2009年07月06日

権限拡大か?監視対象か? FRBの今後 ~連邦準備制度透明性法案~

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写真はこちらからお借りしました。
 
金融破綻の顕在化以降、アメリカ経済は公的資金の注入から会計基準の変更まで様々な手口で、延命を図ってきました。
とは言え、いくら手を尽くしても全く資金が足りない状況であり、最終的にはFRBの輪転機フル回転に縋らざるを得ないのは確かです。
 
ガイトナー財務長官はさらなるFRBの権限の拡大・強化を試みようとしています。
 
が、しかし。。。

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一方で、ロン・ポール氏を始めとする議員メンバーは、FRBに対して連邦政府が審査を行い、透明性を示すように義務付ける法案を導入しようとしており、議会の半数以上の支援者を得るまでになっています。

●ロン・ポール議員の法案が連邦準備銀行を追い詰める
 ホワイトハウスと財務省はFRBの自治権拡大を模索する
http://www.americanfreepress.net/html/fed_on_the_hot_seat_183.html
【6月27日 AFP】
 議員の中で、連邦政府の役人らに中央銀行を審査する権限を与えることで、連邦準備銀行の銀行家たちを厳しい審査の場に引きずり出そうとする動きが強まっている時、ティモシー・ガイトナー財務長官は、私的に所有されている連邦準備銀行に、金融市場の正常化のため、より一層権限を与えるよう議会に図っている。
 AFPの6月29日号では、テキサス州の共和党議員であるロン・ポール氏によって連邦準備制度透明性法案が導入され、議会に掛けられるだけの充分な支援者を獲得したことを報告した。
 この法案は、連邦政府に対し、私的に所有されている連邦準備銀行とそのさまざまな資金調達の武器を審査する権限を与える。この武器で、数兆ドルのローンを組み、貸し出し、あるいは保証をウォールストリートの仲間と金融機関に与えてきたのだ。
 当時、この法案は議会の半数以上となる226名の共同支援者がいた。それ以来毎日増えており、今や243名になっている。
 ポール議員の法案はますます注目され、ガイトナー氏が最近行った声明と際立ったコントラストを示している。ガイトナー氏は連邦準備銀行により一層の権限を与えようとするものだ。
 ガイトナー氏にとっての問題は、アメリカが直面している経済問題の原因だと非難されている前FRB議長のグリーンスパン氏の野放しの金融政策だ。数十年にわたって、グリーンスパン氏は世界にドルを垂れ流し、ウォールストリートの投機家や銀行家らに、金融墓穴を深く掘らせる環境を作ったため、メイン・ストリートまで巻き添えを食らっているのだ。
 オバマ政権によって提案された金融問題の根本的な解決のための一環として、ガイトナー氏はFRBに金融機関、例えばシティ・グループとかバンク・オブ・アメリカなどを監視する、より一層の権限を与えようとしている。これでは、鳥小屋の大方のニワトリを食べつくしたキツネを、今度は育雛器の中に入れるのに等しいものだ。
 この件についての公聴会で、FRBに対して長いこと批判的だったジム・バニング上院議員(共和党・ケンタッキー)は、「こんな時にFRBがベターな仕事ができると、どうして考えられるのか?」とガイトナー氏に迫った。ガイトナー氏は、FRBに権限を与えることが「状況から言って、それが最適と思ったからです」とだけ答えるのが精一杯だった。
 ガイトナー氏が中央銀行側につくことは、氏が2003年から2009年までニューヨーク連邦準備銀行の頭取を務めたという事実からして驚きでもなんでもない。ニューヨーク連銀はそれがウォールストリートに近いということと、金融政策を決定する時のリーダーシップの役割からして、一番力のある連銀と考えられている。
 それはそうと、ポール議員のFRBを審査せよとする呼びかけは全米の新聞の見出しを飾った。
 6月半ば、CBSはポール議員の「FRBの全面的な審査を委任する」政策の詳細を報道した。「議会の中のH.R. 1207に対する大きな草の根の超党派的な支援が、いかにアメリカの大部分の人々がFRBの秘密性にうんざりさせられているかを示している」とポール議員は語った。「私はこの問題がより一層多くの人々の目に触れることを願っている」
<連邦準備制度の闇が暴かれる可能性が増してきた> ROCKWAY EXPRESS より

これまで、FRBはアメリカ(の一部の層)にとって、打ち出の小槌でしたが、米国債の買い取り額宣言を出すなど、かなり追い込まれている状況です。
 
6月28日 なんでや劇場 レポート(4) FRBがドルを刷る権利を失った!?
 
この状況下において、連邦準備制度透明性法案が可決されれば、FRBは完全に身動きが取れなくなります。つまり、米国債を買い支える最後の砦がなくなるということです。
 
銀行家たちが築いたドル支配体制は、国外からだけではなく、米国内からも引導を渡される寸前にあるのです。
 
 
最後まで読んでくれてありがとうございます☆
応援よろしくお願いします!

List    投稿者 lived104 | 2009-07-06 | Posted in 06.経済破局の行方1 Comment » 

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コメント1件

 kota | 2009.11.19 22:45

>しかし最近では、アメリカの日本経済研究者の間では「2015年くらいまでは、日本の金を使ってアメリカの繁栄を支える。2015年になれば日本の金は尽きてしまう。その時は中国とインドをアメリカ財政の補給源にする。」という見方が強くなっている。
>日本はアメリカによって使い捨てにされようとしている。
紹介されている投稿から3年しか経っていないとは思えないくらい、今や状況は変化していますね。
アメリカの繁栄(=偽ニッチ)は見る影もなく衰退し、自民党から民主党への政権交代に伴い3年前には想像できなかった脱米の中流が形成されつつある。・・・民主党の政策に手を焼くアメリカの姿はある意味新鮮です。
そして、その背後にはマスコミの衰退とネットを中心とした国民の事実追求⇒共認形成の萌芽・・・。
ここで重要になるのは、やはり背後の力関係の分析ですが、金貸しから金主である欧州貴族に主導権が移行したとしても、根本にある観念が旧観念のままでは当然ながら真の変革には至りません。(民主党も然り・・・偽ニッチに留まる。)
新理論がどのように形成されて、拡がっていくのか?どうやってその流れを作っていくのか?に注目していきたいです。

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