アイスランド崩壊
アイスランドは北極圏に接する世界最北の島国です。北海道と四国を合わせた程度の面積(約10万平方キロ)に約32万人が住んでいます。主な民族はノルウェー系アイスランド人。アイスランド語が公用語で、初等・中等教育で、英語やデンマーク語も習います。火山島であり、地熱発電が行われています。近海は世界有数の漁場で、水産業が主な産業、伝統的な捕鯨文化も残っています。NATO(北大西洋条約機構)に加盟していますが、自国の軍備を持ちません。金融業が発達し、2006年には1人当たりGDP(国内総生産)が5万580ドルと世界でもトップレベルとなっていました。
「アイスランド崩壊」 ~なんとアイスランドはGDPの10倍の借金返済が必要な国になりました
大手3行の莫大(ばくだい)な借金で金融システムのみならず、国そのものが吹き飛びかねない危機に直面していることを国民が知ったのは10月6日の深夜でした。全行を国有化する法律の成立を受け、ハーデ首相がテレビで「最悪の場合、国家が崩壊する恐れすらある」と明らかにしました。
アイスランドの名目GDPは日本円に換算すると昨年推定で約2兆円、今年の国家予算は約2800億円です。国有化された大手3行の借金は20兆円にのぼり、通貨クローナの暴落で実質的な返済額は2倍に膨れ上がったとみられています。
なんとアイスランドはGDPの10倍(もしかして20倍)の借金返済が必要となったのでした。
なぜそうなったのか? 続きは クイック
アイスランドは金融緩和が経済成長のエンジンとなり、国民1人当たりのGDP(国内総生産)は日本を上回って世界トップ水準。昨年、国連開発計画の国民の生活レベルの指標「人間開発指数」で世界1になるなど、つい最近までわが世の春を謳歌していました。
アイスランド大手3行は2000年以降、米投資銀行モデルへの傾斜を強めました。活動資金の6割を社債発行で市場から調達。残る4割は預金です。手堅い銀行の場合、資金の市場調達率は5割程度といわれています。アイスランドの政策金利は06年2月以降、国内経済の過熱を抑えるため10%を超えました。米国の超金融緩和と日本の超低金利が世界的な金余り現象を生み出していたため、アイスランドの高金利は格好の投資対象となったのです。
同国の大手3行は自国の企業家と組み、低金利の英大手銀バークレイズなどからカネを借りては英大企業やロンドンの高級ブティックを買いあさりました。アイスランド国民も銀行に勧められ低金利の外貨建てローンを組み、住宅やトヨタの高級4輪駆動車などを購入、政府も頭金なしで住宅ローンが組めるよう法改正したため、国内インフレを抑制できなくなりました。
昨年夏、サブプライムローン問題で、金融市場への資金供給が細る信用収縮が始まると、貸し倒れを保証する金融機関間の信用力保険「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS」市場で同国大手3行に対する保険料は急上昇を始めました。最初の“危険信号”でした。
一部の中央銀行は警戒を強めましたが、同大手3行はサブプライム関連の証券化商品は扱っていなかったとされ、格付け会社の評価は最高のトリプルAのまま。マネーゲームはさらに続いてしまいました。
そして、リーマン・ショックは世界に飛び火。欧州では各銀行が短期や長期の資金を融通し合う銀行間取引市場が完全にストップし、アイスランドの銀行は資金調達ができなくなりました。
「アイスランド崩壊」です。
高金利につられて集まった預金者の逃げ足も速く、100年超の歴史を誇る金融立国スイスも金融危機の荒波に襲われていますが、伝統的な銀行の秘密主義への信頼は揺るがず、富裕層の預金はどっしり腰を据えているそうです。
英国内の預金者保護をめぐり英政府が反テロ法を使ってアイスランドの銀行の英国内資産を差し押さえたそうです。
日本はなんの対応もせずにいるらしく、アイスランド中央銀行総裁の一人、フリドリクソン氏に「日本が貸した金は返してもらえるのか」と質問すると「コメントできない」とにべもなく回答があったそうです。
アイスランドは金貸しのシステム を取り入れたために「崩壊する」ことになった国ということです。
以上は11月14日8時3分配信 フジサンケイ ビジネスアイから省略再編して紹介しています。
【関連記事】
・ 日本主導で“強いIMF” 危機回避探る金融サミット
・ IMF、ハンガリー融資で合意
・ アイスランド最大手銀行、円建て外債が債務不履行
・ アイスランド、英国が“マネー紛争”
・ 【主張】G20金融会合 サミットで本質論議せよ
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nihon-syakai.net/blog/2008/11/927.html/trackback
コメント4件
ryo | 2009.02.24 22:36
十数年前から 工業生産の次は、教育産業は有力な産業の一つであると言われていた。たしかに、教育産業は成長して来ているが、新たな時代にも拘らず旧態のままの学校が潰れないのは、不思議であった。これから、やっと通常の世界になったと思える。
さいゆー | 2009.03.05 19:50
そもそも教育を「産業化」するのってどうなんでしょうね。そりゃ、産業化すれば同じような競合と競争することになって、負ければ潰れる、っていうのも折り込み済みなわけでしょ。
「学校企業」がどうこうより、「教育をどうする?」というように考える方が活力が出そうに思えるのは私だけでしょうか?
ナナミ | 2009.04.02 10:14
私も危ない大学を探していたら、こんなサイトを見つけました。
http://sinngaku.blog61.fc2.com/blog-entry-53.html
破綻が確実視されてい法人の実名とはどこでしょうか?!
危ないと分かっているのなら公表しないと、これから入学しようとしている学生さんが悲惨なことになりますね。