2023年02月17日

人が集まり育つ組織とは?→市場競争の本丸は人材競争

※分断される世界/不確実性を増す経済/共創の企業経営 (リンク

私は、製造業や建設業の方々と情報交換する機会も多いのですが、各社とも経営幹部の本音の問題意識は「人材不足」だと言います。脱炭素やDXへの対応、物価高騰なども問題ですが、それよりも「人」(人的資本)です。

人材戦略は企業統合上の最重要課題として、経営戦略とかぎりなく一体化していく潮流であろうと思います。

↓最近一か月ほどで、気になった記事をあげると…

・「従業員退職型倒産」の危機(リンク

・人手不足で倒産26%増。経済再開受け採用難再燃(リンク

・就業、コロナ前比27万人減(30~40代男性戻らず)(リンク

・米男性の労働、年16時間短く。コロナで「静かな退職」(リンク)  

・ホワイトすぎ 若手が離職。負荷足りず 成長できない(リンク

・社員の声、聞こえてますか。物言えぬ組織は成長止める(リンク) 

人手不足倒産、あるいは、従業員退職型倒産という新たな現象。そもそも、働き盛りの世代が労働市場から離脱しているという現象。また、会社側が人材の活力を引き出せずに離職者が増えているという現象です。

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市場の状況から見ると、コロナ禍からの経済再開という一時的状況はあるものの、中長期の視点で見ても、おそらく日本市場は、需要の問題と供給の問題が同時に起こる構造に変化している。

つまり人口減少等による需要縮小→競争激化だけでなく、むしろそれよりも供給力=生産力をどう確保するか

人材戦力を結集できない企業は、じり貧で縄張りを失い、生存できなくなる圧力が急激に高まっている。

同時に、21世紀型の新市場(業態改革の需要)という未知の課題が登場しているが、当然、人材戦力結集の余力がなければ、適応していけないことになる。

もちろん会社側も人材確保の重要性は認識している。働き方改革、副業解禁、居住地不問、リスキリング、賃上げ基調など、従業員の満足度を高める施策は模索されている。しかし、人材活性上の大きな不足人心統合上の大きな不足があるのでは? という懸念もぬぐえない。社員におもねるだけでは人材は活性化しない。

視点を変えて、そもそも、人が集まって集団をつくり、組織が統合される原理はどのようなものか。

手掛かりに、実現塾「人類の歴史において、集団が集結・大規模化したのはなぜか?」をヒントに考えてみる。

実現塾「集団規模と統合様式の変化」リンク

上記ページで仮説が展開されているように、集団の組織化・統合の原理を「外圧」側から考えれば、同類圧力の高まり⇒適応欠乏の生起⇒「力」への収束ということになるだろうが、これを「内圧」側から考えれば、「高度化」と「充足」が集団の組織化に不可欠であろうと思われる。

人の集まり=集団を統合する結集軸として、ベースは「世界観」(企業でいえば、歴史、志と展望、DNA)、その上に、闘争/生産課題における「高度化」実感、生活/生殖課題も含めた「充足」実感の引力があってはじめて、組織の人心の統合は維持できる。

人類史の構造認識を手掛かりにしつつ、、、現実の会社経営において、どのような基盤づくり、仕組みづくり、実践方針を出せるか。私自身も次年度以降の経営計画、なかでも人材戦略について思案中です。

いずれにせよ、市場競争の本丸は人材競争⇒全世代・全方位の人材活性がカギとという状況認識は重要です。

人材戦力を結集させる力を持つ企業が、新たな社会期待に応えうる技術力と営業力の高度化を成し遂げ、生存圏を拡大する。つまり、「人が集まり育つ組織」だけが勝つ。

By Yusuke.I

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