2008年12月04日

この大不況は新しい時代の幕開けである⇒共認原理に転換すればうまくいく

「佐々木俊尚 ジャーナリストの視点~世界恐慌時代を生き抜くベンチャースピリット」「この不況は新しい時代の幕開けでもある」と提起されている。
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●この不況は新しい時代の幕開けでもある
不況の時代には不況の時代としての意味がある。(中略)ビジネスも同様だ。新しいテクノロジー、新しいサービス、新しいアイデアは、つねにビハインドの時代に生まれる。過去、多くの起業家がそうやってビハインドをバネにして成功してきた。そういうケースは枚挙にいとまがない。

カラオケボックスをどう再生したのか
社長名鑑というサイトがある。レイスという人材採用コンサルティング企業が運営している社長インタビューサイトで、約150人のベンチャー経営者たちのインタビュー動画が無料で閲覧できる。このインタビューの集大成は、見ていて飽きない。
たとえばカラオケ「まねきねこ」チェーンを運営している株式会社コシダカの腰高博社長(48歳)のインタビュー。もともとラーメン屋を経営していたが、うまくいかない。この停滞している状況を何とか打破しようと、新規事業を考えた。そうしてカラオケ店運営に進出。「まったく新しい事業は無理だけど、ラーメンとカラオケなら何となく似ているから……」というどうしようもない理由である。これで終わっていたら、地方の他の平凡な経営者と何ら変わりはなく、あいかわらずリスキーな水商売をやっている人という範囲は超えないはずだった。
腰高社長がその域から脱するのに役立ったのは、苦境に陥ったことだった。カラオケ店を何とか3店舗出して、しかし相変わらず経営は非常に苦しく、先が見えない。おまけに金融機関からは「これ以上お金は貸せませんよ」と言われてしまった。将来がないと判断されて、見捨てられてしまったのだ。
そんなときにちょうど、ある人物から「潰れたカラオケ店を運営しないか」と話が持ち込まれた。最初は「そんなのできるわけがない」と思った。潰れる店というのは、潰れる理由があるんだから潰れたわけで、だったら運営し直したって同じことだろうと考えたのだ。

●どん詰まりの状況が、突破口を生んだ
でも銀行からもう見捨てられてしまって、これ以上融資は受けられないという状況の中で、きちんと新しく店を出せるような可能性もなかった。だったら「これをチャンスにするしかない」と開き直り、その潰れたカラオケ店を引き受けて、居抜きでオープンした。初期投資はこれまでの20分の1ですんだから、銀行からの融資が無くてもなんとかなったのだった。
ところがスタートしてみると、初期投資はわずか三ヶ月で回収できた。「これはひょっとしたらうまくいくのかも」と考えるようになる。そうして続けて潰れたカラオケ店を借り受け、居抜きの店を続々と出店させるようになる。そうして気がつけば居抜き店舗ばかり250店舗、全国に展開する成長企業になっていたのだった。
成功の秘密は何のことはない、お店の運営をきちんと変えたことだった。立地や設備ももちろん重要な要素だが、接客業の基本はやはり接客である、というごく当たり前のことを愚直に実現したのに過ぎない。腰高社長はインタビューの中でこう語っている。
「最初どう思ったかというと、ラーメンが苦しくて、何とかカラオケで一発当ててもうけてやろうと思った。でもそれだとお客さんがきてくれないなと、身をもって感じたんです。お客さんにきてもらうためには、喜んでもらえないといけない。それを毎日仕事をしていて強く感じた。それで経営理念の一番に持ってきているんです。これを私たちはM&M接客と呼んでいる。マスター・アンド・ママの略です。スナックとかバーのママ、マスターのような接客をしましょうという意味。これが社内で一人歩きして「M&Mやったか?」といった挨拶がわりの言葉になっていたりします。どれだけコミュニケーションとれてるか、どれだけ気配りできてるか。そういう姿勢でやっているんです

