資源・食糧価格は再び高騰するか?
では、この消去法的選択によってドルや米国債が暴落しないかと言えば、事態はそう楽観できない。世界中の資金が逃避先として資源・食糧、つまり現物に向かう可能性がある。その場合は、米国債の暴落と資源・食糧の高騰という事態が同時に起きる危険性すらある。
「ビジネス知識源:遙かな国トルコ(2):経済と文化のコンチェルト」から引用。
いつも応援ありがとうございます。
▼先進国では、原油とコモディティの高騰と下落があった
先進国世界でも、今、これに似たことがあります(価格高騰と下落)。つい最近の2008年7月には1バレール$140だった原油は、今、30~$40を波動しています。米ドルがファンドの原油投機に集まり、需要の伴わない高値を警戒して、逃げた。
日経国際商品指数(資源・金属・穀物・食品100品種のコモディティの、価格指数:円単位)は、1970年末を100として、2008年7月が224でした。09年1月末は110です。国際コモディティが半分や三分の1に下がる中、ゴールドのみが、価格を保ち、各国のペーパーマネーの増刷を原因に、再び上がっています。(1グラムの売値で3125円:09年2月20日)
■6.再び、ゴールド価格上昇
09年1月15日(1グラム2500円付近の安値)から、2ヶ月で3100円付近に24%上がっています。理由は、インフレを予想するヨーロッパ勢の買いです。西欧では、ポンドとユーロの下落で、輸入物価が上がっています。ゴールド価格の上昇は、ドルとユーロの下落予想を示すものです。
▼円から見れば目立たない
日本円は対ドルで昨年比20%、ユーロ比では35%の円高になっているので、今年のゴールドの価格高騰が、米欧や、通貨が激しく下がった新興国ほど目立ちませんが、再び、08年2月と7月の高値$1000ドル(1トロイオンス=31.1グラム)めざしています。今、欧州は、アメリカの約半年遅れで、住宅価格下落と金融危機の深刻化です。欧州と米国は、時期の遅れだけで、(日本では余り報じられませんが)金融の状態は、米国と同じです。特に、中東・欧州と米国の金融仲介国である英国は、GDPに対するその損失が一番大きい。ユーロと英ポンドの下落(ユーロ売り、ポンド売り)が、それを示します。(注)ユーロ=118円:英ポンド=134円:09年2月20日
ユーロとドルが下落するという予想があると、人々は、マネーの一部をゴールドに換える動きが出て、ゴールドが上がります。ただし、今後、上昇の一方向というわけではない。高くなったと見ると、資金繰りに困る政府、金融機関、投資家が売るからです。売るときは、例えば手持ちが10トンならそのうち3トンを売ると言った具合です。売って価格が下がれば、手持ちのゴールドの価格も下げ元も子もないので、「これくらい売っても下げない」という見通しで売りに出る。持ち手が「高値」と見て売りすぎれば、また下がります。ドル価格で$1000ドル(31.1グラム)は、USB(ユニオンバンク・オブ・スイス)の最近の高値予想です。ゴールドは、$価格で見ないと、分かりません。
このように金価格は既に上昇している。さらに資源・食糧価格が底入れしているという観測もある。
「商品相場:底入れ始まっている、4-6月に上昇へ-英バークレイズ」3月5日(ブルームバーグ)
投資銀行の英バークレイズ・キャピタルは5日、原油など商品の相場の底入れは既に始まっており、4-6月(第2四半期)には上昇する可能性が高いとの見方を示した。中国の景気刺激策の効果が表れ始めているためとしている。
アジアの商品セールスを管理するディレクター、ジャスティン・ハイド氏は香港で、バークレイズが、原油相場が4-6月に50ドルに、 10-12月(第4四半期)までに76ドルに上昇すると予想していると述べた。同氏は、現行水準で商品市場に投資することを推奨している。
『代表戸締役 ◆jJEom8Ii3Eの妄言』「欧州債券市場の悪化 金融機関の苦悩」
