2008年10月14日

G7決定事項→株価急騰の構造  ~世界レベルでの大盤振る舞いではないのか?

10月14日、世界的に株価が急騰した。
この構造を追究してみたい。
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左からポールソン米財務長官、イタリアのトレモンティ経済・財務相、中川財務相、G7終了後。渋い表情なのはなんで?

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先週末、ワシントンで開催されたG7が影響していると言われている。
G7で何が決定されたのだろうか?
■『株価急騰! 進む円安! その要因となったG7の対応策で特筆すべき点とは?』より引用

(1)今、銀行が抱えている不良債権を国が買い取る
(2)中央銀行が、資金市場へ大量に(場合によっては無制限に)資金を供給して、金融機関の資金繰りがうまく回るように助ける
(3)各国の民間銀行に公的資金を注入する。つまり、民間の銀行を一部、あるいは全部国有化する
(4)民間の金融機関の預金を国が全部保護する
(つまり仮に銀行が倒産しても預金は全部保証されるということです)
(5)各銀行がお互いに不信感をもってしまって、銀行間取引で資金の融通をしなくなっていることに対応して、こうした銀行間取引にかかわるお金の貸し借り分も全部保証する
(1)と(2)はすでにG7前から各国が対応していました。また、(3)に関しても、ヨーロッパは先にこうした対応をとっており、サブプライムローンショック震源地であるアメリカもいよいよ民間銀行に公的資金を注入することを決断したようです。
今回のG7で特筆すべきことは、(4)と(5)です。
今、最大の問題点は世界の投資家がこの先、世の中がどうなっていくのか、銀行は大丈夫なのかと漠然とした不安を抱えていることにあります。それをまず払拭してやるということがとても大事なわけです。
しかし、国有化したり、不良債権を買い取ったりするだけでは、不安はまったく解消されないという状態が続いていました。銀行同士も疑心暗鬼になって、お金を出し合わなくなり、国民も銀行からお金を引き出して、タンス預金で持っていようと思い始めます。
そうなると、世の中にお金が回らなくなってしまって、経済がおかしくなってしまう。これを防ぐ必要がありました。今回の(4)と(5)の対応策はそこまで踏み込んで考えた対策です。
(以下略)

(4)は中川財務相が預金保護強化に言及しているし、
(5)も欧州ですでに動きがある
今日の株価急騰は、G7決定→このあたりの具体的な動きを反映してのものに間違いないだろう。
しかし、実践するには各国(≒全世界)での公的資金注入が不可欠なはず。どうやって調達するのか?
さらに、この世界レベルでの大盤振る舞いが底を見せたとたん、何倍もの規模となったリバウンドが市場を襲うことになるのではないだろうか?
つかのまの急騰に安心している場合ではないと思う。

List    投稿者 ohmori | 2008-10-14 | Posted in 06.経済破局の行方9 Comments » 

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コメント9件

 kanedasuke | 2009.01.02 10:37

要するに自分のためでなく、人のために勉強をしようということですよね

 kanedasuke | 2009.01.02 10:37

要するに自分のためでなく、人のために勉強をしようということですよね

 家庭を聖域にしてはいけない | 2009.01.06 0:44

江戸の教育を探る-1-寺子屋の歴史と意義

※寺子屋の様子:画像出典=松本市ホームページより 会員の皆様、読者の皆様、本年…

 rei | 2009.01.06 21:20

金融危機の影響からか?大学受験生の中で、経済学部志望者が急増しているそうです。
若者の『勉強収束』の背後には、福翁同様「社会をどうする?」という当事者意識が芽生えているのではないかと思います。

 ぷんぷん | 2009.01.06 21:49

>「社会をどうする?」から皆が勉強に向かっていく年になるのではないだろうか。
「1分間勉強法」「残り97%の脳の使い方」「脳にいいことだけをやりなさい」等々の本が売れている。
ここ数十年間は情報化社会の中で流されるだけだった大衆も、ようやく生きる術を先人から学び、社会の中で活かす方向に向かい始めたようです。
というわけで、私も上記の本をこの年末年始に1分間リーディングで読ませていただきました!

 kota | 2009.01.08 20:40

>「いかに少ない学力で、いかに高い学歴を獲得するか」という競争にこの国の子どもたちは熱中している。
問題は「費用対効果」だからである。
「中学生程度の学力で一流大学に受かる」というのは、「電話一本で1億円稼いだ」とか「キーボード叩くだけで巨富を積んだ」というのと同類の「クレバーな生き方」なのである。
これはまったくもって、市場原理的な発想だと思いました。
つまり、明治以降の市場原理の浸透に伴い、何であれ己の私権獲得に繋がるか否かが関心事となり、勉強も「費用対効果」・・・やる意味があるか否かの損得勘定で計られるようになる。
結果、全て己の判断が第一となり、未知の対象から“学ぶ”という謙虚な姿勢が失われてしまった。
これは、“学ぶ”の原点である“真似び”・・・謙虚に対象を真似、同化する能力の喪失をもたらした・・・・これも、「学力低下」の原因の一つだと思いました。

 sinkawa | 2009.01.10 20:59

kanedasukeさん、reiさん、ぷんぷんさん、kotaさん、コメントありがとうございます。
いかに少ない労力で大きな成果を出すかが、頭のいいやり方である、と現代人の誰もが考えてきたのではないでしょうか。
金融工学など、その最たるものだと思います。
市場原理による活力の出し方、勉強の仕方を脱却し、課題解決に向かっていく時代に入ったのだと感じます。

 NSM | 2009.01.10 21:28

>「1分間勉強法」「残り97%の脳の使い方」「脳にいいことだけをやりなさい」等々の本が売れている
これらは、
一種のハウツー本の類と言えよう。
一昔前のハウツー本との大きな違いは、かつては、私権(お金や地位や女(男))を獲得するためにどうする?といった成功体験談ややり方が中心に書かれいたのに対して、
上記の本は、これを習得したからといって、私権が獲得出来ると言うものではない。しかし、短時間に膨大な情報量を処理したり、脳を活性化させることによって、
みんなが期待している
>「社会をどうする?」
ということに答えを出せる可能性が高くなる。
それを察知し(潜在思念が捉えて)売れているのでないだろうか?
もう一つ大きな違いは、普遍性が高い。あらゆる場面で応用できるという点である。

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