2013年11月10日

米国債デフォルト後の世界経済はどうなる?1~国債が暴落しても、ハイパーインフレにはならない

%E3%83%87%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%83%88%E3%82%B7%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%82%AA.jpg
国債が暴落すると本当にハイパーインフレになるのだろうか?
画像はこちらからお借りしました。
米上院は10/16、連邦債務の上限を短期的に引き上げて来年2月までの借り入れを可能にする法案を賛成多数で可決した。野党共和党は抵抗を断念、同党が過半数を占める下院も同日可決した。米国債のデフォルト(債務不履行)は一旦は回避され、政府機関の活動も正常化する。しかし、単にデフォルトの危機が先延ばしされたにすぎない。今年の年末~来年初めにはデフォルト問題が再燃することは必至である。
米国債がデフォルトすれば、世界はどうなるのか? 金貸しの目論みは何なのか?
いつも応援ありがとうございます。

にほんブログ村 政治ブログへ


上記の画像だけではなく、ブログ界でも米国債デフォルトによってハイパーインフレになる唱える識者は多い。例えば、『ヤスの備忘録2.0 歴史と予知、哲学のあいだ』10月19日「これからアメリカはどうなってしまうのか?」である。

●来年もデフォルト懸念で現実味を帯びるモチーフ
さて、このまま行くと来年早々にもデフォルト懸念が発生するわけだが、もし本当にアメリカがデフォルトすると、これは米国債の急落と極端なドル安の引き金になることは間違ない。
いわばこれは、恐怖のモチーフが的中し、ハイパーインフレによる食料難とエネルギー不足が実際に発生するということである。大抵こうしたモチーフは、近未来予言や陰謀系の計画として提示されているが、それらがいよいよ的中するというわけだ。
●これは予言ではなく、アメリカ人の集合意識
だがこのモチーフは、予言や陰謀であるとは限らない。あらゆる媒体で共通のモチーフが出現する再帰性から見ると、このモチーフはいわゆる予言のようなものとして扱われるべきではなく、多くのアメリカ人が恐怖の対象として広く共有している集合意識の内容なのではないだろうか。つまり、いまの生活が破壊され、貧乏になるのではないかというアメリカ人が恐れる恐怖のシナリオだ。
●イミーバでまとめられ、現実性が高まる
メルマガでは、我々の生きる新しいタイプの資本主義2.0では、多くの人々が匿名で対話をするSNSなどのイミーバで提供されるどんな奇想天外な情報も、内容がまとめられ、実際に存在する現実の出来事とリンクされると、強いリアリティーをもち本当の現実であるかのように一人歩きが始まると何度も解説してきた。
ドルの紙くず化からハイパーインフレが起こり、米経済が崩壊して社会主義体制が樹立され、これと戦う過程で自給自足的な経済圏が形成されるとする恐怖のシナリオは、イミーバの通常のプロセスを媒介して、強いリアリティーのあるビジョンになり、一人歩きを始めている。
●信じた多くの人々が自己実現的に行動する
そして、リアリティーのあるビジョンが一人歩きを始めるとなにが起こるのだろうか?それは、これを信じた多くの人々が、このビジョンがまさにこれから実現する現実だと信じ込み、これを実現するために自己実現的に動くということだ。
このケースで言えば、それは、地域ベースの自給自足的な経済圏を理想と考える集団が、連邦政府の閉鎖とアメリカのデフォルトをむしろ望み、経済をゼロ状態から刷新することになるドルの紙くず化を誘導する行動に出るということである。
●このビジョンこそ、茶会派が支持するもの
実は、このビジョンこそ、連邦政府の閉鎖の原因となり、債務上限引上法案にも反対している茶会派のビジョンなのである。
このビジョンは、ハルマゲドンが実現し、神の降臨による千年王国の実現を理想化する再洗礼派などのキリスト教原理主義者が、ハルマゲドンのシナリオの実現に向かって行動するようなものである。すでにそうした行動は実際に始まっているが。
とするならば、今回の連邦政府閉鎖とデフォルト騒ぎは、いわば茶会派が象徴しているアメリカ人の集合意識が、自己実現を目指して動き出したことを意味しているのではないだろうか?

