2013年11月14日

米国債デフォルト後の世界経済はどうなる?2~国債を暴落させて国の借金を減らす軟着陸説

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「日本銀行のバランスシート’10年上半期」
画像はこちらからお借りしました。
「米国債デフォルト後の世界経済はどうなる?1~国債が暴落しても、ハイパーインフレにはならない」で述べた論点は、次の通りである。
【1】現代の先進国では、消費欠乏が衰弱し、世界的に生産力が有り余っている。そこで、米債デフォルトを皮切りに世界中で国債が暴落(→株式が暴落)しても、需要が衰弱し生産力が余っているので、物価は上昇しない。
【2】「紙幣をばら撒けば紙幣価値が暴落し、無限に物価が上昇する」というのが経済学の常識であるが、経済学には「物価を規定するのは生産力と消費欠乏との相対関係である」という根本的な視点が欠如している。
【3】そもそも金貸し勢力が生み出した経済学というものが、全体構造の中の都合の悪い部分を捨象してはじめて成立する詭弁の体系だからある。要するに、経済学とは金貸しとその手先たちの騙しの道具にすぎない。
では、金貸したちは米国債デフォルトによって何を目論んでいるのだろうか?
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『ヤスの備忘録2.0 歴史と予知、哲学のあいだ』10月19日「これからアメリカはどうなってしまうのか?」から引用する。

●回避されたデフォルトと解除された連邦政府の閉鎖
アメリカでは、債務上限引上法案の可決が難航し、可決されなければ10月17日にもデフォルトする可能性があるとされていたが、ぎりぎりの16日に、米政府に来年2月7日までの国債発行を認めると同時に、1月15日まで政府機関を再開するための暫定予算が成立した。これで、短期間だがデフォルトは回避され、また連邦政府も再開された。
●来年早々にも繰り返される
だが、当然これで問題が解決したわけではまったくない。国債の新規発行では4カ月、連邦予算では3カ月だけ期限が伸びたに過ぎない。来年早々にも、同じことが繰り返され、世界がはらはらする状況が再現されるはずだ。
下手をすると、来年は交渉がまとまらず、本当にデフォルトしてしまう可能性もある。
●アメリカ人が恐怖する共通のモチーフ
ところで、極端なドル安と米国債の下落が発生し米国内が大混乱して、アメリカ第2革命が起こるとするイメージは、多くのアメリカ人が集合無意識で共有している恐怖のシナリオだ。
そうしたシナリオには共通したモチーフが存在する。そのモチーフはこうだ。
1)米国主導の金融システムの崩壊でドルと米国債は価値を失い、紙くずのような状況になる。
2)このため、米国内ではハイパーインフレが発生するため、多くの米国民が食料とエネルギーの確保ができなくなる。
3)一方、軍産複合体や金融界の支配エリートは、ハイパーインフレで大幅に減価した米国内の資産を独占的に買い占める。そして、民主主義を停止し、彼らが支配する独裁的な社会主義の体制を実現する。
4)米国民の多くは、これに抵抗して内乱を起こす。これでアメリカは政治が機能しない分裂状態になる。
5)他方、反乱を起こした集団は、既存の経済システムには依存しない自給自足の共同体を形成し、独自の広域経済圏の樹立を目指す。
6)こうした自給自足の共同体をベースにして、フリーエネルギーのさまざまな形態が生まれ、新しい社会の基盤となる。

