081011なんでや劇場レポート~どうなる?経済破局~
先週末の臨時なんでや劇場で扱った『どうなる?経済破局』についてレポートします。
急な開催でしたが参加多数で、皆の当事者度+このテーマへの関心の高さがわかりました。
週があけて、市場は新たな局面に移っているようですが、まだまだ予断を許しません。
では、中身のほうへ
【状況認識~10/10までの市況】
①10/10株価大幅下落
・日経平均株価=8300円台まで▼下落+ダウ平均株価=8500ドル台まで▼下落
②10/9アイスランド銀行国有化
アイスランド政府が最大手行のカウプシング銀行を国有化→同国の上位3行が国有化
③10/8韓国ウォン大幅下落⇒
④上昇基調だった米国債が反転~下落基調に
利回りも反転上昇へ=買い<売り
10/06;10年国債…取引終了時の利回り3.45% ⇒ 10/10;3.87%まで
○下落スピードと下げ幅が、尋常ではない
・’29年大恐慌40%を上回るパニック指数63%
・25日移動平均乖離率が通常5%程度に対し25%
●これらの現象は「“力づく”に近い売り=下げ圧力が働いている」ことを示しているのではないか
ポチッとしてから問題分析へ
【問題分析】
★公的資金注入施策が効かないのはなぜか?
①7000億ドルの不良債権買取
②6ヶ国協調利下げ
③禁じ手と言われていた政府・中銀からの資本注入(CP購入など)
議会の反発などあるものの、考えられる手は全て打っているようだが…
∵CDS爆弾と言われる通り、不良債権総額が読めない。
計算しようにも複雑すぎて、膨大な時間がかかる
→額が掴めない限り、みんな疑心暗鬼
→マネーの逃避先となっていた米国債も▼し始めたということは、
アメリカから資金が逃げ出しているということでは?
★米国債売りに転じたのは誰か?
・米国債の海外保有高1位;中国+2位;日本で過半を占め、残りはEU+産油国
→日本が売る度胸はない
→としたら中国が売りに転じた可能性が高い
☆米国債買いの原資は外貨準備高
・現在の外貨$準備高 = 中国;1.8兆ドル vs 日本;1兆ドル
・外貨準備高とは ← 貿易収支の黒字累積
・日本の輸出額の6割は対米+対中で、
その中国も大半が対米輸出なので、殆どが米向けと考えられる
→日本の過半は対米輸出=米の需要に頼っている
・米金融危機 →米+先進国需要▼ →各国とも対米・先進国輸出▼
→日本の8月貿易収支が26年ぶりに赤字に転落したのは、
(原料価格高騰もあるが)需要減の影響も大きい
→金融危機が完全に去るまでは、対先進国輸出が回復することは考え難い
→日本の外貨準備伸びも 鈍化~▼傾向
→としたら日本だけで買い支えられない∵原資がない
→米国債▼ドル▼加速につながるか?
★→このまま米国債+ドルの大暴落(2~3割▼)もあり得るか?
★⇒今後の予測には中国の動向分析が欠かせない
【中国の動向分析~予測】
・中国は昨年までGDP2桁成長を維持している。輸出はGDPの4割を占めている
・中国の貿易黒字は、五輪景気も重なり、今年8月にピークを記録~その後は?
★先述のとおり先進国が軒並み需要▼していく状況下で、中国は貿易黒字を維持できるか?
貿易黒字を支えるファクターは?①人件費安②資源安③生産性(勤勉・高効率技術など)
最近中国でも①が高騰→今後も強みになるのは②ぐらい
・先進国の消費者は節約ムード→中古市場の活況
・「安ければいい」ではなく、高耐久+省エネ志向へ
・後進国(ex.インドなど)ではまだまだ物的欠乏△/中国製品(安かろう悪かろう)でも可
⇒後進国向け輸出で、黒字は維持できるかも??
★中国は貿易黒字を何に使うか?
①そのまま蓄積 ⇒対米・欧との政治的駆け引きカードに使う
②米国債を買う?⇒日本のように言いなり=買い一辺倒ではない=脅しも含めて売ることも
③元に替えて国内公的資金注入?→元高は輸出上困る?後進国輸出中心なら構わないのでは?
⇒対後進国輸出が中心の元ブロック(基軸通貨)化が進展すれば、
米国債もドルも放出する可能性高まる。少なくとも脅しになる
∴中国→米への圧力△→米国債利回り△(10%程度まで)もあり得る
【米国債・ドルの行方は?】
中国からの圧力⇒米は利払いのためにも超緊縮財政=軍事費圧縮など
●米は2流国家に転落するが、市場全般から見れば軟着陸路線
★「ユダヤ陰謀論」では、堪え切れずデフォルト~新ドル発行とうシナリオだが本当か?
新国債発行=引き受け手いなければ、貨幣流通量すら増やせないので、新ドル通用しない。
→仮説としてもおかしい。
★軍事手段を併用することはあり得るか?
・自作自演も9.11などでネタバレしている→正義の世論形成できない
・ナチスにしろ、日本にしろ、強国+金貸しのワナに嵌められたほうが仕掛ける
米が同じ状況になるか?金貸しにメリットはあるか?
●『’70貧困の消滅』で先進国+金貸しにとっても、戦争のご利益は激減
→国家間戦争の時代は終った
→せいぜい仮想敵を捏造して緊張状態を作り上げて「軍事費削減は難しい」というのが関の山
★★今の段階では、数年かけて軟着陸路線との予測が妥当★★
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