2019年01月25日

日露会談の狙いは何か。ロシアの外交戦略が日本の「アメリカ離れ」を加速させる。

外交関係のニュースが日韓問題一色となっている中で、日露首脳会談が淡々と始まりました。
日本国内外でも様々な問題が山積する中で、なぜ喫緊でもない日露首脳会談が必要なのか。
一体何が話し合われているのか。

DIAMOND on lineさんがその記事の中で、一つの仮説を立てています。

端的に言えばロシアの狙いは「日本をアメリカから離反させること」

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会談の軸の一つは安全保障です。安倍総理は北方領土問題を出してくるでしょう。
領土問題を取り上げる事が支持率の上昇に繋がるのはどこに国でも同じ。特に韓国との関係が悪化する中で、ナショナリズムを煽る話題は確かに効くと思われます。

そしてプーチン大統領もその構造を見抜いており、巧みに利用してくる。

「強いロシア」を掲げるプーチン政権に対し、アメリカはクリミア半島問題に対する経済制裁、内政干渉などの露骨な手段をとってきました。
トランプ政権もまた、自らが吹聴する「覇権国アメリカ」が唯一の求心力であり、冷戦時代に逆戻りとなる強露復活は見過ごす事は出来ません。

今回の日露会談はこうした複雑な国際事情が背景にあります。
二国間に横たわる問題が本会談で解決できるとは安倍もプーチンも考えていない。

ロシアは「日本のアメリカ離れ、ロシア支持への変針」、
日本は「選挙に向けて北方領土問題解決への活動をアピール」

というのが双方の本音であり、この会談の「成果」と考えられます。

以下、
DIAMOND on lineさんの記事を紹介します。リンク

【プーチン氏、不安定な日米関係に乗じる 北方領土問題の継続、ロシアには有用】

70年前から続く領土問題でロシアが日本に外交アプローチを行っている目的の1つは、より価値のある成果を確保することだ。それは、この地域で最大級の米国の同盟国である日本との政治的関係の拡大だ。

 (中略)

  この数年間にプーチン氏が行った対日交渉は、政治的成果を生んできた。ウクライナ問題を受けて先進7カ国(G7)は対ロ制裁を実施しているが、日本の制裁は最も弱いものの1つだ。昨年英国で起きたロシアの元スパイ、セルゲイ・スクリパリ氏とその娘の毒殺未遂事件を受け、ロシア外交官の追放措置を実施していないのは、G7諸国の中で日本だけである。

  ブラウン氏は「領土問題で取引する可能性を遠い位置に保っておくことは、安倍首相に他のG7諸国と距離を置くよう促す上で、極めて有用だ」と指摘する。

  一連の日ロ首脳会談は、日米関係の不透明感が濃くなる中で行われた。

  安倍氏はトランプ大統領に取り入ろうとして、最初の会談時には金色のゴルフクラブを贈った。だが、トランプ氏が貿易面で不満を示していることで日米関係は緊張している。

 米政府は対日貿易赤字の削減を目指し、新たな貿易合意に向けて日本政府と議論を行っている最中だ。

  同時に、安倍氏は領土問題の協議に再度はずみをつけようというロシア政府の提案に乗り気になっている。朝日新聞の報道によると、同氏は昨秋、北方領土に米軍が駐留することはないとプーチン氏に伝えた。

  カーネギー国際平和財団モスクワセンターの「アジア太平洋地域におけるロシア」プログラムを率いるアレクサンドル・ガブエフ氏は、「日米を引き離す多数の要因がある今、日米が相互に疑念を抱く雰囲気を作り上げることは大きな成果となる」と述べる。

(後略)

(by yamakow)

List    投稿者 nihon | 2019-01-25 | Posted in 09.国際政治情勢の分析, 15.ロシアNo Comments » 

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