【円安、物価高が続くと、日本経済はどうなる?】
総務省が発表した8月の全国消費者物価指数(生鮮食品除く)は、前年同月比2.8%上昇と消費税増税の影響を除けば平成3年9月以来、約31年ぶりの伸び率だった。急速な円安とロシアのウクライナ侵攻による原材料高で輸入品の価格が上昇し、食料やエネルギーなど生活必需品を中心に幅広い分野で値上げが続く。
ただ、米欧の物価高は日本より深刻で、8月の伸び率は米国が8.3%、ユーロ圏は9.1%と記録的水準が続く。海外に比べ穏やかな日本のインフレが家計を苦しめるのは、賃上げが追い付かず生活水準の低下に結び付いているためだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ff6bdc7f04d7e25a7bb46daf2785e4a1667e12fa
日常生活を見渡してみても、自販機の飲み物や、お買い得なはずの牛丼が値上がりしていたり、値段は据え置きでも、内容量が減っていたりと、物価が上がっている感覚はある。
私が働いているお店でも、主婦パートさんたちの話題に値上げしている商品が多いと、毎日のように話題にのぼっている。
とはいえ、10月からは全国で最低賃金が引き上げられている。大阪府では992円から1023円に引き上げられるなど、なんとか暮らしやすいように対策が打たれているようにも見える。来年4月の春闘で賃金が上昇するかどうかも注目のポイントだ。
物価高で生活が苦しいという報道が多いが、実は、これまで海外に生産拠点を持っていた企業の国内回帰の機運が高まっており、SUBARU、SMC、JFEエンジニアリング、京セラなどの大手企業が自社の生産拠点を日本へ回帰させ始めている。
https://newswitch.jp/p/33184
また、岸田首相は10月3日(月)午後にも、「円安メリットを生かした経済構造の強靭化を進める」と発表している。特に半導体や蓄電池の工場立地、企業の国内回帰や農林水産物の輸出拡大などに取り組む考えを示している。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-10-03/RJ5F1UDWLU6A01
急激な円安で、海外の生産拠点を日本に移す国内回帰の動きが加速しそうという記事もある。
アイリスオーヤマは中国産を国内産に替えることで、コストを2割削減するという。
また、アパレル大手のワールドは2、3年前は、100名を切った時代もあるが、国内回帰を受けまして、人員的な増強を会社としてあげていて。現在は127名という規模で、20%強の増強をしている」
この工場では、採用人数を増加。通常6人ほどで行っていたライン作業を今は倍の12人にまで増やすなど、地域経済の活性化にも一役買っているという。
https://www.khb-tv.co.jp/news/14727742
物価高で生活が苦しいという空気が漂っているが、俯瞰してみてみると、円安で日本企業の国内回帰を加速させ、技術力を取り戻し、安定基盤をつくろうとしているようにも見えないだろうか。
もしかすると、日本産業を再生するために、円安を継続しているのかもしれない。
引き続き、動向を追いかけていきたい。
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