これは「米国債デフォルト→国債大暴落とドル紙幣の紙クズ化→ハイパーインフレ→米経済は崩壊し自給自足的な経済圏が形成される」というシナリオであるが、このシナリオの前提になっているのは、国債暴落によって紙幣が紙屑化してハイパーインフレになるという経済学的常識である。
しかし、今回、「国債が暴落しても、超インフレにはならない」という最新の認識を提起する。

『るいネット』「国債が暴落しても、ハイパーインフレにはならない」から転載する。
現代の先進国では、消費欠乏が衰弱し、世界的に生産力が有り余っている。そこで、米債デフォルトを皮切りに世界中で国債が暴落(→株式が暴落)しても、需要が衰弱し生産力が余っているので、物価は上昇しない。
(もっとも、金貸しは食糧と原油価格を5倍に吊り上げるので、一時的に物価は2倍に高騰するが、一年もすれば元に戻るだろう。)
「紙幣をばら撒けば紙幣価値が暴落し、無限に物価が上昇する」というのが経済学の常識であるが、経済学には「物価を規定するのは生産力と消費欠乏との相対関係である」という根本的な視点が欠如している。
確かに、戦前~戦後にかけては、どの国も一貫してインフレに苦しんでいた。
これは、世界的に貧困の圧力が働いていたことに加えて、金貸し勢力が演劇や映画やマスコミを通じて消費欠乏を過剰に刺激してきたことによって過剰な消費欠乏が喚起され続けており、その過剰な消費欠乏に対して生産力(供給力)が世界的に不足していたからである。
この状況下で、(第一次大戦後に膨大な賠償金を要求された独のように)国家財政が破綻し、国債を発行して紙幣をばら撒いた場合は、貨幣への信頼が崩壊し、物価が際限なく上昇して紙幣が紙屑化しハイパーインフレになる。
それに対して、現在の先進国は米国も日本も財政が破綻し(昔の独と同じように)紙幣をばら撒き続けているが、ハイパーインフレにはなっていない。それどころか、どの国もデフレに苦しんでいる。
それは、’70年豊かさの実現によって先進国の消費欠乏は衰弱する一方であるのに対して、他方の生産力は中進国を含めて世界中で有り余っているからである。
大衆はモノを買う気にならないし、企業も作っても売れないので設備投資をしない。だから、アベノミクスなどと称してどれだけ紙幣をばら撒いても、景気は回復しない。それどころか、デフレが進行する一方である。
バブル(崩壊)もデフレも、そのトップバッターは日本であったが、日本の消費者物価上昇率はこの20年間、ほぼ0%である。それも金貸しが原油価格を石油ショック以前の10倍にまで高騰させていて0%なのであり、原油高騰がなかったら、間違いなく物価は下落していたであろう。
紙幣をばら撒けばインフレになるという経済学の常識は、貧困な時代には当てはまるようにも見えるが、歴史貫通的な普遍性のない局部的な認識にすぎず、根本的には間違った認識である。
それは、経済学が、大衆の消費欠乏の問題を完全に捨象してきたからである。それどころか、経済学は人間の欲望(消費欠乏)は無限に拡大するという嘘を暗黙の大前提としてきた。しかし、現実の消費欠乏は衰弱する一方であり、これでは経済学に基づく経済政策が、ことごとく見当違いな失策となり、経済が再起不能なアリ地獄に沈んでゆくのも当然である。
これは、そもそも金貸し勢力が生み出した経済学というものが、全体構造の中の都合の悪い部分を捨象してはじめて成立する詭弁の体系だからある。要するに、経済学とは金貸しとその手先たちの騙しの道具にすぎない。
こんなペテンを学問として大学で教え、それを官僚やマスコミが喧伝してきた結果、何故デフレになるのかさえ誰一人として解明できずに、政府は紙幣をばら撒くだけの幼稚な経済運営を続けることになる。
 

List    投稿者 staff | 2013-11-10 | Posted in 06.経済破局の行方No Comments » 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nihon-syakai.net/blog/2013/11/2641.html/trackback


Comment



Comment


*