2022年08月08日

世界のグローバル化は衰退する。ダボス会議とスイスの動きに見るディグローバリゼーション

西欧諸国でトップ層が続々と退陣 世界の向かう先は?から、右派が台頭してきている構図やグローバリズムとの決別の流れ。その先にガタガタになった国内を立て直し、国内回帰の流れを生み出していく動きが見えてきた。

FRBが資産圧縮(QT)を開始。米国債保有国の変化から読み取る各国の思惑は?でも上げたように、世界各国のインフレ拡大に対し、その抑制に向けて、世界の中央銀行が利上げラッシュとなっている。

一方で、気になる動きがある。スイスだ。スイスから、中央銀行の利上げ、創立以来過去最大の赤字などが起こっている。この動きが世界にどう影響するか。(参考:世界の中央銀行が利上げラッシュとスイス中銀過去最大の赤字

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2022.06.16 スイス中銀 15 年ぶりの利上げ
政策金利は-0.75%から-0.25%に引き上げられた。

2022.06.22 世界の中央銀行が利上げラッシュ!
米連邦準備理事会(FRB)は7月も大幅利上げの構えだ。(略) FOMC参加者による2022年末時点の政策金利の見通しは2.75%から3.4%まで上昇した。(略) 欧州中央銀行(ECB)も7月から利上げ開始を決定したことで世界的な利上げの波が押し寄せている。

2022.07.29 スイス中銀、上期は過去最大の赤字 金融政策に影響せず
952億スイスフラン(1000億8000万ドル)の赤字と、半期としては1907年の創設以来、最大の赤字となった。

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永世中立国であり、金融の本拠地であるスイス。こう見ると、スイスが各国の動きを先導しているようにも見えてくる。そのスイス中銀が、創設以来の赤字であることも、中央銀行制度崩壊への予兆にも感じる。(とはいえ崩壊と暴落は世界的な影響が大きすぎるので、そこまでは行かない)

そのスイスが本拠地の、今年2022年の5月に行われた通称ダボス会議(世界経済フォーラムの年次総会)。今年のテーマは「歴史の転換点(History at a Turning Point)」であった。(昨年2021年度のテーマは、グレートリセット)。

その中でも、特徴的な変化が見られる。これまでのフォーラムは、グローバル化を擁護してきた。しかし今回はディグローバリゼーション(脱グローバリズム)に向かっている。

サプライチェーンの寸断、食料やエネルギー価格の高騰、一部の製薬会社が数十億ドルの追加利益を得るために何十億もの人々が新型コロナウイルスワクチンを手にすることができない知的財産(IP)体制などといった、「グローバル化の失敗」に主眼を置いていたといえる。

世界の大きな方向性はこの5月に示された。グローバリズムをやめるということだ。

その後、7月に各国でグローバリズムを推進してきた左派が一斉に退陣しているのも、その結果かもしれない。

しかしもう一つの見方として、このような仮説はないか。

グローバリズムを推進してきた左派が、簡単にグローバリズムを撤退することはできない。そこで、一度右派へ頭(トップ)をつけかえていく。

その後、中央銀行による暴落か、世界の戦争か、なんらかの操作で世界をもう一度一時的な大混乱に落とし入れ、再び左派が返り咲く。その頃には脱グローバリズムへの転換を実現した形で。

このことからも、脱グローバリズムからの国内回帰の流れは既定路線になるだろう。さらに今後、環境問題をどのように扱われていくかは注目点。

そうした読みも念頭において、世界の動きの注視と、経営の舵取りを行って行く必要があるだろう。

List    投稿者 yamane | 2022-08-08 | Posted in 06.経済破局の行方No Comments » 

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