場は集団を超えた社会空間を生み出し、それ故に近代には感応観念を超えた客観的な構造認識が必要不可決となったこと
③しかしこの時代は貧困や社会格差がより拡大していく時代であり、かつ本源充足の基盤である共同体や共認充足は衰弱してゆくばかりであったので、知識人たちは(社会)否定や自我などの潜在思念に立脚したにすぎない、根本的に誤った「構造認識」しか生み出せなかったこと。リンク
今回は20世紀以降の「構造認識の現況」を明らかにしたい。
カール・マルクス
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(写真は「アマチュア無線局7K1VVPの動画Site」さんからお借りしました)
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構造認識の現況1の3(引用)
「ところが、社会に対する否定意識や自我・性に対する拘泥は、この時代(とりわけ知識人)に共通する潜在思念である。従って、この偏った(誤った)「構造観念」が(主に知識人に)共認され、権威化されてゆく。更に、大学の権威主義が、それに拍車をかけてゆく。
しかし、否定や自我に囚われた潜在思念が(20世紀を通じて)基本的に変わらない限り、それらに基づいて作られた「構造認識」が基本的に変わらないのは、当然である。(その後、肯定派の「構造認識」が増えてゆくが、肯定意識に基づいている点でも、自我観念に基づいている点でも、偏った一面的な「構造認識」でしかないのは、同じである。)」

中世の時代、社会共認を司っていたのは教会や寺院であった。宗教などの感応観念に変わって知識人の構造認識が登場するとともに、知識人の集結する場は大学にその主導権を奪われてゆく。人類は共認動物である限り、最終的に社会は共認更には観念によって統合される。教会と同じく、大学もこの支配イデオロギーを司る機関として、国家体制の中核に組み込まれ(18世紀)権威化(権力化)され絶対化されていく。(これが’70年以降による知識人の共認支配の基盤となったものである)
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(写真は「ボローニャの斜塔からの景色|イタリア一人旅 – 自由なバックパッカー海外旅行」さんからお借りしました)

構造認識の現況2
「4.そして’70年、貧困の消滅によって否定派の「構造認識」も肯定派(自我派)の「構造認識」も共に生命力を断たれて終う。一言で云えば、考究する原動力となっていた否定や自我の潜在思念が衰弱し、本当に追及したいことが無くなって終った(つまり、思考停止状態に陥った)のである。
にも拘らず、私権の衰弱によって社会的な身分序列の頂点に君臨することになった大学の体制化とそれによる肯定派の増大によって、徒らに対象の細分化が進行し、ますます基本構造の見直しが捨象されて、誤った「基本認識」を生き永らえさせる事になった。」
「しかし大衆的には、生命力を失った近代観念はあっけなく見捨てられ、’70年以降、思想に対する無関心が一気に蔓延してゆく。そして’90年、社会主義の破綻とバブルの崩壊によって、遂に誤ったor無力な「構造認識」に対する不信が顕在化し、拒絶視されるに至った。
今や、「構造認識」は統合階級(学者や官僚やマスコミ)の商売道具として残存しているに過ぎない。もちろん心ある大衆は、そんなモノを全く信じておらず、彼らの言説を耳目にする度に吐き気を催すほど、ほとほとウンザリしている。
これが、答えを出せない状況の実態である。」