このようなモチーフだ。
●リンゼー・ウィリアムスのイメージ
前半の1)から3)までのモチーフをもっともよく表現しているのは、グローバルエリートのリーク情報を流しているリンゼー・ウィリアムスだ。以下がそのモチーフだ。共通のモチーフに焦点を当てるため、日時の指定はすべて削除した。以下は2010年にリークされた典型的なモチーフだ。
・石油資本の支配エリートは、ドルの価値をほとんど紙くず同様の水準まで暴落させる計画だ。
・次の覇権国は中国にすると決定した。そして、ドルが紙くず同然になった時点で、我々はアメリカの主要な資産を独占的に購入する。
・支配エリートはアメリカのデフォルトを確実に誘導している。いつデフォルトするのか彼らは私に告げたが、その日時を言うことはできない。
・現在、国債の上限引き上げ法案の可決でもめているが、この法案が可決するかどうかにかかわりなく、アメリカは予定どおりデフォルトする。
・ドルの暴落の後、新しい基軸通貨が導入される。支配エリートはこの新基軸通貨をペトロドルと呼んでおり、金がその価値の保証となる。
・金の価格が1オンス、3000ドルになった時点で彼らはペトロドルを導入するつもりだ。銀の価格は1オンス、75ドルから100ドルになっている。
・このような状況を作り出し、民主主義を停止した独裁的な社会主義の体制を樹立する。

これは、米国債デフォルト→米国債が暴落しドル紙幣が紙クズ化→ハイパーインフレで減価した資産を、金貸しが金(ゴールド)を裏づけ新紙幣(ペトロドル)でもって買い占め、金貸し独裁的な社会主義体制を構築するというシナリオである。
しかし、「国債が暴落しても、ハイパーインフレにはならない」で提起されたように、消費欠乏が衰弱し世界的に生産力が有り余っている現代では、ハイパーインフレは起こらない(金貸しは食糧と原油価格を5倍に吊り上げるので、一時的に物価は2倍に高騰するが、一年もすれば元に戻るだろう)。
また、ハイパーインフレによって大暴動が広がり社会秩序が崩壊することは、金貸しにとっても危険極まりない。
そこで金貸しの目論みとして考えられるのが、より安全な軟着陸路線、つまり、デフォルトによって国債を暴落させた上で、中銀が国債を暴落した時価で買い取ることで国の借金を減らすという目論みである。
云わば、国債を暴落させて国の借金を減らす軟着陸説である。
国債が暴落すると紙幣への信頼も大きく揺らぐので、金(ゴールド)に裏付けられた新紙幣発行が不可欠となる(現在、金価格は’72年値の5倍に高騰しているが、これはロスチャイルドが’00年頃から新紙幣の裏付け用の金を買い占めているためだと考えられる)。
国債を1/10に暴落させた上で、中銀が新紙幣で旧国債(日本では1000兆円)を時価(100兆円)で全銀行から買い取る。中銀が買い取った国債の簿価は1000兆円のままなので、それだけでは国の借金は減らない。旧国債1000兆円を新国債100兆円に交換or評価換えする必要がある。
これによって、中銀のバランスシートは資産負債とも100兆円でバランスする。中銀にとっては新紙幣100兆円で新国債100兆円を買ったのと同じことであり、旧国債1000兆円が新国債100兆円に減価しても痛くも痒くもない。
但し、国債が1/10に暴落すると(物価は上昇しないが)、国債=資産に大穴が開く世界中の銀行は、帳簿上は破産する。
全銀行が保有する額面1000兆円の旧国債を100兆円で中銀に売れば、銀行には900兆円の大穴が開く。そのままでは銀行が潰れるので、中銀が900兆円を中銀債(巨額紙幣)で銀行に資本注入する。(つまり、中銀が全銀行を支配する)
中銀のバランスシートは、資産が新国債100兆円+銀行への資本金900兆円=計1000兆円、負債が新紙幣100兆円+中銀債(巨額紙幣)900兆円=計1000兆円でバランスする。資産と負債が10倍に膨らむだけである。
これによって国の借金が1000兆円→100兆円に減り、差額900兆円が銀行に移転する。これは中銀の貸付先が国家から銀行に変わることを意味する。ツケ回しされた銀行も、中銀から900兆円の資本(中銀債)を受けるから倒産はしない。中銀は銀行から配当収入を得ることができる。

まとめると、デフォルトによって暴落させた国債を、中銀が金を裏づけとした新紙幣で買い取った上で、買い取った時価と同額の新国債に交換することで国の借金を減らす(国の借金を銀行に移転する)という目論みである。

List    投稿者 staff | 2013-11-14 | Posted in 06.経済破局の行方No Comments » 

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