2008年10月03日

アメリカの生命保険事情

AIG.JPG
AIG破綻を巡って取り付け騒ぎが起きないのは何故なのか、アメリカの保険事情を探ってみました。

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■生命保険買取市場
アメリカの生命保険の契約者は階層的には中産階級以上で、住宅ローンを抱えると同時に不動産投資(フレディマックやファニーメイなどが仲介する)などにも手を染める人々です。現在の米国では、生命保険の途中解約の払戻金や死亡保障金を仲介会社が買い取って投資家に転売する市場が10年ほど前から法制化されて成長過程にあるようです。米国のライフ・セツルメント市場
生命保険は生前給付が困難なため、保険契約者にとっては自らが活用できない資産です。そこで買い取り会社が変わって契約者に資金提供し、買い取り会社は投資家に転売する仕組みとなっています。こうなった場合、契約者は勝手に解約できないことになり、例え保険会社が破綻の危機に陥っても放置せざるを得ない状況になります。
日本でもかつて焦げ付いた債務者に「生命保険に入って(死んで)金作って来い!!」と恫喝した金融業者が多数あり、社会問題化しました。このように自分の死亡保障金が生前の借金のかたにすることは日米問わず可能なようです。しかし倫理的な問題も大きく、当然法制化された「市場」と言うわけには行きません。対して買取市場は、米国では平然と法制化され、市場化してしまったということのようです。因みに日本でも昨年日本初の買い取り会社ががん患者に資金提供することになり、患者が生命保険会社に名義変更を要求したところ生命保険会社が拒否して係争となりました。高裁は「生命保険が売買の対象になれば、不正の危険が増大する」として患者の上告を棄却したそうです。
■何でも投資商品化する米国金融市場
思えば、米国の「市場」は何でも投資商品化してしまいます。サブプライムやCDSも何でそんなものに投資できるのか日本人には理解できません。金融工学という騙しの経済手法が、金科玉条となって市場を支配しています。騙してまでも金を流通させなければ利息も配当も無い、ということなのでしょう。そうした人々は、「リスクも負担するのだから良い」という理屈のようですが、こうした金融危機の煽りを食う実体経済の側にいる一般の人々にしてみれば、それこそ「自業自得」で「はた迷惑」でしかないでしょう。金融安定化法案を一度は否決させたのもそうした実体経済側の反発を危惧してのことでしょう。
なお、既に生命保険会社の投資会社化はかねてより懸念されていて、先般破綻した貯蓄貸付組合ワシントン・ミューチュアルの社名でもあるミューチュアル(相互)・ファンド(オープン型投資信託)も最初に開発したのは、ミューチュアル生命保険という保険会社だそうです。
 様々な金融会社が開発した金融商品、派生商品が次から次へと破綻し出したわけで、リスクを過小評価した「騙し」露呈したと言えそうです。

List    投稿者 saito | 2008-10-03 | Posted in 06.経済破局の行方3 Comments » 

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コメント3件

 よっし~ | 2008.12.18 21:40

>11月初めには、4兆元(57兆円)の内需拡大策を発表した。その財源には怪しさも残る。
確かにこの財源、怪しいですね!
中国では、国債は発行されているようですが、実質的には国家機関による引き受け制度のようです。つまり、『国債=国家紙幣』ということに事実上なっていることが財源の怪しさにつながっているのですね!
→http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=190926
(るいネット 『中国の国債の謎』 より引用)

 山テツヲ | 2008.12.18 21:58

世界金融危機の影響から、中国国内でも多くの企業が倒産して暴動が起きてます。海外諸国からの圧力がかかる状況であって、自国民の活力もどうもたせていくのか。
また、政策として人民元下げが本当に突破口として考えらているのか気になります。

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