●ベンチャースピリットで大切なのは、底抜けの明るさだ
以上、紹介してみた。こういう話はベンチャー業界にはいくらでもあって、驚くほどではないかもしれない。しかしこうした「ちょっといい話」がいくらでもあって、そうしたチャンスを生かせる経営者がたくさんいるという事実そのものが逆に、日本のベンチャーの将来を明るく照らし出しているようにも思える。
こういう前向きで底抜けに明るい気概が、ベンチャースピリットには必要だ。深刻に考えるのと、真剣に考えるのは全然違う。笑い飛ばして前に進んでいくような人たちが、いま求められている。そうしたスピリットがある限り、金融王国の崩壊はチャンスにこそなっても、決してビジネスを後ろ向きにする材料にはならないと思うのだ。

一見、どこにでもある「ちょっといい話」である。
しかし、今後の日本の生産力⇒企業活力再生のための重要なヒントが並んでいる。
【1】逆境こそチャンスである。
金融破綻から始まる大不況という逆境は、日本の企業群が金貸し支配から脱するチャンスである。
ちなみに「逆境こそチャンス」という認識は、現代社会だけでなく、生物進化史を貫く構造事実(自然の摂理)である。
『るいネット』の以下の投稿を参照ください。
「逆境下で生物は進化した」
「逆境の連続が哺乳類を生んだ①」
「逆境の連続が哺乳類を生んだ②」
【2】共認原理に転換すればうまくいく。
「どれだけコミュニケーションとれているか、どれだけ気配りできているか」という腰高社長の言葉が象徴的である。金貸し支配の終焉→私権原理から共認原理への転換期では、「共認原理で運営すること」が大不況という逆境を乗り越えるための武器なのだ。
これも『るいネット』の以下の投稿を参照ください。
「共認原理で運営すれば、上手くいく!!~仕事編~①」
「共認原理で運営すれば、上手くいく!!~仕事編~②」
【3】今回の不況は私権時代5000年を覆す大転換期である。
上記【1】【2】の認識を支える重要な認識である。その認識こそが次代を切り拓く可能性への収束力を生み出すのである。
(本郷猛)

List    投稿者 hongou | 2008-12-04 | Posted in 06.経済破局の行方6 Comments » 

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コメント6件

 プロップ | 2009.03.14 22:46

17~18世紀は、マスコミによって人々の意識を一つの方向に向かわせることで、社会体制をひっくり返すことができるようになった魁だったのでしょうか。英のピューリタン革命。仏のフランス革命。そして米の独立宣言の背後にも新聞の影響力があったのですね。しかし、所詮新聞の始まりは金儲けの情報紙であることや、それぞれの革命も所詮金儲けの自由を獲得するという意味では当たり前の構造なのかなと感じました。

 スズムシ | 2009.03.14 22:50

アメリカは初めて観念のみで統合した国家といって良さそうですね。
マスコミによる世論誘導を調べるとアメリカには、エドワード・バーネイズとかマクルーハンとかプロパガンダを先駆的に追求した人がいるのは、他国以上に観念操作が必要だったということと繋がりました。

 ニョア | 2009.03.14 23:05

>独立戦争開戦当時は北米植民地の全ての人々が独立に賛成していたわけではなく、むしろ賛成し独立戦争に参加していた人々は少数派でした。
って驚きですね。
戦争に可能性を感じな方ということなんですか?
アメリカは血の気が多いというイメージがあったので。。。
でも、コモンセンスの発刊により、容易く戦争に参加できるようになるとは。
自らの私権を脅かされ、尚且つ新たな私権の獲得可能性を示されただけで、簡単に戦争に参加できるって怖いですね。

 ハリマ | 2009.03.17 20:05

「コモンセンス」が大ベストセラーになり、アメリカ国民が一致団結して、イギリスからの独立を果たしたということは、知っていましたが、「コモンセンス」が、商人達の目論みであったとは、知りませんでした。
現在のアメリカの金融危機の状況を見ると、「コモンセンス」が、政治的背景からのものではなく、商人たちの目論見と見たほうが、遥かに説得力がありますね。
また当時は、独立戦争に参加していた人々が少数派であったことも驚きでした。独立戦争を推し進めた中心勢力は、やはり商人達だったのでしょうか。

 縄文と古代文明を探求しよう! | 2009.04.15 16:29

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