2008年12月12日

新ドル切替は世界で許容されるのか?

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米国では、金融危機対策として大量の公的資金が投入されているが、まだまだ底が見えない状況となっている。
この状況に対して、吉田繁治氏が米国経済の負債、FRBのドル発行限界、ドル切下げに対して分析を行っている。
分析の概略は以下のようになっている。

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米国政府が今回の金融危機に関連する経済損失を補うのに必要な資金は1000兆円オーダーである。
資金の調達方法は国債を発行して、外国に買わせるか、FRBに買わせるかのどちらか。
いずれにせよ米国債のみが資金源。
 
米国債購入候補の諸外国(中国・日本・アラブ)では、今回必要な米国債を引き受けることはできない。
 
FRBのみが米国債の引き受け手となり、ドル紙幣を大量にばら撒けば、ドルの信用が低下して米国の実体経済は恐慌に陥るので、なんとしても避けねばならない。
 
この状況の打開策として、新ドル(交換比率 新ドル:旧ドル=(たとえば)2:1)の発行を、米国政府およびFRBは選択する可能性がある。

(詳細は081130 ビジネス知識源:特別特集:世界金融危機は、どう決着するのか?をご覧ください)
確かに、ドルの価格水準操作は過去の歴史(ex.1934年のドル切下げ)から見ても十分に考えられる選択肢である。
 
ただし、この新ドル発行は、旧ドルの価値(債権・債務)を半減させることはできるが、新ドルの信用を高める効果はない。
一時的にこの機器を回避できたとしても、遠くない将来に同じことが繰り返されることを予想するのは、難しいことではない。
 
ゆえに、この策によって経済破局をソフトランディングに導くには、米国債を保有している諸外国に了承させる必要がある。
 
日本政府はすんなり了承するのかもしれない。
しかし、世界最大の米国債保有国(2008年9月末で5850億ドル)である中国はどうだろうか?
 
現在の中国はこの金融危機によって、輸出が激減して企業倒産の連鎖が起こって混乱が発生し始めている。
【参考】
 新型「民工潮」は都会から地方へ逆流。すでに数百万人の環流流民
 中国経済、いよいよ未曾有の大破綻、それも唐突に超弩級に
(宮崎正弘の国際ニュース・早読み)
 
ここで、米国だけが借金をリセットして、中国が債権を失うような選択肢を「はいそうですか」と簡単に受け入れるわけにはいかないだろう。
 
新ドル切替の強行は米中関係の悪化をもたらし、やむなき手段という以外に正当化できる理由もない以上、米国は外交上の立場はいっそう弱いものになる。
 
そして、これは中国以外の米債権を持つ国家に関しても同様である。
 
 
新ドル発行は金融市場の敗戦処理であって、米国が覇権を取り戻す打開策ではないのだ。
現状のシステムを維持する方策ではなく、そもそも現状のシステムに問題があるのだという認識が必要である。
 
もはや、市場はダマシを繰り広げて私益を貪り、生じる問題を国家に押し付ける寄生虫であることは、明白な事実なのだ。
 
国家主導で市場を管理し、通貨発行権を金貸から取り戻して国家紙幣を発行し、必要なことにお金を投入するシステムを提示していくことが、現在考えられる突破口ではないだろうか。
 
日本が取り組むべきなのは、米国の尻拭いではなく、新しい金融システムの構築の先陣を切ることであると思う。
 
【参考】
国家紙幣の本当の意味~新しい社会的活動(仕事)の創出
 
応援よろしくお願いします。

List    投稿者 lived104 | 2008-12-12 | Posted in 06.経済破局の行方2 Comments » 

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コメント2件

 米流時評 | 2009.03.26 7:04

資本家は何処へ行った?ガイトナー・ソルーションの行方

  ||| ガイトナー・ソルーションの行方 |||
 ガイトナー財務長官のほどこす財政の大手術で、米国経済は生き返るのか?
『米流時評』は通…

 K.G | 2009.04.02 19:19

戦後日本で民衆支配の最大効果はやはりテレビということになるでしょう。米国が日本に持ち込んだものが、テレビと言う機械と米国物質文明を刷り込む海外ドラマ、力道山や沢村栄治などの日米スポーツ娯楽だったのですね。

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