2008年10月24日

政府紙幣の発行も現実味を帯びてきた?

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写真〈大日本帝国政府紙幣〉
とうとう株価が8000円台を割り込んだ。可能性はあると思っていたが、あまりにもあっさり安値を更新した。24日の東京株式市場の日経平均株価は3日続落し、一時、前日終値比813円91銭安の7647円07銭まで下落した。03年4月28日につけたバブル経済後の最安値(終値7607円88銭)を更新するまで約40円に迫る安値水準となった。
円高と株安で、日本の輸出産業は大打撃である。アメリカ発の株価暴落は、いよいよ大恐慌の様相を呈してきた。ある意味では、無理やり拡大し続けてきた市場原理主義の終焉と言えるかもしれない。
国の借金も850兆を超える日本に打つ手はあるのだろうか?

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政府紙幣というのを聞いたことがあるだろうか?
普通は、日銀が紙幣を発行しているわけだが、国家が直接紙幣を発行してしまおうということである。そんな乱暴な・・・と思う人もいるかもしれないが、今、真剣に検討する政治家もいるようだ。
民主党の岩国哲人(てつんど)氏も、氏のHPの中で「政府紙幣の発行」を含む政策を展開している。
民主党の肩を持とうということではないが、ちょっと、引用させていただきたい。http://www.iwakuni.ws/policy1kinkyu2008.10.15.html
~引用~
「発想の転換を」―緊急政策提言―             2008年10月15日 衆議院議員 岩國哲人
 年初からのサブプライム問題に端を発した米国経済悪化は、9月のリーマン・ブラザーズの破綻から金融危機の様相を呈し、世界にその影響が波及している。
 10月3日、金融機関から不良債権を買い取る金融安定化法が米国で成立したが、資産の買い取り方法の実効性や国家財政に与える影響など、同法の効果を疑問視する意見もあり、株価は引き続き下落傾向にある。
 米国発の金融危機は、欧州などの世界経済にも波及しており、円は対ドル、対ユーロともに高値をつけ、輸出関連産業の業績悪化懸念が高まり、幅広い銘柄で売りが広がって、日本の株式市場は1年間に50%という世界最大の急落に見舞われて、景気の先行き不安が一挙に高まった。
 株価下落を喜ぶ人は誰もいない。いないどころか、株価の下落は株式を所有する企業、銀行、投資家のみならず、年金、保険などの一般国民の安心を奪い、不況による雇用削減で若い人の職場を奪い、暮らしの大量破壊兵器となってしまう。
 この未だかつてない強力な大量破壊兵器から日本経済と国民生活を守るための答えは、どの教科書にも見つけることはできない。
 異常な事態には異常な発想が必要だ。
 日本の経済と国民生活を守るためには政治と経済の仕組みを変える、発想の大転換が必要ではないか。政治も変える、経済も変える、「日本の政経手術」である。
 このような株式暴落・金融混乱の中で、私はバラマキ的発想ではなく、構造的改革を伴う8項目の緊急経済対策を提言したい。
              1 転換国債発行
              2 企業の自社株買い
              3 政府紙幣発行
              4 高速道路無料化
              5 第二次農地開放
              6 「消えない年金」
              7 食料品減税
              8 軽老ではなく「敬老の時代」を
~引用ここまで
氏はこの中で、政策の柱の1つとして政府紙幣の発行を政策提言しているが、これはどういうことなのか氏の言葉を借りて簡単に説明すると・・・・
「政府紙幣とは、政府が直接発行し通貨としての強制通用力を与えられた紙幣のことであり、政府が後に委任して発行する日銀紙幣とは異なる。政府が発行すると債務にならないとして、財政再建のため提案されたことがある。日本では、政府が財政支出の資金を集める手段として国債発行があるが、債務として残り、利子が付くという弱点がある。そこで政府が府紙幣を発行することで資金を調達し活用しようというものである。
 2003年4月16日には、2001年にノーベル経済学賞を受賞したコロンビア大学のスティグリッツ教授が関税・外国為替等審議会で、「日本政府はデフレ克服策として紙幣を発行すべき」と提唱したこともある。  
 政府が紙幣を直接発行すると信用力のない通貨を濫発し、ひいてはインフレーションを引き起こす危険性もあるとして、否定的な意見もあるが、もともと国債と同じく発行額は国会や日銀の直接・間接のコントロール下にあるので、そのリスクを回避することは可能である。」
だそうだ。
実は、かつて歴史上、このような政策は試みられているが、いずれもインフレが起きた。しかし、それは、まだ貧困が残る物不足の時代の話だ。今は物が売れないから「無理やり市場拡大」した顛末としての経済恐慌であり、かつてとは状況が違う。現に市場にお金が猛烈にだぶついているのに日本ではインフレにならないではないか?
 
政府紙幣で国の借金もチャラに出来るということだ。
ところで政府紙幣の使い方として重要なのは、国の借金さえチャラにすればいいということではない。「必要か否か」の判断で、農業や福祉や子育て、コミュニティ形成など、市場原理では割が合わないとされてきた必要なことにお金を投入すればいいのではないか?そうすれば、狂った金融経済から脱却し、人々が本当にやりがいを持って活動できるような社会が来るとは言えないだろうか?
頼りない民主党の中からも、このような発想が出てくる時勢である。真剣に考える価値があるのではなかろうか?
ちなみに、岩国氏の経歴は1936年生まれ、59年に東大法学部卒業後、日興證券、モルガンスタンレー、メリルリンチ日本法人会長兼社長を経て、出雲市長選当選、その後96年に新進党公認で衆議院初当選、以後民主党公認で衆議院に3期当選し現在に到っている。
経歴を見る限りは、かつて資本主義の真っただ中を歩んだ人という印象だが、資本主義の表も裏も知り尽くした上での政策提言ということなんだろうか?
ちょっと気になるのは、資本主義のシステムを守るための最終手段としての政府紙幣とも取れることか?
「なんで屋」的には、資本主義に変わる新たな経済システムに軟着陸するための「政府紙幣発行」と捉えたいところだ。

List    投稿者 hiroshi | 2008-10-24 | Posted in 06.経済破局の行方3 Comments » 

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コメント3件

 のだおじさん | 2009.01.27 21:49

万物と交換できる評価指標というのは、すなわち権力でもある。権力者は評価指標を独占することで権力を行使しやすくなる。
お金は、中央集権化の手段としてもかなり有効だったのではないか。

 kirin | 2009.01.31 22:41

「のだおじさん」さん、コメントありがとうございます。
>お金は、中央集権化の手段としてもかなり有効だったのではないか>
確かに有効だったと思います。
ただそれは、封建・君主の権力者が力の身分格差をつかい冨を収奪するうえで必要な指標であり、それは社会統合の視点で見れば第一価値ではないでしょう(社会統合上の評価指標の第一は「身分」)。
それに対して、封建・君主性が崩れ、万人に私権の獲得の可能性が開かれた近代市場になって、その市場を秩序化・統合するうえで評価指標として登場した「お金」とは区別した方がいいと思います。
そして、お金の登場で、幻想価格格差をつくり、相手を騙してでも儲ける「交換・取引の市場」が拡大していきます。

 hermes bags svizra | 2014.02.02 23:07

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