2009年01月06日

なんでや劇場レポート2 ‘08.12.29「金融危機と意識潮流の変化」 ~’09年の経済情勢 貿易収支の変化と鎖国政策という可能性~

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なんでや劇場レポート1に続いて、日本と外国の貿易関係の変化に焦点を当てながら、どこに可能性があるのかを見ていきます。

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(b)貿易収支の変化
★日本は貿易赤字国になるのか?
日本は2008年8月に26年ぶりの貿易赤字を記録したが、その後の10月、11月も貿易赤字となっている。
これは、このまま続くのであろうか?
この問題を日本の貿易構造から考えてみる。
 
日本の主な輸出品は工業製品であり、この間の市場縮小の影響で輸出額は約30%減となっている。
主な輸入品のうち、工業原材料は、工業製品輸出に連動して30%減になるとしても、生活に必要な食料品やエネルギー資源などは、減少しても精々10%であり、輸入額全体は30%減少まではいかない。
 
つまり、原材料やエネルギー資源を輸入して、高価な工業製品を輸出するスタイルでは、市場が必要最低限のやりとりに縮小されていく過程に入ると、必然的に恒常的な貿易赤字国となるのだ。
 
今後の貿易関係は、資源国が貿易黒字国となり、その他の国が赤字となるプリミティブな関係へと回帰していくであろう。
 
★輸出経済から内需経済への転換は可能か?
もはや、輸出経済⇒貿易立国というスタイルは、現実の圧力と大きくズレてしまっているが、官僚や学者や経済界は意識転換ができずに、突破口を見出せていない。
 
内需経済への転換には賃上げが欠かせないが、輸出企業の代表とも言える自動車産業の状況を見ると、この外圧下で存続するためには、人件費を削減せねばならず、非正規雇用の打ち切りが先行している。今後は正社員の賃金カットや解雇に踏み切る可能性もある。
 
大企業ですらこの状況であり、中小企業ではさらなる人件費削減が必要となる上に、金融機関の貸し剥がしや貸し渋りという危機に曝される。
 
輸出題企業を軸とした産業スタイルの行き詰まりに伴い、’09年は倒産件数が増大することは避けられず、このままでは内需経済型への転換は困難であろう。
 
★国際間取引はどうなる?
しかし、国際間取引の情勢を見ると、輸出経済というスタイルが成立しないばかりか、貿易そのものの成立が危うくなってきている。
 
‘08年の9月以降、海上輸送においては、海上輸送運賃低下⇔海上輸送量低下にとどまらず、企業間の信用不安増大によって、貨物の船積みや荷揚げができない事態も生じている。
 
このままドル暴落、原油の高騰が起きれば、貿易停止という状況も十分に起こりうる。
 
【参考】
海上輸送の急減1 景気低迷で物資輸送が急減
海上輸送の急減2 信用取引が機能不全を起こし始めている
 
 
(c)鎖国政策という可能性
★鎖国政策が突破口?
グローバリゼーションの脆弱性、欺瞞性が明らかになった以上、方向転換は不可欠である。
現在の状況下では、鎖国政策⇒自給型経済モデルへの転換は、現実的かつ大きな可能性を秘めた選択肢である。
 
日本にとっては、エネルギー、鉱物資源、食糧と課題は山積みだが、突破不可能な壁ではない。
 
エネルギー
まずは輸入依存度の高い石油火力発電からの脱却は必須。
当面は原子力発電で凌ぎながら、国内でも対応可能な水力発電、石炭火力発電へ移行していくことが必要だろう。
 
鉱物資源
実は現在の日本は、既に鉱物資源の豊かな国になっている。
これまでの工業生産で蓄積した“都市鉱山(=貴重な鉱物資源を含んでいる廃棄された電子機器や製造工程のスクラップ等)”は、世界有数の資源国に匹敵する。
都市鉱山から鉱物資源を抽出する技術を磨いていくことで、この問題は十分に突破可能である。
 
【参考】
都市鉱山の活用法~単純な技術で高含有比率の粉砕物を取り出すことが可能~1
都市鉱山の活用法~単純な技術で高含有比率の粉砕物を取り出すことが可能~2
 
食糧
食事様式を欧米型の肉食中心から、米食・菜食中心に転換すれば、日本の農地でも約1.3億人分の食を賄うことは可能である。
また、生産様式も欧米型の大規模農業スタイル(機械化・化学肥料)から脱却すれば、環境負荷の低減、役割(仕事)の創出といった可能性が拓けてくる。
 
【参考】
日本の農地(田んぼや畑)について
『わら一本の革命』 ①科学技術の完全否定と誰でもやれる自然農法
『わら一本の革命』 ②汚染時代への回答
『わら一本の革命』 ③原点を忘れた日本の農政
 
 
市場拡大を前提としていると、現在の情勢は八方塞がりの行き詰まりにしか見えません。
しかし、固定観念を取り払って事実構造を見ていくと、現在は大転換期であることが認識でき、新しい可能性も見出すことができるのです。
市場縮小型の経済モデル、生活スタイルの実現プロセスは今後も追求していきます。

List    投稿者 lived104 | 2009-01-06 | Posted in 06.経済破局の行方2 Comments » 

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コメント2件

 kota | 2009.04.30 20:06

>【重税に苦しむ民衆⇒抵抗するもうまくいかない⇒世論形成によって成功する→新しい国家体制⇒それを正当化する国家理論】といった構造になっており、出来事の順序の違いはあれども先に見たアメリカの独立時の構造に非常に似ています。
18世紀末の段階で既に、世論=大衆共認によって社会変革が成立する・・・ある意味共認原理の社会に転換していたということですね。
・・・ちょっと驚きです。

 peachpuff hermes | 2014.02.01 8:28

hermes uk track and trace 日本を守るのに右も左もない | 『近代国家成立の歴史』18 新たな私権獲得の可能性「フランス革命」

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