景気対策と経済安定の為の通貨の大量供給、それに伴う国債増発、拡大する中央銀行のバランスシート、そして、債権下落による毀損リスク、通貨の希薄化不安定化が進む中で、資源価格が再び上昇をはじめた。バランスとりに失敗した場合、ハイパーインフレが待っている。
「NY原油反発、終値45.52ドル 一時1月下旬以来の高値」(3/7日経ネット)
このように、世界中の資金が逃避先として資源・食糧に再び向かう可能性がある。その場合は、米国債の暴落と資源・食糧の高騰という事態が同時に起きる危険性すらあるのではないか。
(本郷猛)
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コメント6件
mokki | 2009.06.26 19:26
>このように見ていくと、どうも、『国家制度』という受け皿の整備状況と、『インターネット』への発信状況が反比例していると感じますね。
確かに、制度の問題が一番大きいと思います。逆に言うと、そのお陰で子育てサイトが盛り上がっているんですよね。
特に都市での土着コミュニティ再生が急がれていると感じています。
米流時評 | 2009.06.26 22:11
マイケル・ジャクソン急逝!享年50才
||| RIP マイケル・ジャクソン急逝 |||
グローバルな天才スーパースター、成功と醜聞に満ちた 数奇な人生にピリオド。
マイケル・…
unimaro | 2009.06.28 22:28
興味深いです。
特に
>現象事実や相手の背後にある期待を捉え、それを相手に観念で伝えるために必要な構造認識がない。このため、事例や現象のレベルでの遣り取りに終始し、系統立てた議論にならない。あるいは、マスコミから発信された一般論や自分の意見としての遣り取りが増え議論が収束していかない。
②また、問題が複雑になると必ず相手の表情や、声のトーンなど言葉にならない部分で相手の反応を判断軸とする場面が出てきます
いやー、毎日のように嫁や母親に感じている問題をよく簡単にまとめてくださって、、
皆さんやはりそこを問題だと思っておるのでしょうね。
でも旦那方はみな努力して改善できているのでしょうか、気になります。
mokki | 2009.07.01 15:16
>unimaroさん
>でも旦那方はみな努力して改善できているのでしょうか、気になります。
ネットでは認識形成の場が作られ始めていると思いますが、それだけでは不十分で、やはり対面共認の場も必要だと感じています。そんな場をもっと作っていく必要があると思います。
svizra hermes bags | 2014.02.03 1:26
hermes bag 50000 日本を守るのに右も左もない | お母さん達のネットコミュニティの現状は?
35♂ | 2009.06.26 4:38
子供の年齢とスレッド数のデータが非常に分かりやすいですね。参考になりました。子育てを身近に見てきた私の感覚とも合致します。
0歳のママさんは、1~3時間おきの頻繁なおっぱいやオムツ換えのため、また、未熟で病気などの心配から連れ出すのが不安なため、ママ友(対面共認)が欲しくても、家に居ることを選択してしまいます。しかし、分からないことが多く、1人で不安も強いから、ネット発信に最も向かう時期になりますね。
1~2歳のママさんは、子供が歩くようになり、離乳食を食べるようにもなり、外出しやすくなります。恐らく、この時期が最も子育てサークル、つまり対面共認を求めて、外に出る時期ですね。だから、ネットと子育てサークルと半々になり、ネット発信も半減します。
3~5歳は、幼稚園という受け皿(国家制度)に委ね、積極的に自分から外に出なくてもよくなります。最近は、3歳から入れる親の方が多いです。何かあったら直接先生に聞くことができるようになり、ママ友も幼稚園近辺に固定化されます。遠くの子育てサークルに行くこともなくなり、ネットへの発信も低下します。
そして、6歳からは小学校で、慣れてきた2年生からは、学校任せの時間も増え、ネットへの発信はしなくなるというわけですね。
このように見ていくと、どうも、『国家制度』という受け皿の整備状況と、『インターネット』への発信状況が反比例していると感じますね。