2018年11月01日

生存基盤を市場に委ねた結果~世界で起こっている水道民営化問題の実態~

この夏、水道法改正案が可決されました。

実はこの法案は「水道の民営化」を含む重大な法改正なのですが、慎重な国会審議も国民への説明もほとんどありませんでした。実際、この事実を知っている人は少ないと思います。
水道法改正案は6月27日に審議入り、7月5日には衆院本会議で与党などの賛成多数で可決、参院へ送付されたのです。

80年代以降、社会基盤の根幹をなす事業の民営化が相次ぎました。
鉄道、電信、郵政事業等・・・。そしてついに水道行政にも民営化の対象となりました。
政府も、経済界も、マスコミも、「民営化は経済の活性化とサービスの向上を促す良い事である」と礼賛していますが、閉塞した経済への対策として新たな市場を作り出したに過ぎません。
そして、そもそも社会統合の機能を持たない市場に社会基盤の整備をも委ねると言うのはきわめて危険な選択でもあります。
「水」のような、生命活動の根幹部をなす資源であれば尚更です。

世界に目を向ければ明らかですが、「水道事業民営化」とは、社会基盤を市場に委ねた結果、様々な問題を引き起こした一つの典型事例なのです。

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以下、「るいネット」からの引用です。 (リンク)

生命の源である「水」を民営化し市場に委ねた結果、どのような現実が待っていたのかがよく分かります。

【社会基盤を市場に委ねた結果~世界で起こっている水道民営化問題の実態~】

(前略)

 ■南アフリカ
民営化が実施され、収入の30%を占める水道料金を支払うことができず、数百万人が水道を止められている。
水道を止められ、何千人もの人々が汚染された川や湖から水を得ることを余儀なくされた。
その結果、南アフリカ史上最悪のコレラの大流行であり、
数千人の感染と数百人の「死」であった。
水道料金未払いに対しての対策が水道料金の値上げである。
契約時の4年前に比べて98%~140%もの値上げが実行された。

 ■アルゼンチン
1993年、世銀・IMF・アメリカ政府からの強い圧力を受け、水道を民営化した。
契約内容には上下水道の整備など重要事項は1年後には消えてなくなってしまった。
民営化以前の事業引継ぎ時に26.9%の料金引き下げが行われたが、民営化直前の大幅な値上げを一部を相殺した戦術に過ぎなかった。
その後、25%値上げ、29%値上げ、後に18%の売上税を導入、
さらに8%料金の値上げを実施した。

 ■マニラ
1997年、民営化。
債務や資金不足、漏水、盗水などの古くからの問題が民営化を進める理由とされたにもかかわらず放置され、不十分な水供給を慢性化させている。
2001年には3倍水道料金となり、さらに2年後に東地区で81%、西地区で36%もの大幅料金引き上げが行われた。

■インドネシア
1998年水道事業に進出した当初、独裁者スハルト大統領の辞任の際、グローバル水企業のテームズ・スエズ社は飲み水の浄化に必要な薬品をたった3日分残して逃げて行った。

 ■コロンビア
1994年、民営化。
が契約違反や透明性の欠如といった嫌疑や問題が次々と浮上し、現在、世界銀行の機構保全局と、カルタヘおよびボゴタの検事総長が、さまざまな容疑の捜査にあったている。
最貧困層の支払う水道料金は、過去7年間で422%も上昇した。
再富裕層の料金は、83%しか上がっていない。 

(後略)

以上引用終わり。

水メジャーによる水道支配は途上国においては厄災以外の何者でもなく、弱者や貧民層への水供給停止という、それこそ生存基盤を直撃するような事態を招いています。

21世紀に入り、途上国は「グローバル市場」と言う金貸勢力の狡猾な方針に乗せられて、経済が未成熟なまま国際市場に放り込まれた結果、宗主国、先進国からのさらなる搾取と貧富の差を生み出しました。
そして今、先進国、経済大国であっても同様の危機に晒されています。

しかし根本問題は、水や食糧などの生命基盤そのものまでもが市場に絡め取られている、市場経済のなかでは全てが私権と富の対象となっている、という事実です。

豊かさが実現された今、人々の快美欠乏を原動力とした大量生産、大量消費という経済構造は限界を迎えています。そして今、「食料」や「水」といった人類の生命基盤までもが、金貸しによる搾取と収奪の対象となっています。
これは先進国、途上国を問わない問題であり、人類の存亡に関る問題でも有ります。
「贈与経済」や「共同体再生」といった、私権統合に変わる新たな社会システム、経済システムを追求、実現する。その時期に来ているのでは無いでしょうか。

by:Yamakow

List    投稿者 nihon | 2018-11-01 | Posted in 06.経済破局の行方No Comments » 

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