ところが’70年先進国においてほぼ絶対的貧困が消滅すると、状況は一変する。
近代思想創出のエネルギーとなり、大衆への支持、伝搬の基盤となっていたのは、貧困という全社会的「不全」=苦しみ→否定の潜在思念であった。或いはその貧困から脱出するための「市場拡大への可能性収束」であった。この社会矛盾が生み出す、否定の潜在思念やその突破口としての市場の拡大可能性が、ものを考えるエネルギーを生み出し、近代思想を伝搬させうる原動力ともなっていたのである。
実際日本においては1950年から60年代までは、近代思想はなお輝きを放っていた。60年安保闘争に象徴されるように大衆的な支持基盤もあった。しかし60年後半に起きた全共闘運動は「反」の運動ではあったが、そこには近代思想に対する絶対的信頼はもはや存在していない。むしろ、そこには全共闘運動が無思想ひいては思想の解体運動という側面さえ持っていた。
実際’70年以降近代思想に基づく社会運動は一気に霧散消滅してしまう。
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(写真は「KENSHO’S TALK」さんからお借りしました)
ところが、’70年以降同時に奇妙なねじれ現象が登場する。
貧困が消滅し、序列原理が衰弱することで、ほぼ同時に社会は統合軸を喪ってしまう。実際’70年以降、社会活力は衰弱し財政赤字や子どもの精神破壊など現在に繋がる現象も徐々に顕在化する。力の原理たる序列原理が衰弱すればそれに代わる社会の統合原理は、共認内容によって社会を統合する「共認原理」しかない。従ってそれに応じて、社会はそれまでの序列上位者である政治家や資本に代わってマスコミが(更にはその奥の院に存在する評論家、学者)が第一権力となる。。(るいネット:潮流2:戦後日本の意識潮流
同時に貧困の消滅は大学への進学率を急上昇させる。それらの基盤が相俟って大学人は絶対的な身分を手に入れる事になる絶対的な身分を手に入れたと言うことは、もはや誰からも圧力が働かないと言うことであり、彼らの世界が絶対化・聖域化されることを意味する。従って、この大学人の特権身分化が、もはや(否定と自我の潜在思念という)生命線を絶たれたはずの近代思想と知識人の、時代遅れの「否定と自我の潜在思念」と誤った「構造認識」を温存させ続けることになる。
無圧力空間の特権階級に答えを期待することはできない。実際彼らはこの40年、社会の危機が益々進する行中にあっても何の有効な答えも出せてない。文字通り、「構造認識」は彼らの商売道具=飯の種に成り下がってしまったのである。
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(写真は「ON LINE 日経ビジネス」さんからお借りしました)
「構造認識」とは本来社会を導く「答え」を生み出すためにある。そしてそれは現実を直視し続け、社会が生み出す諸現象を冷徹に構造化することによって初めて可能となるのだ。
 
では私達はどうすれば良いのか?

引用
「知識人が答えを出せない理由は、未だに否定or自我に基づいて思考しているが故に、既成の誤った「構造認識」や「価値観念」から脱却できないからである。
新しい『基本構造』は、否定意識や自我意識に(もちろん感応観念にも)囚われない新しい潜在思念によってのみ考究される。」
それは、充足基調⇒本源収束、および社会不全⇒社会収束の潜在思念である。」

まずは答えを出せない、否定や自我に立脚した潜在思念を塗り替えることにある。しかしその基盤は既に大衆的に登場している。
‘70年貧困の消滅によって物的価値は二義的なものと化し、身分やお金の獲得に向かう私権闘争のエネルギーも急速に衰弱する。そしてそれに代わって心=共認充足=人間関係の充足の価値が第一義的価値となり、(私権意識に基づく否定や自我ではなく)この共認充足を求める充足基調が大衆の潜在思念の中軸となっている。同時に社会危機の深まりの中で否定発ではなく危機意識発の新たな社会意識も登場している。
これらの「否定や自我」の空中分解という意識潮流の劇的な転換によって、実は新たな(本来の)構造認識を醸成しうる、新たな社会状況が既に作り出されているのだ。このことに、今、私達は改めて着目すべきだろう。

List    投稿者 kuwamura | 2009-10-05 | Posted in 07.新政治勢力の結集に向けて5 Comments » 

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コメント5件

 くまがわ直貴 | 2010.04.03 23:44

 「大の虫が生きるために、小の虫は殺せ」
 このテーゼが、日本社会にもあてはまると思います。
 小泉フィーバーの影で、民間金融の弊害は覆い隠され、郵政・郵便局がスケープゴードにされてしまった事実や、郵政民営化の裏にアメリカ合衆国政府からの「年次改革要望書」の存在があったことを、果たして2005年総選挙で自民党に投票した者のどれ位が知っていたのか?
 自集団の利益誘導そのものを「悪」と一概には言い切れませんが、日本型ムラ社会の場合どうしても「歯止めが効かなくなる」傾向はあると思います。

 けん | 2010.04.04 11:04

もうだいたいみんなは洗脳から解かれていると思ういますが、
まだかなー。
政治家がなんで、政党があるかってもう簡単ですよね。
支配層の指示に従って、お互い言い争いを演じてもらってるとおもいます。
支配層もちょっと失敗したのかなーと思います。
ずっと洗脳されて都合よく誘導できるとおもったんでしょうね。

 kagano | 2010.04.19 20:18

くまがわ直貴さん
コメントありがとうございます!!
そうですね。マスコミが報道しない事実はたくさんあります。是非、ネットの場で、真実を広げていきましょう☆

 kagano | 2010.04.19 20:25

けんさん
コメントありがとうございます!
確かに少しづつではありますが、みんな真実に気付きはじめているのではないかと思います。政党の背後にいる支配層の存在をもっとみんなが知ることができたらなぁと思います☆

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